2012年11月アーカイブ

須田悦弘展@千葉市美術館

千葉市美術館で開催中の「須田悦弘展」。
先日展覧会鑑賞と須田さんご本人の講演会へ行ってきました!


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須田さんは、精密な植物木彫を空間も含めて作品とするインスタレーション作家です。

以前から知ってはいたものの、作品を実際に観るのは初めてなのでとても楽しみにしていました!


今回は上階の美術館だけでなく、1階のさや堂も使って展示されています。


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(ピンボケだけど)


昭和2年建築の旧川崎銀行千葉支店が復元保存されたホールです。
雰囲気があって良い場所なのです!
須田さんがここを使いたいと思うのも当然ではないでしょうか。


入ってすぐ、舞台に花が一輪落ちています。


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<マグノリア>


何という繊細な彫刻・・。
この薄く柔らかな花弁や葉、雄しべや雌しべもは全て木彫なのですよ。。


展示はいたずら心に満ちているので、どこにあるのか探さないと気付かない作品も。
<桔梗>は結局監視員さんに教えてもらいました。


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<桔梗>


8階展示室には箱のような建屋が並んでいて、1つ1つ中まで入って鑑賞するようになっています。
この建屋も室内の装飾も含めて1作品というわけです。

靴を脱いで一人ずつなので、後ろの列が気になってあまりゆっくり観れない^^;
それでも空間を独り占めできるのは素晴らしいひと時でした。


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<泰山木:花>


本当は"池"ごと楽しむものですが、人が多くて良い写真が撮れなかった作品。
でもとても近くで鑑賞できました!


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<睡蓮>


アサヒビール大山崎山荘美術館のモネの睡蓮近くに展示するための造形だそうです。
現地では贅沢な鑑賞になっていますねぇ。


こちらは一面漆黒の中で。


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<芙蓉>


何度も言いますが、木彫です。
なんてリアルなんでしょう。

漆アレルギーの人は観れないらしい。
勿体無い。。





零れ落ちる薔薇。


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ほおの木でほおの木を作ったという1994年の作品。
講演会のスライドで見せてくれましたが、銀座の月極駐車場で展示したものだそうです。

横は障子なので自然光で鑑賞できるようになっています。

準備中に葉が落っこちたものの、それもまた良しと感じてそのまま完成形になったとか。
確かに一部落ちて割れていますが、全く違和感がありませんでした。


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<東京インスタレイション>






最初の作品<東京雑草論>の外側はこんな感じ。
古くなってきているという理由で、中には入れませんでした。
遠くて雑草はよく見えなかった^^;


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<東京雑草論>





ギャラリーは高いので、屋台のように作成してコインパーキングで個展を開こうと考えてこの形式になったそうです。
屏風のイメージと言われればその通りですね。






7階「須田悦弘による江戸の美」では、千葉市美の所蔵品から須田さんが選んだ作品を展示し、何箇所かに植物が設置されていました。


分かりにくい場所にもしっかり展示されています。
スイスイ進んでいた人は気付かなかったんだろうなあ。


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監視員さん、実際に座るんだろうか・・勇気がいる^^;


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海外の展覧会でこういった仕掛けをしたら、掃除の人が気付かず掃除してしまい、作品がなくなっていたこともあるんだとか。
あり得るw






空間がないのなら作ってしまう。
こういう展示は、穴をあけて差し込んでいるんだそうです。
なるほど。


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落ち葉がこんなところに・・!


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屏風から零れ落ちた椿の演出をしたり長沢芦雪の描いた雀の側に米粒を置いたり仕掛けが色々あって楽しませていただきました。


浮世絵を上から眺められる展示方法がまた良かった!
普段千葉市美で見慣れた作品ばかりでしたが、とても観やすかったです♪






講演会では、いくつか作品を取り上げて、背景や発表した時の裏話などを聞くことができました。
今回展示されていない作品もあって面白かったです!

最初の頃は雑草など自生している植物に価値を見出していた。
しかし、売られている花ー例えばチューリップなどーも人間を介して世界に広まっている。
それも結局は種を増やそうとする花の意思なのではないか、と考えてから興味を持って作品にするようになった。

という話が興味深かったです。
哲学です、むむ。

19年やり続けてきたけれど、巧くなってきたし飽きるまでは同様の制作を続けたいとのことでした。


千葉市美の規模や会場など須田さんの個展に丁度良かった気がします。
また数年後位に開催して欲しいですね。


(2012.11.18)


「須田悦弘展」
■会場:千葉市美術館(千葉県千葉市)
■会期: 2012年10月30日(火)~ 12月16日(日)
■休館日:11月5日(月)、12月3日(月)
■開館時間:日~木曜日 10:00~18:00 金・土曜日 10:00~20:00

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2012年11月27日

ruru (19:28)

カテゴリ:旅行・イベント美術館・博物館鑑賞

尊厳の芸術展 -The Art of Gaman-@東京藝術大学美術館

東京藝術大学美術館では「尊厳の芸術展 -The Art of Gaman-」が開催中です。


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こちらは太平洋戦争中に日系アメリカ人の方々が強制収容所で制作した作品を集めた展覧会です。


当時12万人以上の日本人移民と日系アメリカ人が手荷物1つで砂漠の中などの強制収容所へ送られたそうです。

子供たちをアメリカ軍兵士として送り出し、自分たちは収容所から出ることが許されない生活。
アメリカ人として忠誠を誓いながらも、創り上げられた作品はどれも全て日本そのものです。


何もない収容所生活の中で作り出した生活用品。
机、椅子、籠やそろばん、そして仏壇まで。

精一杯生活を彩るために、拾った木切れや掘り出した貝殻で作った置物や装飾品。


粗末な材料からここまでの物が作れるのだという驚きだけでなく、何よりもその高い精神性に胸を打たれます。
厳しい状況におかれても表現することまでは奪えない、これが人間の本質なのだと強く感じます。


芸術とは技術ではないということをありありと感じることができる展覧会になっています。
この展覧会を藝大の中にある美術館で開催することにも大いに意味があるような気がしました。
芸術とは何か?
作品とは人間そのものなのではないか、とか思索にふけってしまいます。


写真撮影OKみたいでしたが、何だか色々考えてしまってカメラを向けられなかった。。
でも別にしんみりした展覧会というわけではなく、芸術性の高い展示物を無料で鑑賞できる展覧会になっています!






ところで。
今更ながらですが、藝大に平櫛田中記念室なるものがあることを初めて知った!
時折開くようですね。

丁度「平櫛田中コレクション2012」(12月12日(水)まで)が開催していました!


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こちらも無料。
平櫛田中作品だけでなく、弟子の作品や田中が集めた彫刻作品が展示されています。


これがね~。
私ごときの目で見た話ですが、やはりどうやっても田中の作品は別格に見えるのですねぇ。
なんだろうなあ、本当に魂のこもった木彫だって感じるのです。
素晴らしい 。゜゜(´□`。)°゜。

 





藝大では「中島千波 人物図鑑」も開催中。
藝大退任展だそうです。


「尊厳の芸術展 -The Art of Gaman-」の会場の上階で開催されているのですが、ガラッと雰囲気が違います。

こちらも無料で公開されています。
同じ日に見ると気持ちの切り替えが難しいかもしれないです。
新鮮な気持ちで中島さんの芸術性を感じた方が良いかなと。
"プロ"の精神世界の表現に圧倒されます。





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(夕方の上野公園)


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(旧東京音楽学校奏楽堂)


(2012.11.15)

「尊厳の芸術展 -The Art of Gaman-」
■会場:東京藝術大学大学美術館(東京都台東区)
■会期: 2012年11月3日(土・祝)- 12月9日(日)
■休館日:毎週月曜日
■開館時間:午前10時~午後5時 (入館は午後4時30分まで)
■観覧料:無料

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2012年11月24日

ruru (23:35)

カテゴリ:旅行・イベント美術館・博物館鑑賞

古事記1300年出雲大社大遷宮・出雲ー聖地の至宝ー@東京国立博物館

東京国立博物館では、「古事記1300年出雲大社大遷宮特別展・出雲ー聖地の至宝ー」が開催されています。


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古事記編纂から1300年。
来年は60年ぶりに出雲大社の大遷宮が行われることを記念した展覧会です。


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(しまねっこ可愛い。)

弥生時代から聖なる場所だったという出雲。
その証拠とされる国宝の銅鐸に始まり、出雲大社の所蔵品や関連史料、周辺の出土品などが展示されています。


何と言っても圧巻は、出土品である大量の銅鐸・銅剣です。
荒神谷遺跡ではそれまで日本中で見つかっていた総数を超える358本もの銅剣が出土しています。
その一部ですが、かなりの数を一度に眺めることができるようになっていて、これにはため息。。

これだけの青銅器を作り、埋めた背景が判明される時ってくるのだろうか。


出雲大社の巨大さにも驚きます。
宇豆柱を見て想像しただけでめまいがしそう。
日本にもそれだけの技術があったのだと誇らしい気持ちになります。


これはスマホアプリ"古代出雲大社の高層神殿"利用の写真。


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約48メートルもあったという古代の出雲大社と一緒に写真が撮れるアプリです。
東博入口で起動すると写真が撮れます。

位置が変えられるのだけど、東博の建物と上手く合わせるのが意外と難しかった^^;
でも出雲大社の巨大さを実感できて面白い♪


とにかく悠久の歴史と出雲という土地への畏敬の念を感じる展覧会でした。
実は未だに行ったことがないので、一度は出雲にも行かないとなあ。


現在東博では秋の庭園開放中です。
紅葉はもうちょっとというところでした。

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正面前のいちょうが綺麗で皆写真を撮っていました。


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その後さらっと常設などを鑑賞。
いくつか撮った写真から。


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竹内久一「神鹿」


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並河靖之「七宝山水楼閣文香炉」


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下村観山「白狐」


それと、目的のひとつだった「根付 郷コレクション」の部屋へ。
実業家郷誠之助氏の根付コレクションなんですが、質も数も素晴らしくて見ごたえたっぷり!

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可愛い動物の根付も好きですが、おかしな造形の根付にも惹かれます。
吉村周山・・不思議な造形ですが高い芸術性を感じます。


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期間限定の特集なので、根付好きはこの機会に是非見ておくことをオススメします。


東京国立博物館140周年特集陳列 根付 郷コレクション
本館 14室 2012年10月30日(火)~2012年12月9日(日)


もちろん出雲も。


「古事記1300年出雲大社大遷宮特別展・出雲ー聖地の至宝ー」
■会場:東京国立博物館(東京都台東区)
■会期: 2012年10月10日(水)~ 2012年11月25日(日)
■休館日:毎週月曜日
■開館時間:9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで) ※ただし、会期中の金曜日は20:00まで開館。

(2012.11.15)

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2012年11月22日

ruru (22:00)

カテゴリ:旅行・イベント美術館・博物館鑑賞

鳥類の多様性@国立科学博物館

久しぶりに上野の国立科学博物館へ出かけてきました。


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現在特別展として「チョコレート展」が開催中ですが、私のお目当ては企画展の「鳥類の多様性 日本の鳥類研究の歴史と成果」です。


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これは日本鳥学会創設100周年を記念した企画展で、日本の鳥類研究の歴史などを紹介する内容となっています。


以前から気になっていたところ、ぐるっとパスで入場できると知って即出かけてしまいました。


入口にどかんと絶滅鳥"カンムリツクシガモ"の標本。
世界に3点しかない標本のうち2点なんだそうです。
30年ぶりの公開だとか。
これは珍しい!初めて見ました!!

最初は雑種と思われていたそうですが、確かにどこかで見たような混ざり具合。。


詳しくは所蔵している山階鳥類研究所のHPで。
>>山階鳥類研究所のHP(所蔵名品から)
第5回 世界に3点しかない絶滅鳥-カンムリツクシガモ(ガンカモ目ガンカモ科)-<<


今回初めて知りましたが、この研究所のHP面白いです!!
鳥好きなら皆知っているのかな?


さて。
展覧会は、著名な研究者たち、鳥類の分類・生態などが標本やイラストと一緒にパネルで紹介されています。


渡り鳥につける発信機の紹介もあり、想像よりも大きくて驚きました。
もっと技術は進歩していそうなのになあ・・重そうで可哀想。


一室を利用した小展覧会で想像よりもライトな内容です。
もっと専門的で大規模な展覧会のイメージを持っていましたが、やはり常設展示の一角だし、来館者に合わせてか子供向けのわかりやすい展示にしてあるようです。


しかし食いついて見ているのは大人ばかりw

「鳥は良いよね~」と独り言を言いながら鑑賞しているおじさんに共感しつつ引いた・・。


ところで剥製と標本の違いって何だろう?
今回くたっと横たわった鳥の剥製が多々展示されていたのが不思議だったのと、全て標本として紹介されているので剥製とどう違うのだろうと思って。


ググってみると、どうやら標本は液体漬けなども含むらしい。

くたっとしていたのは仮剥製と言って、最低限の処理をした剥製なんだとか。
場所を取らずにたくさん保管できるので普通はコレらしい。

しかしガラスケースの中に力なく横たわっている仮剥製は死体感がハンパないよ。。


他に恐竜のように骨だけの展示もあったのだけど、これは面白かった!
細くて小さくてとてもきれい。
猛禽類も骨にしちゃえば細っこくて頼りないのが感慨深い。
まあ、人間も同じか^^;


その後初めてシアター360を観ました。
2005年の「愛・地球博」から移設された360度全方位の映像が楽しめるシアターです。

科学博物館オリジナル映像が上映されていて、内容は月替わりだそうです。
11月は「恐竜の世界」「海の植物連鎖」の2本。


いや~これがすごかった。
ドームの中に入って中央のブリッジに立って観るんだけど、上下左右全てを使った映像になっているから迫力が半端無い!
空から降りて恐竜の間近に寄ったり、海中に潜って泳いだり。

浮遊感を楽しめるシアターとなっているけれど、びびりなので床が透明のところには近寄らなかった私。


最初3Dと間違ってしまったけれど、そういうわけではないのですね。
月が替われば別の映像が観れるので、通ってみるのも楽しそう。

う~ん、子供の頃馴染んでいた科博がハイテクになってるよ。
また来よう。


新しくなった上野公園噴水周り。


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(2012.11.15)


「鳥類の多様性 日本の鳥類研究の歴史と成果」
■会場:国立科学博物館 日本館1階企画展示室(東京都台東区)
■会期:平成24年10月6日(土)~平成24年12月9日(日)
■休館日:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)
■開館時間:午前9時~午後5時(金曜日は午後8時まで)※入館は各閉館時刻の30分前まで

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現代の座標 -工芸をめぐる11の思考-@東京国立近代美術館 工芸館

久しぶりに東京国立近代美術館・工芸館へ。

現在は「現代の座標 -工芸をめぐる11の思考-」を開催しています。


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現代の日本工芸を代表する11人の作家たちの展覧会。
内容は漆工、ガラス、染色、陶磁など色々です。


気になった作家など。


田中信之(漆工)

まず単純にこんな大きな漆工作品があるのかと驚いた。
漆工のオブジェ。
ゆるやかな曲線とつややかな質感が日本的で美しいです。
 
 
 
武山直樹(七宝)

正に現代アート。
綺麗に折りたたまれた銅板に七宝による水玉などの模様が新鮮。
洗練された印象です。
 
 
 
小田橋昌代(ガラス)

不思議な世界観。
「ガラスの透過性は世界が幻想の上に成り立っていることを意識させる」といった意味のコメントをカタログで見ました。
精神世界を現しているようで、ふんわりとした優しいイメージなところが良いです。
 
 
 
畠山耕治(金工)

くすんだ金の斑模様が美しい。
琳派っぽい?
単純に好みだなあと思いました^^
 
 
 
関島寿子(編組)

こういった作品は初めて観た気がします。
でも一目でとても好きになった!
棕櫚や楮、胡桃など様々な素材を編んだ作品たち。
もうかごではないですよね、立体作品です。
 
 
 
伝統工芸ながらも現代のエッセンスがたっぷりの作品ばかりで、良い目の保養になりました^^


人間国宝・巨匠コーナーも充実。


音丸耕堂とかやっぱり良いですよねー。
あと田辺一竹斎の竹かごも美しかった!


富本憲吉なんかもあります。


工芸館の建物は旧近衛師団司令部庁舎。
明治期流行のレンガ造りで、建物だけでも見る価値あります。


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建物も重文らしいです。

北の丸公園で秋の気配を感じました。

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(1週間経った今は既に冬みたいですが。。)

北の丸にゃんこ発見!
=^-^==^-^=

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(2012.11.7)


「現代の座標 -工芸をめぐる11の思考-」
■会場:東京国立近代美術館 工芸館(東京都千代田区)
■会期:2012年9月15日(土)~12月2日(日)
※11月3日(土)文化の日、12月1日(土)開館60周年記念日
■休館日:月曜日(9月17日、10月8日は開館)、9月18日(火)、10月9日(火)
■開館時間:10:00-17:00(入館は閉館30分前まで)

 
 
 

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2012年11月14日

ruru (22:04)

カテゴリ:旅行・イベント美術館・博物館鑑賞

十一月花形歌舞伎@明治座

十一月花形歌舞伎を観に明治座へ行ってきました!
土曜に夜の部、日曜に昼の部という至福の週末を過ごしたー♪


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演目はこちら。

<昼の部>
一、傾城反魂香(けいせいはんごんこう)
二、蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり)


<夜の部>
三代猿之助四十八撰の内
通し狂言 天竺徳兵衛新噺(てんじくとくべえいまようばなし)
  市川猿之助宙乗り相勤め申し候


上演時間はこんな感じ。


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明治座で歌舞伎を観るのは初めて。
昔何か演劇を観た事はあったと思うのですが。

140周年の看板があちらこちらにありました。


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140年とは歴史があります。
座席が狭かったりするのは仕方ないのかも。


2階には明治座の歴史を振り返るパネル展示がありました。


猿翁が飛んでいます。
女形の宙乗り見たことがないなあ、今度見てみたい。


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そして剣客商売の藤田さん 。゜゜(´□`。)°゜。


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猿之助のパネルと写真が撮れるコーナーもありましたが・・コンセントが気になる。。

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さて、先に観たのは夜の部。
「天竺徳兵衛新噺」です。


最初の徳兵衛が船上で話す内容は時事ネタとなっているらしく、選挙の話なんかしていて笑えました。
猿翁はかつてベルリンの壁崩壊について語ったとか。


実在の人物で異国渡航経験があった船乗り天竺徳兵衛が、蝦蟇の妖術で日本転覆を目指す妖術使いにされています・・。


そして何と言ってもケレンの醍醐味満載のど派手な演出。


3役早替り!(実は・・があるから7役か?)
宙を飛ぶ幽霊!!
葛籠抜けの宙乗り!!!
なんだあのどでかいガマガエルはー!!!


途中途中の猿之助のセリフや演出で笑いは絶えず、演出に驚かされてあっという間に時間が過ぎてしまいました。


ザ☆澤瀉屋。
ザ☆エンターテイメント。


人情話などが好きな人には向かないかもしれませんが、ただただ楽しみたい、歌舞伎は初めてといった人にはオススメです。


小平次の怪談話が挿入されているので少し落ち着いたシーンもありますが、ここも吊りがあったりして動きはあるか。


猿之助は荒々しい台詞回しが多いので、のどの具合が心配に。。
動いて叫んでの大熱演でした。
大変そうですが、楽しんでそうな気配も^^
のびのびやってるように見える♪


もちろんどの役も良いのですが、私は猿之助のねえさん風の女形が好きなのでおとわが1番良かったかなあ。


萬次郎さんは存在感があって、笑也さんは美しいし、右近さんや門之助さん、猿弥さんなどなど一門の皆さんも魅力的。


最後に段四郎さんの姿も。
私が舞台を観た後休演されていたけれど大丈夫でしょうか。


大蝦蟇に乗った猿之助の舞台写真は既に売り切れていました。。
その代わりに明治座限定の"豆しば×天竺徳兵衛"マグカップをゲット。


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昼の部は打って変わって哀切漂う「傾城反魂香」から。
こちらは猿之助は出演せず、右近さんと笑也さんが魅せてくれます。
寿猿さんもご健在。

切ない話ですが、絵に描いた虎が飛び出して暴れる派手さもあり、最後はお笑いもありの充実の内容です。
夜の部に比べてぐっと歌舞伎らしい演目。

序幕の虎は可愛かったのに、二幕目の虎がタイガーマスクみたいだったのは狙いなのか?


「蜘蛛絲梓弦」は、またちょっと派手に猿之助の六変化。
舞踊中心ですが早替りや登場に目が離せず飽きません。

早替りしては飛び出してきて踊るのくり返し。
ものすごい体力だなあとヘタレの私は感心しきりなのです^^;

今回は花道近くの席だったので、役者さんの汗まで見えました。
その代わり座頭の登場の時だったでしょうか。
花道で音がするから振り返ったら舞台上の階段から登場している・・という演出にがっつりひっかかってしまった。
知っていたのにくやしい~。。

役者たちがざばざばと蜘蛛の糸を浴びながら終演。

華やかな舞台でした。


十一月花形歌舞伎は、昼も夜も見ごたえがありました。
まだチケットが余っているようなので行けたらまた行こうっと♪


(2012.11.10・11)


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2012年11月13日

ruru (23:59)

カテゴリ:旅行・イベントコンサート・芸術鑑賞

中国 王朝の至宝@東京国立博物館

東京国立博物館で開催中の「中国 王朝の至宝」のブロガー特別招待会へ行ってきました!


夜間鑑賞会なので閉館後の開催です。
正門は閉まっていて西門へ回らなければいけなかったのですが、暗くて怖かった・・。
夜の上野にびびりまくり。
それだけ大きな公共施設が集まった地域なんだとしみじみ実感しました。


「中国 王朝の至宝」は日中国交正常化40周年の特別企画展。
色々複雑な思いはありますが、素晴らしい文明があったことは確か。
やっぱりこの目で見たい!


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(これは昼間の写真)


しかし東博で荷物検査があったのは初めて。
不測の事態に備えているのでしょうか。


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実は自分では既に鑑賞済みなのですが、常に大混雑の東博特別展の割に空いていた気がします。
皆さんこの時期中国のものを見たくないとかあるのかもしれませんね・・。


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(皆向かうは出雲展?)


ブロガー特別招待会では東京国立博物館学芸企画部長松本さんがギャラリートークをしてくださいました。

中国大陸では、時代によって色々な国が成り立ち消えていきました。

この展覧会では、同時期の2つの王朝を対比する形で展示が構成されています。


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(写真は3章の"秦vs漢"です。)


第1章 "蜀vs夏・殷"

四川付近の蜀は金の仮面などが見つかっている金の文化。
しかし文字がなかったため判明していることが少なかったそう。
でも三国志は誰でも知ってますー♪


夏・殷は言わずと知れた中原の青銅文化。
文字があったので夏・殷王朝の方が有名だが、同時期に存在。

この青銅は刷り込まれていますね!
中国=青銅器。
泉屋博古館のボランティアガイドさんのおかげで饕餮文にも詳しくなった私 (*^-^)


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(蜀:人頭像)


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(夏・殷:突目仮面)


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(夏・殷:方鼎)

第2章 "楚vs斉・魯"

楚は木や皮の文化だが、文字がなく謎が多い。

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(楚:木&鹿の角から成る鎮墓獣)


魯は孔子の故郷。
斉と並んで諸子百家と言われる思想が生まれ栄えた文化。

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(斉・魯:犠尊)

第3章 "秦vs漢"

初めての統一王朝秦はたった15年で滅び、漢は400年に渡る安定王朝に。
秦は圧倒的に大きく力強く、漢は洗練された様式美の文化。


第4章 "北朝vs南朝"

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北は北方民族、南は漢民族。

青磁の初めの陶製品やアジア最古と言われるダイヤの指輪など。


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第5章 "唐"

こちらだけ唐一国で、首都長安と副都洛陽の比較になっています。
華麗な文化が花開いた時期。
色彩豊かで西洋文明や現代の文明に通じる文化。


第6章 "遼vs宋"

契丹族の遼はモンゴル系。
造形を見てもモンゴル系の顔つきとわかる。
金・銀の物が多い。

一方宋は小さな王朝だが、人間の内面を見つめるような文化が始まった頃。

今回特別出品の阿育王塔。

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(北宋:阿育王塔)

新発見の仏塔で、南京市以外での公開は初めてだそうです。
豪華できらめいていました☆


今回は自分でじっくり鑑賞後のギャラリートークだったので、曖昧に眺めていた展示物の輪郭がはっきりと見えてきて理解が深まりました。
松本さんありがとうございます!
とてもわかりやすかったです。

この展覧会は4000年分の文化を凝縮して知ることができるようになっています。
観るものはたっぷりあるんですが意外と疲れません。
展示物が本当に多種多様で飽きないし、あまり細かい展示物がないのも良いのかもしれません。


会場外には最近人気のガチャガチャもあります。

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6種類。


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ブロガー特別招待会のお土産で1ついただくことができました。
なんと、ずるっこで好きなものが選べるという大人のガチャガチャ。
私は"犠尊"を選択。


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(斉・魯:青銅器の酒器)


かわいいー!
ありがとうございました!
東博オリジナルフィギュアと一緒に飾ります*^^*

ガチャガチャもそうですが、音声ガイドもアニメ版があったり子供も楽しく鑑賞できるようになっています♪


(2012.11.8)


「中国 王朝の至宝」
■会場:東京国立博物館平成館(東京都台東区)
■会期:平成24年10月10日(水)~平成24年12月24日(月・祝)
■休館日:毎週月曜日(ただし12月24日は開館)
■開館時間:午前9時30分~午後5時 (入館は閉館の30分前まで)※金曜日は午後8時まで開館

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2012年11月12日

ruru (23:05)

カテゴリ:旅行・イベント美術館・博物館鑑賞

美術にぶるっ!ベストセレクション日本近代美術の100年展@東京国立近代美術館

東京国立近代美術館がこの秋リニューアル!
現在「美術にぶるっ!ベストセレクション日本近代美術の100年」展が開催されています。


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この展覧会の夜間特別観覧会に当選したので出かけてきました。
1点撮りでなければ写真撮影もOKでした♪
(まあ元々常設は撮影OKの美術館ですが。)

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(エレベーター周り)


まずは地下の講堂で鈴木研究員によるミニレクチャー。
リニューアル内容の説明後、今回の展覧会の解説を簡単にしていただきました。


"美術にぶるっ!"という変わったタイトルについては

「美術にふるえたことがありますか?」

というテーマの下、感動した作品だけでなく何か負の感情が沸いたものも含めて美術からの刺激を喚起するという意味(←私的咀嚼^^;)でつけたそうです。


コレクション名品展ではなく、重文13点も一挙公開、第2会場の「実験場1950s」との連動など構成の説明から力の入りようが伝わってきました。
期待が高まります!


その後は自由観覧。
本来は4階のコレクション展示から鑑賞するのですが、混雑しそうだったので第2部の「実験場1950s」から観ることにしました。

入口からガラッと雰囲気が違いますね。


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「実験場1950s」は国立近代美術館が開館した1952年にちなみ、1950年代の美術の精神と活力にスポットを当てた展示です。

入場と同時に始まったのは"原爆の刻印"コーナー。
原爆ドームや被爆者を被写体にした土門拳と川田喜久治の力強い写真が並びます。


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1950年代というのは、未だ戦争の影が色濃く残っていたのだというところから展示を始めたのでしょう。


「もはや戦後ではない」とは1956年の経済白書の言葉ですが、その同時期に写真家たちは広島でこんな写真を撮っていたわけです。


ああ・・やはり上から順番に観れば良かったか・・。
ぼんやりと松園やら龍子やら美しい日本画を目当てで出かけたので衝撃が大きかった・・でも目が離せない・・。


その後も写真、絵画、造形物や映像など様々な作品が続きます。


戦争を経験した芸術家たちの作品で取り上げられる死や肉体、強いては人間そのものの捉え方は、やはり私たちが考えるものよりも生々しさを感じる気がします。

今回河原温の『浴室シリーズ』がどっさり公開されていますが、これなども肉体を執拗に物体化することで、逆に生への執着を感じさせられた気がします。
どういう解釈が正しいのかはわかりませんが。


同時にこの時代は失ったものを取り戻そう、より良い未来へ動き出そうというパワーにも満ち溢れています。

『暮らしの手帖』コーナー。

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『カメラ』のコーナー。

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経済成長に伴う開発や反発をテーマにした作品も多数ありました。

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安保闘争などをモチーフにした作品も。

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戦争を挟んで価値観がまるで変わった1950年代。
戦争の記憶と経済成長の狭間で自分自身の価値観が問われる時代でもあったのではないでしょうか。

前出の鈴木さんが現代人もヒントを得られるのではないかと仰っていたのが印象的です。

さて。
夜間鑑賞会の時間は2時間ほどだったので、もう時間がなくなってしまいました^^;

図録と招待券までいただいたので、上階の「第1部 MOMATコレクション」はもう一度出かけるつもりです。


4階入口の写真だけ。
ほら、こんなに変わっちゃいましたよ~。

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(2012.11.7)


「東京国立近代美術館60周年記念特別展 美術にぶるっ! ベストセレクション 日本近代美術の100年」
■会場:東京国立近代美術館(東京都千代田区)
■会期:平成24年10月16日(火)~平成25年1月14日(月・祝)
■休館日:毎週月曜日(祝日又は振替休日にあたる場合は開館し、翌日休館)と、年末年始(12月28日~1月1日)。ただし、12月25日は開館。
■開館時間:午前10時~午後5時 (入館は閉館の30分前まで)
*金曜日は午後8時まで開館

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2012年11月11日

ruru (19:05) | コメント(2)

カテゴリ:旅行・イベント美術館・博物館鑑賞

ジョルジュ・ルオー・IラブCIRCUS@パナソニック汐留ミュージアム

新橋にあるパナソニック汐留ミュージアムでは「ルオー財団特別企画展 ジョルジュ・ルオー IラブCIRCUS」が開催中です。


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元々汐留ミュージアムはルオーの作品を多数所蔵しているのですが、今回はそのルオーの作品の3分の1を占めているというサーカスの作品にスポットを当てた展覧会になっています。


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美術館もサーカスのイメージで楽しくデコレーションされていました。


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今回は「山田五郎アートトーク」にも出かけたのです!
1時間ほどのルオーに関するアートトークを聴講しました♪


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ご自身のルオーとの出会いは、中学生の頃お父様が買ってきたミセレーレの版画だったとか。
美術好きの血は争えませんね。
父親がミセレーレを買ってくる・・そんな家庭環境に憧れる。。


内容は師モローの影響、日本でのルオー人気、近代美術史の一端まで幅広く。
テレビそのものの軽快な口調でのお話なので、飽きることなく楽しく聴くことができました。
専門家はもっといるでしょうけれど、講演会は授業ではないのだし、やはり話術の方が重要だなあとかしみじみ考えてしまいました。


さて。
そのお話によればルオーは象徴主義で「俗の極みに聖なるものがある」と考えたのではとのこと。


その後展覧会を鑑賞したのですが、ルオーの描く道化師やダンサーたちは皆一様に暗い影をまとっています。


華々しいステージの裏側を描き、そこに生きる人々の哀愁の中に人間の人生そのものを反映させる。


力強い筆遣いの中にルオーの想いが塗り込められているように感じました。


晩年の作品で道化師が神に近づいていったのも一目でよく分かります。
物悲しい作品が続いていたので、明るい色彩と道化師の突き抜けた表情に少しほっとしました。

サーカスというと楽しそうなイメージですが、このルオーの展覧会は違います。
演じなければならない芸人たちの孤独と悲哀に目を向けた作品ばかり。


日本では梅原龍三郎が初めてルオーの作品を持ち帰り、白樺派が気に入っていたのだというお話がありましたが、文学的な絵画という意味でその理由が分かる気がしました。


タペストリーの原画が3枚展示してあったのですが、これほどの大作が並ぶのは珍しいそうです。
ルオーの特徴は黒枠と何重にも重ねた濃い色使いですが、大きさがある分益々迫力が増しています!
しかし道化師家族を描いた『小さな家族』はまだしも、寂しげな表情の『踊り子』、怪我をした道化師を労わる仲間を描いた『傷ついた道化師』などは物悲しさを感じる作品で、これをタペストリーにして居間に飾るのもなんだか気が引ける。。


その他にもルオーが集めた新聞の切り抜きや当時のサーカスの様子を知ることができる映像などの資料なども多数展示してあり、ルオーとサーカスについては随分掘り下げて知ることが出来たように感じます。


ボードレールの詩集『悪の華』の挿絵の話を聴いて興味を持ったので、今度是非読んでみたい!


会場はそれほど広くないですが、ルオーの精神世界を垣間見ることが出来る展覧会になっていました。

(2012.11.2)


「ルオー財団特別企画展 ジョルジュ・ルオー IラブCIRCUS」
■会場:パナソニック汐留ミュージアム(東京都港区)
■会期:2012年10月6日(土)~2012年12月16日(日)
■休館日:水曜日(祝日は開館)
■開館時間:10時~18時(入館は17時30分まで)

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2012年11月 6日

ruru (22:51)

カテゴリ:旅行・イベント美術館・博物館鑑賞

ZESHIN 柴田是真の漆工・漆絵・絵画@根津美術館

11月1日から根津美術館で「ZESHIN 柴田是真の漆工・漆絵・絵画」が始まりました!

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とてーも楽しみにしていたので早速初日に出かけてきました!

展示は重箱や文箱、盆に印籠、漆絵の画帖や屏風まで多岐に渡った作品が集められていました。

技巧はもちろん、是真の魅力はデザイン性の素晴らしさですね。
美しい植物や花鳥、それらを生かす空間や色彩。
ため息ため息。。

『烏鷺蒔絵菓子器』のひしめく鳥の群れ、『夕顔蒔絵板戸』の蔓の具合、『月薄鈴虫蒔絵額』の静謐な月夜・・。
印籠1つとっても様々な画題や技法に挑戦していてそれぞれの良さがある。

どの作品が一番お気に入りか決められません!

漆絵の画帖も興味深く鑑賞しました。
シンプルな写生的なものもあれば本格的絵画の趣のものもあり、意外と可愛い動物たちが描かれているのも楽しいです。

そして今回の展覧会では是真の画業にもスポットを当てていて、絵画作品も展示されていました。

『瀑布図屏風』の迫力がすごい!
『鯉図屏風』は空間の感じも良いですが、鯉の表情もユーモラスで印象に残りますね。

伝尾形光琳作の在原業平図の硯箱と、是真が模した硯箱が並んで展示されているのも見所の1つでしょう。
違いを見るのも面白いです。

好きだ好きだといいながら漆塗りの技法については何度勉強しても頭に入ってこない私・・。
自分で少しやってみないとダメかも。
まあいいのです、観て感動することには変わりないのですからー。


細かい細工を観るために単眼鏡は必須です。
遠めで観ているだけでは気付かない細工が見えて感動!
それでも足らずに、もうちょっと近くに展示してくれればいいのにって思う物もありました。


根津美術館と言えばお庭。

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紅葉が少しだけ始まっていました。

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(2012.11.1)


「ZESHIN 柴田是真の漆工・漆絵・絵画」
■会場:根津美術館(東京都港区)
■会期:2012年11月1日(木)~12月16日(日)
■休館日:月曜日(ただし月曜日が祝日の場合、翌火曜日)
■開館時間:午前10時~午後5時(入館は4時30分まで)

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2012年11月 4日

ruru (00:07)

カテゴリ:旅行・イベント美術館・博物館鑑賞

棚田康司「たちのぼる。」展@練馬区立美術館

練馬区立美術館で開催中の「棚田康司「たちのぼる。」展」へ行ってきました。

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棚田さんについては全く詳しくなく、どこかの展覧会か美術雑誌かで作品を目にしたことがある程度。
それでも特徴的な少年少女の木彫はすぐに思い浮かびます^^;

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千葉からはるばる練馬へ・・。
行きつけない地域なので遠く感じる。
でも練馬区立美術館は結構良い展覧会をするし、今年からぐるっとパスに追加されたのを機会に頑張って出かけています。

美術館に入るとすぐのロビーに『たちのぼるー少年の場合』の展示。
天井から釣り下がったロープに逆さの少年・・のぼっているのか・・。
インパクトがあって入場した途端に作家の世界観が広がります。

壁や階段も利用して地味な美術館がすっかり棚田ワールドになっている!
展示が上手いなあ。

設営の様子などが紹介されているサイトがありました。
少しは様子がわかると思います。
>>棚田康司 「たちのぼる。」展

ご本人が決めている・・?
展示全体が作品となっているのでしょうか。
それなら世界観がそのまま反映されているのは当然ですね。

作品の特徴としては中性的な少年少女、長い手足でしょうか。
視線も居場所もどこか現実と異世界の狭間にあるような印象を受けます。
ポーズも顔の向きや体のひねり具合などが絶妙で不思議な存在感を醸し出しています。

しかし何と言ってもほとんどが私の好きな一木造りなのです♪♪
一本の木から生まれ出るこの浪漫よ。

肌や骨の質感の繊細な彫りが素晴らしい。
アンバランスな長い手足と対照的に、あばら骨や皮膚にはリアル感があったり。

う~ん、やっぱり木彫って魅力的。

思っていたよりも作品数は多く、初期の作品も展示されていました。
作風は大分違ったようで、荒々しくとがっています。
全く別人の作品のよう。
第4展示室に閉じ込められたら発狂するかもって思っちゃった(><)

祈りの込められた仏像や生きているかのような木彫と違って、これはやはり現代アートだなあと思いました。
表現から感じ取る必要があるというか、ストレートに来てくれない。
意味や説明を求めてモヤモヤしてくる。
解説を読めばなるほどね、って思うけれど知らないでも良いのでは。
素直にこの世界観が気に入ったのでそれで良いんじゃないかなあと。

意外と年配の方が熱心に鑑賞してたのが面白かった^^

(2012.10.30)


「棚田康司-たちのぼる。展」
■会場:練馬区立美術館(東京都練馬区)
■会期:2012年9月16日(日)~11月25日(日)
■休館日:月曜日
■開館時間:午前10時から午後6時(入館は午後5時30分まで)

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2012年11月 2日

ruru (21:33)

カテゴリ:旅行・イベント美術館・博物館鑑賞

ジェームズ・アンソールー写実と幻想の系譜ー@損保ジャパン東郷青児美術館

新宿の損保ジャパン東郷青児美術館では「ジェームズ・アンソールー写実と幻想の系譜ー」が開催中です。

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アンソールのイメージは仮面や髑髏。

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でも静物画や風景画など美しいタッチの絵画も随分描いていたのですね。
今回の展覧会では50点ほどの作品を揃えて、アンソールの若き頃からの軌跡をたどっています。

模写などもあり、色々な画家たちの影響を受けて試行錯誤し、時間をかけて自分だけの画風へ変化していく様がよくわかります。
作風も色々と変化しているので、名前なしで観たらアンソールの作品だけを選ぶのは難しいかも。

自分や友人を描いた肖像画もありましたが、至ってシンプルな作風です。
特徴としては画家たちを身なりの良いブルジョワ層のように描いているのだとか。
強い自尊心が伺えます。
それがまさか自分を髑髏で描く方向へ進むとは。。

有名な『牡蠣を食べる女』は、思っていたよりも大きくてびっくり!
印象派の影響もあった頃で光の描写にこだわっていたらしいのですが、こってりした濃いタッチの絵画で、フランスの印象派とはまた違う印象です。

仮面の作品は人間の本質を描こうとしているのか、禍々しさと滑稽さが混在しているように感じました。
でも同じ仮面の作品でも『愛の園』はどこか幻想的な印象だったなあ。

全展示の中で仮面の作品はそれほどないのですが、やはり印象は強烈です。
アンソール独特の世界観を醸し出しています。

今回はアントワープ王立美術館の改修に合わせての来日だそうです。
アンソールだけでなく、画家仲間や影響を受けた画家たちの作品も同時に展示されています。

アンソールの作品と比較して観ることができるのが面白い!
作家が混在した展示なので戸惑いもありましたが。

ベルギーと言えばのルーベンスやブリューゲルの作品も結構ありました。

ルーベンスのライオンを描いた銅版画が3点ほどあったのですが、なんだかユーモラスな感じ。
ルーベンスのああいう絵を初めて見た気がします。

日本の浮世絵にも影響を受けた時期があったようで、武者絵の模写があり、団扇などを描いた作品もありました。
当時アンソールは東洋的なものを全てシノワズリと考えていたそうで、ジャポニズムではなくシノワズリとタイトルがつけられていました。
残念。

日本でアンソールの作品をこれほど一度に観ることができる機会はあまりないと思うので、良い機会を得ることができました*^^*

(2012.10.30)


「ジェームズ・アンソールー写実と幻想の系譜ー」
■会場:損保ジャパン東郷青児美術館(東京都新宿区)
■会期:2012年9月8日(土) -11月11日(日)
■休館日:月曜日
■開館時間:午前10時-午後6時、 金曜日は午後8時まで(入館は閉館30分前まで)

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2012年11月 1日

ruru (22:42)

カテゴリ:旅行・イベント美術館・博物館鑑賞

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