2008年6月アーカイブ

『虚夢』薬丸 岳

虚夢
『虚夢』
薬丸 岳
講談社 2008-05-23

娘を殺し妻を傷つけ、家庭を失わせた犯人は精神鑑定の結果刑務所へも行かず、自分たちの住む町を自由に歩き回っている。
その姿に怯える別れた妻を今度こそ守る為三上は犯人を見張ることにするが・・。

「心神喪失」で罪を免れることができる法律は間違っているのではないか?
遺族の鬼気迫る思いを描く。

読みやすく一気に読めるし、うまくまとまってはいる作品だとは思う。
"未成年"同様難しい問題をテーマにしており考えさせられるが、丁度『閉鎖病棟』の後に読んだのでう~ん普通の感覚で書くと結局こういう描き方になるよなあ、というのが一番の感想。


読了日:2008.6.28
★★★☆☆


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2008年6月30日

ruru (22:46)

カテゴリ:国内ミステリー薬丸 岳

『閉鎖病棟』帚木 蓬生

閉鎖病棟 (新潮文庫)
『閉鎖病棟』
帚木 蓬生
新潮社 1997-05

背表紙に精神科病棟での殺人事件・・とあり、最近読み漁っているミステリーの1冊として購入したのだが読んでみるとミステリーではなかった!
何十年にもなる入院生活を送る精神病院の患者たち。
外出は禁止されていなくても社会には戻れず閉鎖されていた昔と変わりはない。

その中で家族との関係をやり直す者、自己を取り戻す者、彼らと触れ合い癒される通院患者、そして優しさから起きた殺人事件。

登場人物が皆純粋で優しい。
温かく切ない小説だった。

作者は現役の精神科医。
話の進みも登場人物たちの言葉もとにかく柔らかい。

「琴線に触れる小説」と逢坂剛氏が解説しているが大げさではない。
(こういうのって普通大体はずれているんだけどね)

初めて読んだ作者だったが、この人素敵だ!とか思ったので別の作品も購入してみた^^;
読むのが楽しみ。

読了日:2008.6.25
★★★★★


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『犯人に告ぐ』雫井 脩介

犯人に告ぐ
『犯人に告ぐ』
雫井 脩介
双葉社 2004-07

連続児童殺人事件の犯人をおびき出すために警察はTVを利用して犯人に呼びかける「劇場型捜査」を始める。
捜査責任者としてTV出演することとなった巻島警視は、5年前の児童誘拐殺人事件後のマスコミ対応で失脚した人物だった・・。

警察小説とあるが犯人は最後の最後まで影が薄く、警察内の捜査状況と主人公巻島の心理描写が一貫して描かれている。
警察内部やTV局との駆け引きに重点をおいてあるのがこの作品の特徴であるしそれなりに面白く読めたが、もう少し犯人像がはっきり描かれ対決場面などがあった方が盛り上がったのではないか。

読了日:2008.6.22
★★★☆☆


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2008年6月29日

ruru (23:29)

カテゴリ:国内ミステリー雫井 脩介

『失踪症候群』貫井 徳郎

失踪症候群 (双葉文庫)
『失踪症候群』
貫井 徳郎
双葉社 1998-03

一見何のつながりもない若者たちの失踪。
警察が動けない裏の事件を手がける警察官の環、私立探偵の原田、托鉢僧の武藤、肉体労働者の倉持がその真相を探る。

自らの意思で消えたように見える若者たちはどこへ行ってしまったのか。

数ページ読んで気づく。
「これ読んだし・・ていうか3部作全部」(苦笑)

でもかなり前のことだし結局また読んだ。

最近本屋で適当買いするのでミスが多いなあ、反省。

結末も徐々に思い出してしまい楽しみ半減。

ミステリ系はどんなに面白くても何度も読めないのが残念だ。

人物設定を見てもわかるようにエンターテイメント性が高い作品。
若者の失踪のからくりは面白い。
なるほどそんな手があるのかと感心した。

読了日:2008.6.22
★★★☆☆


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2008年6月23日

ruru (01:04)

カテゴリ:国内ミステリー貫井 徳郎(ミステリー)

『子どもたちは夜と遊ぶ』上下 辻村 深月

子どもたちは夜と遊ぶ 上 (1) (講談社文庫 つ 28-3) (講談社文庫 つ 28-3)子どもたちは夜と遊ぶ 下 (3) (講談社文庫 つ 28-4) (講談社文庫 つ 28-4)
『子どもたちは夜と遊ぶ』上下
辻村 深月
講談社 2008-05-15

「i」に会う為には人を殺さなくてはならない・・親しい友人の命さえも・・。
D大学でキャンパスライフを送る学生たちを渦中に高校生の失踪から哀しい殺人ゲームが始まる。

ネタバレせずにあらすじを紹介するのが難しいので大あらですみません。。

登場人物のキャラも立っているし読み応えも十分あって作者の力を感じるが、感想としては、、「若い」かな;
「i」の正体も本当の始まりとなった過去も想像を超えることはなかった。

良い作家さんになりそうな作者なので今後に期待。

読了日:2009.6.21
★★★☆☆


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2008年6月22日

ruru (23:29)

カテゴリ:国内ミステリーその他の作家(ミステリー)

『笑い犬』西村 健

笑い犬 (講談社文庫 に 28-8)
『笑い犬』
西村 健
講談社 2008-06-13

銀行の支店長だった芳賀は、融資に関する詐欺と脅迫の罪で実刑判決を受ける。
組織の為に自分一人が罪をかぶることとなり刑務所暮らしを始めた彼は、精神的に追い詰められいつの間にか不気味な笑いを身につけるようになった。

負け犬であり組織の犬であった芳賀は、刑務所内で笑い犬と呼ばれるようになり、自分を貶めた銀行上層部への疑惑を持つようになる。

「刑務所小説と企業小説と家族小説を、革新的に融合した力作」とあるように、3つの性質を併せ持つ読み応えのある作品だった。

刑務所暮らしを経て自らの人生を振り返りながら"成長"していく過程が面白い。

長々と描かれる刑務所での生活も芳賀の心理描写が上手く描かれ飽きさせない。

読了日:2008.6.19
★★★★☆

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2008年6月19日

ruru (23:20)

カテゴリ:国内小説一般

『人生は勉強より「世渡り力」だ! 』岡野 雅行

人生は勉強より「世渡り力」だ! (青春新書INTELLIGENCE 204)
『人生は勉強より「世渡り力」だ! 』
岡野 雅行
青春出版社 2008-06-03

「痛くない注射針」の量産化を成功させた世界一の職人と言われる岡野氏が説く「世渡り力」とは「人と情報のマネジメント力」。一流の技術を持つ職人ながら独自の発想とマネジメント力でビジネスの世界を勝ち抜いてきた氏の言葉は、何より説得力がありリアリティに溢れている。江戸っ子気質の話口調で書かれており読んでいて単純に面白い。amazonに抜粋がかなり紹介されているので見てみて欲しい♪

読了日:2008.6.17
★★★★★


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2008年6月17日

ruru (23:22)

カテゴリ:ビジネス・自己啓発

『本当に生きた日』城山 三郎

本当に生きた日
『本当に生きた日』
城山 三郎
新潮社 2007-05

専業主婦の素子は夫の単身赴任を機に、行動的な友人ルミに引きずられるようにして外で働くようになり女性の生き方について深く考えるようになる。
家庭を守るだけでは本当に生きていることにならないというルミ、視野が広がっていく面白さを感じながらも家庭の大切さを実感していく素子。
女性にとって本当に生きるというのはどういうことなのか・・。

城山三郎がこのようなテーマで小説を書いていたことにまず驚いた。
だが、男性が書いていながら女性の葛藤が繊細に描かれており、やや古風な感じはするものの共感できる作品だった。

個人的には、女性の生き方が幅広くなった分葛藤や矛盾が増えており、まだまだ混乱の時代は続くのではないかと思う。

読了日:2008.6.15
★★★★☆


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2008年6月15日

ruru (23:29)

カテゴリ:国内小説一般城山 三郎

『さまよう刃」東野 圭吾

さまよう刃さまよう刃 (2004/12) 東野 圭吾

商品詳細を見る

大切な一人娘が無残な遺体で発見された。
密告電話で犯人宅に向かった父親は娘の死の詳細を知り未成年である犯人への復讐を始める。

法律は加害者を守るためのものなのか?遺族の心の嘆きはどこへ向かうべきなのか?

 

復讐と少年法を問う作品。

誰もが主人公である父親に共感するはずだが、では果たして復讐という形は救いをもたらすのか・・。

単純に復讐OKな時代もあったわけだし、人間というのは文明の進化と感情の矛盾と戦い続けているような気がする。

 

やり切れないテーマの小説で出口が見えない。

考えさせられる作品。

読了日:2008.6.11
★★★★☆


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2008年6月12日

ruru (22:04)

カテゴリ:国内ミステリー東野 圭吾

『蛍』吉村 昭

『蛍』
吉村 昭
中央公論社 1989-01

蛍を見に行き川に落ちて亡くなった五歳の甥の葬式に出かけた主人公が、死の原因を作った小学三年生の甥と過ごす通夜の夜・・。表題作「蛍」の他死を見つめる短編9作。刑務官が死刑執行時の支え役を引き受けたことで与えられた特別休暇で出かける新婚旅行での心の揺れを描いた「休暇」が映画化するとのことで本屋で平積みされており手にした。吉村昭を読んだのは10数年ぶりだと思う。激情や大きな悲しみが描かれるわけではなく、客観的な視線で登場人物に多くを語らせず、彼の持つ「死」への思いを淡々と読者に投げかけてくる。こんな”静かな”小説もたまには良い。

読了日:2008.6.9
★★★☆☆


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ruru (21:25)

カテゴリ:国内小説一般吉村 昭

『グラスホッパー』伊坂 幸太郎

グラスホッパー (角川文庫 い 59-1)
『グラスホッパー』
伊坂 幸太郎
角川書店 2007-06

"非合法"な会社の社長の息子に妻を轢き殺された元教師の鈴木は契約社員となり復讐の機会を狙っていた。
しかし目の前でその息子が"押し屋"なる殺し屋に殺されその男の後を追う。

"自殺屋""ナイフ使いの殺し屋"、"非合法"な会社の社員らが"押し屋"を殺そうと群がるが・・。

一般人鈴木が垣間見た裏の世界。
人殺し三昧の小説なのだがテンポが速くミステリーやハードボイルドとも一線を置く。

ちょっと漫画的な人物設定だなあと思ったら漫画化されているらしい。。

設定は面白く一気に読めるが読後何か残るかというとちょっと?娯楽小説の趣き。

本屋でまとめ買いしたら1度にこの本2冊も買っていた・・。
店員さん教えてくれ~間違ったんです。2冊は要らんて。。

読了日:2008.6.4
★★★☆☆


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2008年6月 5日

ruru (21:34)

カテゴリ:国内小説一般伊坂 幸太郎

『狼の血』鳴海 章

狼の血 (カッパ・ノベルス)
『狼の血』
鳴海 章
光文社 1999-09

仕事は総務部の雑用で鬱々とした日々を送る冴えないサラリーマンの甲介の元に中学時代の同級生でヤクザとなった保坂が現れる。
拳銃と現金入りのバッグを置いて出て行った保坂が惨殺死体で見つかったことで甲介の狂気が徐々に解放されていく。。

かなりの長編で文庫も分厚い。

それもそのはず、主人公の行動、心理についてとにかく緻密に描かれている。
この筆力がすごい。

ただのサラリーマンが拳銃を持ったことで理性を失っていくのが怖い。

男性の方が好きな部類の小説かも。

読了日:2008.6.2
★★★☆☆


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2008年6月 4日

ruru (20:52)

カテゴリ:国内ミステリーその他の作家(ミステリー)

『灰色の北壁』真保 裕一

灰色の北壁 (講談社文庫 し 42-14)
『灰色の北壁』
真保 裕一
講談社 2008-01

山岳ミステリー短編集。
難攻不落のカスール・ベーラの北壁を制覇した天才クライマーの偉業は本物だったのか・・?

表題の「灰色の北壁」以外の2編も含め冬山の寒さと生死と隣り合わせの緊張感がひしひしと伝わってくる。

登場人物の心理描写も息詰まるリアル感がありさすが真保裕一と思える作品だった。

読了日:2008.6.1
★★★★☆


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ruru (20:34)

カテゴリ:国内ミステリー真保 裕一

『いつか、虹の向こうへ』伊岡 瞬

いつか、虹の向こうへ (角川文庫 い 64-1)
『いつか、虹の向こうへ』
伊岡 瞬
角川グループパブリッシング 2008-05-24

他人である3人の同居人と暮らす元刑事の主人公が、ある少女を家に泊めたことをきっかけに殺人事件に巻き込まれていく。
第25回横溝正史ミステリ大賞&テレビ東京賞W受賞作。

事件の謎を解くというより、殺人事件の犯人として捕らえられた少女を助けるべく奮闘する主人公、様々な事情で同居することになった擬似家族たちとの関わりなど設定や心情に重点を置いた作品。

解説にハードボイルド小説とあり、確かにその趣はあるが人間の優しさや切なさも描かれなかなか良い作品で楽しめた。

読了日:2008.6.1
★★★★☆


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2008年6月 2日

ruru (23:36)

カテゴリ:国内ミステリーその他の作家(ミステリー)

『星降り山荘の殺人』倉知 淳

星降り山荘の殺人 (講談社文庫)
『星降り山荘の殺人』
倉知 淳
講談社 1999-08

雪に閉ざされた山荘での殺人事件。
探偵役の文化人タレントと助手役のマネージャー見習い(主人公)が謎解いていく。
軽いタッチで進行していくのでちょっと漫画的な感じでもある。

各章の始めに読者向けの注目ポイントが明かされている点が変わった作りの作品。

本格ミステリというわけでもなくシンプルな設定だが意外な結末は予想外だった。
作者の意図にしてやられた感あり。。

読了日:2008.5.30
★★★☆☆


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2008年6月 1日

ruru (22:40)

カテゴリ:国内ミステリーその他の作家(ミステリー)

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