2009年2月アーカイブ

『看守眼』横山秀夫

看守眼 著者: 横山秀夫 出版社: 新潮社 サイズ: 単行本 ページ数: 281p 発行年月: 2004年01月

刑事になる夢を持ちながら看守として定年を迎えようとしている近藤は、未解決の主婦失踪事件の容疑者を独自に追っていた。「29年間看守として犯罪者を見てきた自分には事件の真相は見えている。」(看守眼)

ゆき江が離婚調停員として担当した菊田好美は、昔娘の奈津子をいじめ不登校に追いつめた同級生だった。現在の好美の不幸と幸せな結婚生活を送る奈津子を比べ暗い満足感を感じながら調停を進めるゆき江だったが・・。(口癖)  他6話の短編集。

どの話もしっかりとした作りで安定感があるのはさすが横山秀夫。
保身、疑惑、信念、信頼・・人の心の中には様々な思いが渦巻いており、時と場合、相手によって見せる顔は違う。

『午前五時の侵入者』『静かな家』『秘書課の男』では、組織の中で右往左往する男の姿がリアルで共に胃が痛むような気分になってくるし、『口癖』のゆき江の心境にも共感が持てる。

『看守眼』は唯一ミステリー調なのだが、このまま長編でもいけそうなほど面白い。

『自伝』はちょっと好みでなかったがストーリーとしてはしっかりしているので好きな人は好きかも。

全く異なる題材ながら一貫して人の心の奥を覗き見る短編集でどれも良かった。


読了日:2009.2.22
★★★★★


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2009年2月27日

ruru (22:06)

カテゴリ:国内ミステリー横山 秀夫(ミステリー)

『二の悲劇』法月綸太郎

二の悲劇 著者: 法月綸太郎 出版社: 祥伝社 サイズ: 文庫 ページ数: 430p 発行年月: 1997年07月

都内のマンションでOLが顔を焼かれて殺害された。 容疑者のルームメイトは失踪し、京都で死体となって発見される。 被害者が飲み込んでいた鍵、焼かれた顔、容疑者の京都行き・・探偵法月綸太郎が事件の真相を追う。

前出「一の悲劇」と同じ探偵法月綸太郎シリーズ。

仲良しルームメイトのOL同士に何があったのか?
鍵を握るのは被害者の胃に残っていた小さな鍵。

推理の過程がどうも納得がいかない・・。
探偵法月綸太郎の父が警視ということで、思いつきのような推理で警察がきっちり動き、上手くつじつまがあっていくのを読み流せない。

文章は上手いと思うけれど、設定や人物心象があり得ないことになっている。

極度のスランプ状態の中で書いたと後書きにあったが、こだわりばかりが伝わってきて読者が楽しめる小説にはなっていないのではないか。

読了日:2009.2.21
★★☆☆☆

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2009年2月24日

ruru (18:08)

カテゴリ:国内ミステリー法月 綸太郎

『パーフェクト・ブルー』宮部みゆき

パーフェクト・ブルー 著者: 宮部みゆき 出版社: 東京創元社 サイズ: 文庫 ページ数: 355p 発行年月: 1992年12月

高校野球のスター選手諸岡克彦が焼き殺されるという事件が起こる。 容疑者の自殺で事件は解決したように思えたが・・。 被害者の弟進也と共に蓮見探偵事務所が事件の真相解明に乗り出す。

「読んだことがあるような」と思いながら手に取ったが、今回は大丈夫だったらしい。 有名作品だし古いものなのに色々読みこぼしている本があるのだと実感・・。

蓮見探偵事務所の一員である元警察犬マサの視点から事件を語るのが面白い。
子供でも大人でも楽しめるミステリーだし、軽いタッチだが人間心理の深いところをついていて物足りなさを感じることもない。
宮部みゆきの作品は読者を選ばないとつくづく感じる。

設定や真相は悲惨なものであったりするのに、陰鬱にならず爽やかな気持ちにすらなれるミステリーに仕上がっているところが宮部みゆきらしくて良かった。

読了日:2009.2.19
★★★★★


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2009年2月22日

ruru (22:52)

カテゴリ:国内ミステリー宮部 みゆき(ミステリー)

『暗黒館の殺人・上下』綾辻行人

暗黒館の殺人(上) 暗黒館の殺人(下) 著者: 綾辻行人 出版社: 講談社 サイズ: 新書 発行年月: 2004年09月

当主の息子・玄児に招かれて湖の小島に建つ暗黒館を訪問した”中也”は、館で催された<ダリアの宴>に参加することとなる。 宴に集う浦登一族たちの謎と連続殺人の真相とは。

館シリーズ最終章。 とにかく長い。 ミステリは一気読みしてしまう性質だが、読むのに2日かかってしまった。

館の造り、登場人物である浦登一族の説明などとにかく緻密で込み入っている。
殺人事件がどうというよりも、館や浦登家の設定にこだわりぬいているという印象。
事件もなかなか起こらず、数々の疑問もいつまでも解決しない。

8年の歳月をかけて書いたという作者の執念を感じる作品ではある。

綾辻行人の館観を堪能したい人には良いだろうがミステリとしてはどうだろうか・・。
私としてはあまりに描写がくどすぎて読み疲れたし、ミステリ的な味わいは感じられなかった。

ただ、これだけの世界観を作り上げていることは素直に感嘆してしまう。
江南や鹿谷の活躍は少ないが、随所に過去のシリーズの要素が出てくるので館シリーズ愛好家には堪らない世界観だろう。

しかしとにかく長い、の一言です。

読了日:2009.2.13
★★★☆☆


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2009年2月16日

ruru (02:12)

カテゴリ:国内ミステリー綾辻 行人

『黒い春』山田宗樹

黒い春 著者: 山田宗樹 出版社: 幻冬舎 サイズ: 文庫 ページ数: 533p 発行年月: 2005年10月

覚醒剤中毒死の疑いで監察医務院に運び込まれた遺体から未知の黒色胞子が発見された。 翌年5月、口から黒い粉を吐きながら絶命する犠牲者が全国各地で続出し、遺体からは同じ胞子が見つかる。 3人の研究者たちがチームを組んでこの事態に向かいあっていく中、意外な感染源が判明する。

研究にあたる描写がリアルなのでもしやと思ったが、やはり作者は大学院農学研究科卒・製薬会社勤務経験ありとのことで納得した。

未知の感染病の恐ろしさや国の対策の遅さ、研究者の意地と愛情、医学的見地に加え歴史の探求までと幅広い要素を扱いながら上手く混ざり合っている大作。

文庫裏表紙にはエンターテイメント巨編となっていたが、まさにその通りだと言えるだろう。

ただのパニック小説ではなく、静かに混乱や絶望、期待と熱意などを丁寧に描いている。

『嫌われ松子の一生』は全然良いと思えなかったがコチラの小説は読み応えがあって良かった。
すっきりしないラストではあるが、この方がテーマに沿っているとは思う。

読了日:2009.2.12
★★★★☆


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2009年2月15日

ruru (00:21)

カテゴリ:国内小説一般その他の作家(一般)

『解体諸因』西澤保彦

解体諸因 著者: 西澤保彦 出版社: 講談社 サイズ: 文庫 ページ数: 466p 発行年月: 1997年12月

タックこと匠千暁を中心とした登場人物たちが9つのバラバラ事件(殺人または物の場合もあり)を推理していく連作短編集。

『スコッチ・ゲーム 』『彼女が死んだ夜 』と同じ登場人物たちの社会人版。

安槻市内で起きた様々なバラバラ事件を推理していくのだが、探偵役は千暁ではない場合もある。

1つ1つはこじつけのような推理で幕を閉じるので消化不良で物足りないような気がしていたのだが、最終章で全てが繋がり真相が解明する仕組みになっていた。

一応1話毎に完結するため、そのつもりで読んでいたのでこれは嬉しい驚き。

バラバラ殺人をパズル的に解くという意図の元書かれているので、事件の背景や登場人物たちの感情にはあまり触れられていない。
共感して読むというよりは謎を解いていくような推理小説。

”解体”にこだわって無駄に”バラバラ”になっている話もあるが、パズル的な捉え方をすれば十分面白かったと思う。

連続”バラバラ”なので、その手のものに弱い人は止めた方がいいかも。
私は所々気分が優れなくなりました・・。

読了日:2009.2.11
★★★☆☆

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2009年2月14日

ruru (23:17)

カテゴリ:国内ミステリー西澤 保彦

『二百年の子供』大江 健三郎

二百年の子供 著者: 大江健三郎 出版社: 中央公論新社 サイズ: 単行本 ページ数: 277p 発行年月: 2003年11月

障害のある真木、慎重派のあかり、論理的で行動派な朔の3兄妹は、四国の森の中からタイムマシーンに乗って過去や未来を行き来する。 子供たちが何を感じ取り、学び、未来に向けてどう生きていこうとするのかを書いたファンタジー小説。 (読売新聞連載)

久しぶりに大江健三郎を読んだ。

子供でも大人でも読むことができるファンタジー小説となっているが、やっぱり大江の世界だと思った。

四国の谷間の森を舞台に、生と死、過去と未来を取り上げ、一見平易な文章でありながら深い意味を感じさせる物語となっている。

全く作風は違うが、『万延元年のフットボール』を思い出してしまった。
過去から現代へ、人から人へと繋がりながら今ここに生きる意味を考えるという点で似ているのだろうか。

登場する子供たちの透明感ある視点が清々しい。
子供向けに書かれた小説らしいので、是非子供たちに読んで欲しい。

読了日:2009.2.10
★★★★★

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2009年2月13日

ruru (21:55)

カテゴリ:国内小説一般大江 健三郎

『鳴風荘事件』綾辻行人

鳴風荘事件 著者: 綾辻行人 出版社: 講談社 サイズ: 文庫 ページ数: 539p 発行年月: 2006年03月

月蝕の夜に美島夕海の姉・紗月が殺され、夕海と深雪、明日香井叶は事件の目撃者となる。 6年半後、深雪は夫となった明日香井叶の兄・響を伴いかつての同級生たちと恩師を尋ねて行くのだが、死んだ紗月とそっくりに変貌した夕海との再会に驚くこととなる。 仲間の別荘である「鳴風荘」で夜を過ごす中起きる殺人事件。 何故犯人は死体の髪の毛を持ち去っていったのか?

探偵役の響と明日香井夫婦のトリオがなかなか良い。

響を「鳴風荘」に連れていく件や登場人物(容疑者)を2分する条件に関しては少し無理やりだった気がするが、きちんとした伏線・トリックで読み応えがあるミステリだった。

考えられているので考えさせられる、そんなトリックだった。
終盤著者から挑戦状を叩きつけられるが、何となく犯人に目星が付く程度でトリックはわからなかった。 (完敗)


余談だが文庫版あとがきの土曜ワイド劇場ドラマ化の話がかなり笑えた。
学生のはずの響は焼き鳥屋になっていて佐野史郎が演じたとか。
そして作者もわからない展開と真犯人(笑)
ドラマ化とは案外そういうものなのかと裏話が面白かった。
逆にそこまで変えてしまえる脚本家の発想がすごい。


読了日:2009.2.9
★★★★★


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2009年2月 9日

ruru (23:22)

カテゴリ:国内ミステリー綾辻 行人

『スコッチ・ゲーム 』西澤保彦

スコッチ・ゲーム 著者: 西澤保彦 出版社: 角川書店 サイズ: 新書 ページ数: 313p 発行年月: 1998年03月

キャンパス四人組シリーズ。 大学入学前にタカチの近くで起きた未解決連続殺人事件を振り返りながら謎解きをしていく。

女子寮でタカチの恋人でありルームメイトの恵が殺された。 怒りと悲しみに震える中、高校の女生徒たちが次々と殺されていく。 タカチは自分に付きまとう教師の惟道を疑うが、彼にはれっきとしたアリバイがあった。

前出『彼女が死んだ夜 』と同じシリーズ。

女子高生の同性愛や教師による生徒への妄執愛といった設定は苦手なものがあり一歩引いてしまうのだが、家族や友人との人間関係、登場人物たちの屈折した心理など実は深いところをついている。

謎解きも容易ではなくミステリとしては巧いと思う。 探偵役タックの推理も見事で面白い。

多様な性を書きたいのかこのシリーズだけこのような形を取っているのかわからないが、その部分だけどうも受け入れがたい。 『彼女が死んだ夜 』といいこの作品といい、必要なのか疑問に思う性的設定だという気はする。

『七回死んだ男』では感服したのだが、まだ手放しで西澤保彦ファンになれない。。

読了日:2009.2.6 ★★★☆☆

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2009年2月 8日

ruru (00:22)

カテゴリ:国内ミステリー西澤 保彦

『一の悲劇』法月綸太郎

一の悲劇 著者: 法月綸太郎 出版社: 祥伝社 サイズ: 文庫 ページ数: 349p 発行年月: 1996年07月

自分の息子と間違われて知人の息子が誘拐されてしまった。 山倉史郎は指定の場所へ身代金を運ぶことになるが、途中でミスを犯してしまい子供は遺体で発見される。 死んだ子供の母親に責め立てられ、必ず犯人を見つけると心に誓う山倉だったが、そこに第2の事件が起こる。

大どんでん返しを謳っているが犯人は最初から見えているし、精神的に弱い妻とヒステリックな愛人という人物設定もありきたりな気がした。 著者名と同じ探偵が出てくるのだが、容易に警察内部に入り込んでいる設定なども疑問だった。

共感が持てず小説の中には入り込めないが、文体やストーリー展開は骨太で巧いと思う。

立場的に男性は違う印象を持つかもしれないしれないが・・。

読み応えはあるのだがどうも納得がいかない作品だった。

初めて読んだ作者だが、作品によって作風が全く違うらしいので一緒に買ってしまった『二の悲劇』も読んでみて評価をしたいところ。

読了日:2009.2.5
★★★☆☆


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2009年2月 7日

ruru (23:49)

カテゴリ:国内ミステリー法月 綸太郎

『あなたの余命教えます』幸田真音

あなたの余命教えます 著者: 幸田真音 出版社: 講談社 サイズ: 単行本 ページ数: 290p 発行年月: 2008年03月

永関は定年退職を4年後に控える56歳。 同級生の死や来るべき定年に不安を覚えていたところ、インターネットで正確な余命を教えてくれるという研究所の存在を知る。 余命が分れば自分の今後の生き方を決めることができるのではないか? 永関はオリエンテーションで知り合った人々と連絡を取り合いながら、自分の余命の宣告を待つのだが・・。

この小説では「若くはないが老人でもない微妙な年齢」として56歳の永関が主人公となっているが、年代に変わらず誰でも余命に興味はあるだろう。

しかし、実際正確に教えてくれるとしたらどうだろうか。
知って良かったのか、知らない方が良かったのか・・登場人物たちの苦悩を書きながら、生き方や人との関わり合いを考え直させる内容になっている。

研究所は膨大な個人情報と精密なデータマイニングから余命を割り出すという設定。
所々ビジネス的な要素が絡み、単なるフィクションの人情モノのようにならないところが幸田真音らしい。
その点でバランスが取れた良い作品だと思う。

読了日:2009.2.5
★★★★☆


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2009年2月 5日

ruru (23:37)

カテゴリ:国内小説一般幸田 真音

『彼女が死んだ夜 』西澤保彦

彼女が死んだ夜 著者: 西澤保彦 出版社: 幻冬舎 サイズ: 文庫 ページ数: 366p 発行年月: 2008年06月

門限は6時という箱入り娘のハコちゃん。 念願のアメリカ旅行出発前夜に自宅で見知らぬ女性の死体を発見。 何としても旅行に行きたいハコちゃんは、大学の友人らを呼びつけて「この死体を捨ててきてくれなかったら死んでやる!」ととんだお願いをしてきたが・・。 

前出『七回死んだ男』が面白かったので西澤保彦2冊目。 探偵役の大学生タック・タカチ・ボアン・ウサコの4人組シリーズの1作目らしい。

ノリが軽くてテンポが早いのですぐに読み終わる。

個性豊かな人物たちの配置が巧いので楽しく読めるし、事件の設定はしっかりしているのでミステリーとしての読み応えもある。

軽いノリと裏腹に意外と哀しいストーリー展開をしていくところが魅力。

ところどころ「ハァ!?」と思う要素があるのと、何となく高校生位の年代に受けそうな「青い」印象を受けるのは否めないが、結構面白かった。

気分転換に、軽く、かつそれなりの充実感があるミステリーを読みたい時には西澤保彦は最適かもしれない。

読了日:2009.2.3 ★★★☆☆ 

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2009年2月 4日

ruru (00:15)

カテゴリ:国内ミステリー西澤 保彦

『人質カノン』宮部みゆき

人質カノン 著者: 宮部みゆき 出版社: 文藝春秋 サイズ: 文庫 ページ数: 317p 発行年月: 2001年09月

飲み会帰りにコンビニに寄った逸子はコンビニ強盗に遭遇してしまう。 犯人は赤ちゃんの玩具ガラガラを落として去っていった・・。 表題作『人質カノン』他7編のミステリ短編集。

あらすじからコミカルなストーリーを想像して読んだが、切なく寂しい話だった。

全てが人の心を深く描き出した巧い作品ばかりで改めて宮部みゆきはすごい作家だと感じた。
一時期イマイチだと思って遠ざけていたのが勿体無かったと後悔。

ミステリーの形を取りながら、都会での寂しい人間関係の中でのふとした交流の物語といった作品ばかり。

子供のいじめに絡む作品が多かったのは執筆当時の時代背景らしい。
子供を登場させながらも、大人に考えさせるような内容で深い。

私は『八月の雪』が一番気に入った。
長編でもいけそうな厚みのある内容だと思う。
最近年配者が生きてきた人生の重さを考えるだけで畏敬の念を抱いてしまうので、ツボだったのかもしれない。

読了日:2009.2.2
★★★★★


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2009年2月 3日

ruru (22:50)

カテゴリ:国内ミステリー宮部 みゆき(ミステリー)

『珍妃の井戸』浅田次郎

珍妃の井戸 著者: 浅田次郎 出版社: 講談社 サイズ: 文庫 ページ数: 402p 発行年月: 2005年04月

清朝最末期の北京。 混乱する宮廷で、皇帝の寵愛を一身に受けていた珍妃が井戸に落とされ命を落としていた。 日独英露の高官4人は、謎の女性ミセス・チャンに焚きつけられ犯人をつきとめようとするのだが・・。

歴史と真実は必ずしも一致していないところが探究心が湧く面白いところだと思う。 この作品も、西太后が殺したとされる通説とは別の結論を持たせた想像による創作である。

義和団事件後の北京を舞台に、各国高官らを聞き手として様々な証言から珍妃の死の真相を追うストーリー展開は凝っていて面白いのだが、読み進めながらかなりもやもやしてくる。

あまりにも矛盾だらけの証言を追っていく中では、納得させられ翻されの繰り返しでさっぱり犯人がわからないのだ。

結末は意外ながらあり得るとも思えるものだったが、頭が固いので思い込みの歴史が邪魔して一歩引いて読んでしまった分乗れなかった気がする。

光緒帝と珍妃の純愛をテーマにしており歴史の真実を問う作品ではないのだから、肩の力を抜いて読んだ方が楽しめるかも。

「純愛に涙した」とか「清朝末期の歴史はこうだったのか」とか素直に読めない自分にちょっとがっかり(笑)

ただ、この手の小説を久しぶりに読んだが歴史と想像の融合はやはり面白い。
近い内にまたこういった作品を読みたくなった。

読了日:2009.2.1
★★★★☆


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2009年2月 1日

ruru (22:36)

カテゴリ:国内小説一般浅田 次郎

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