2009年5月アーカイブ

『ソフトタッチ・オペレーション』西澤保彦

ソフトタッチ・オペレーション 著者: 西澤保彦 出版社: 講談社 サイズ: 新書 ページ数: 295p 発行年月: 2006年11月

念動力、テレポートにテレパシーなど超能力が関与した事件を取り調べるのがチョーモンイン(超能力者問題宅策委員)のお仕事。 エージェントの嗣子とミステリ作家の保科らが超常事件を推理、解決。

漫画のようなイラストと軽いストーリー展開だが、こういうのがライトノベルになるのだろうか? 結構人気シリーズのようだ。

事件現場にテレポートしたり、密室にいても外部の人間とテレパシーで会話をしたり・・・超能力が使えたら犯罪など何でもありに思えるが、それを取り締まる機関がきちんとあって、という設定は面白い。

ざくざく読めてそれなりに楽しめたが読書としてはちょっと物足りない。
軽~く本を読みたい時には良さそう。

読了日:2009.5.
★★★☆☆

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2009年5月31日

ruru (20:28)

カテゴリ:国内ミステリー西澤 保彦

『アイシテル~海容~』伊藤実 上下巻

アイシテル~海容~(上巻) アイシテル~海容~(上巻) 著者: 伊藤実 出版社: 講談社 サイズ: コミック ページ数: 215p 発行年月: 2007年03月


話題ドラマの続きが気になって原作コミック読破。

殺人事件の加害者、被害者とも子供だということが現実としておかしくない時代になってしまった。
しかし、原因は必ず大人が作っているものなのだから子供を恐れるのはお門違いだし、この空気を変えていくことは不可能ではないはずだ。

この作品では事件後の家族の苦しみや反省が母親の立場を中心に描かれているが、加害者、被害者家族とも不足している部分はあっても特殊な家庭ではない。

表立って見えないヒビがきっかけさえあれば破壊へと繋がっていく様子がわかりやすくまとまっている漫画だ。

事件の発端となる”事件”がドラマとは違うようだし、ドラマがどのように展開していくのかはわからないが、注目を集めているということはそれだけ身近に感じられるということだろう。

目を見て話す、声をかける、愛情を示すといった本当に基本的なことの重要性を改めて考えさせられる。

何度も読みたくなるような内容の漫画ではないが、1度読んで損はないと思う。

読了日:2009.5.
★★★★☆

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ruru (16:28)

カテゴリ:漫画

『スナッチ』西澤保彦

スナッチ 著者: 西澤保彦 出版社: 光文社 サイズ: 単行本 ページ数: 350p 発行年月: 2008年10月

1977年、奈路充生は美和子の両親に結婚の承諾を貰うために東京から高知へ来ていた。 充生は美和子の伝言を伝えにきた楡咲純花と共に突然不思議なクリーム状の銀色の雨に見舞われ倒れこむ。 意識を取り戻した充生は、知らぬ間に月日が31年も過ぎていて自分の人生を奪われていたことを知る。 現状を理解しようと努力する中連続殺人が起きて・・・。

SF要素がありつつ殺人事件を推理したりという西澤保彦ならではのSFミステリ。詳細な設定説明後に事件が起こっていく辺りもいつものパターン。

宇宙人に体を乗っ取られていたという訳だが、この宇宙人が軟弱で化学物質に過剰反応、玄米ご飯や有機野菜にこだわり、感情に乏しく同種で子供も作れず・・という現代人の悲惨な行く末のような設定が考えさせられる。

著者自体が後書きで「SFとしてもミステリとしても中途半端でストレートノベルのようになってしまった」と書いているが、SFやミステリは単なる要素で、生き方や人とのつながりを感じる作品だったように思うのでこれはこれで良かったと思う。

嫌いじゃない作品内容だし面白く一気に読めた。

読了日:2009.5.31
★★★★☆

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ruru (15:28)

カテゴリ:国内ミステリー西澤 保彦

『腕貫探偵、残業中』西澤保彦

腕貫探偵、残業中 著者: 西澤保彦 出版社: 実業之日本社 サイズ: 単行本 ページ数: 318p 発行年月: 2008年04月

名探偵は腕貫をはめた市役所苦情係。 櫃洗市で起こる様々な事件を「葬儀屋」ともあだ名される地味な公務員が冷静沈着に解決していく。 連作短編集。

最初腕貫がわからずネットで調べてしまった(苦笑)予想通り事務屋のアームカバーのことだったけれど、そんな呼び名だったのか・・。

西澤保彦らしい軽妙なタッチのミステリー短編集。

かつてこんなに暗くて地味な探偵がいただろうか?
人付き合いをせず、常に上下黒のスーツに丸眼鏡、青白くヤセぎすで年齢不詳の公務員というおよそ魅力的でない設定の主人公なのだが、彼にまとわりつく豪快で賑やかな美女ユリエの存在により引き立ってくるのが良い。

市役所の相談窓口業務で培った鋭い洞察力で事件の背景に潜む人間心理を読み解きながら推理を展開していくのだが、ミステリー自体も上出来でとても面白かった。

軽く読めて満足感が得られた作品なので続編が楽しみだ。
”腕貫探偵”のプライベートやユリエとの関係などネタはいくらでもありそうなので早めにお願いしたいところ。

読了日:2009.5.31
★★★★★

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ruru (14:41)

カテゴリ:国内ミステリー西澤 保彦

『まほろ市の殺人』有栖川有栖 他

まほろ市の殺人 著者: 有栖川有栖 他 出版社: 祥伝社 サイズ: 新書 ページ数: 344p 発行年月: 2009年03月

架空都市「まほろ市」を舞台にしたミステリー競作集。 春─無節操な死人(倉知淳)/夏─夏に散る花(我孫子武丸)/秋─闇雲A子と憂鬱刑事(麻耶雄嵩)/冬─蜃気楼に手を振る(有栖川有栖)

舞台と若干の設定を共有して各作家が季節ごとに別の殺人事件を書く。 春夏秋冬それぞれ独立した事件のため作家ごとにも刊行されているようだ。

異なるタイプの作家が集まっているので章ごとに趣ががらりと変わるのだが、トリックに怪奇的な要素があるところは共通している。

怪奇的要素が肝なので論理的推理が好きな人には物足りないかもしれない。

どの作品も、読後それなりの満足感は味わえるが記憶には残りそうにはない・・。
ただ競作としてのまとまりは作家陣の実力の安定を感じた作品集。

読了日:2009.5.5
★★★☆☆

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ruru (13:55)

カテゴリ:国内ミステリー有栖川 有栖

『福音の少年』あさのあつこ

福音の少年 著者: あさのあつこ 出版社: 角川書店 サイズ: 単行本 ページ数: 365p 発行年月: 2005年07月

とある地方都市でアパートが全焼。 死亡者には明帆の彼女藍子、陽の両親が含まれていた。 藍子の死と火事について疑問を持った明帆と陽は事件の真相を追い始める。

あさのあつこらしい作品。

冷めているようで熱い心も持ち、大人びた中に子供らしさも混在しながら揺れ動き続けるあやふやな10代の少年少女たちを描いている。

正直言ってストーリー展開と結末は物足りないものがある。
闇に引き込まれる危うさはひしひしと感じられるが、全体を通して作品が薄くて弱い印象。

最近あさのあつこがいいなあと思っていたのでちょっと残念。

読了日:2009.5.
★★★☆☆

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ruru (12:11)

カテゴリ:国内小説一般あさの あつこ

『ボックス21』アンデシュ・ルースルンド /ベリエ・ヘルストレム

ボックス21 著者: アンデシュ・ルースルンド /ベリエ・ヘルストレム 出版社: ランダムハウス講談社 サイズ: 文庫 ページ数: 614p 発行年月: 2009年04月

ストックホルムでリトアニア出身の売春婦リディアが意識不明の重体で病院に運び込まれる。 意識を取り戻したリディアは、人身売買被害の真実を明らかにし復讐を実行するために行動を起こす。 刑事のグレーンスは、一方で過去に愛する人を傷つけた犯罪者を追いながら事件解決へと奔走するのだが、見えてきた真実は到底受け入れがたいものであった。

「最優秀北欧犯罪小説小受賞作家最新作」と帯にあったので、たまには評価の高い欧米小説もいいかも、と気軽に手にとった作品だったがとにかくテーマが重い。

北欧で現実に起きている人身売買と強制売春をモチーフにした犯罪小説。
麻薬、貧困、犯罪組織、暴力、違法な権力行使など気分が悪くなるほど”悪”が目白押し。

読み始めてすぐに嫌な気持ちになってきたがとにかく読み終えた。

結局リディアの命をかけた訴えは報われない(と感じさせる)結末を迎えるのだが、現実にこういった犯罪が現在進行形で続いていることを考えると問題提起小説としては妥当なところかもしれない。

事件担当刑事のグレーンスのシリーズ第2作で続きもあるとのこと。
しかし、作中彼が起こす行動は許しがたく主人公として活躍していくことに違和感があるのだが、スウェーデンでは評価されているというのがちょっと不思議。

帯にある「衝撃の結末!!!」は確かに嫌な意味で衝撃を受ける。

読了日:2009.5.
★★★☆☆

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2009年5月30日

ruru (20:22)

カテゴリ:海外ミステリーその他の作家(海外ミステリー)

『陪審法廷』楡周平

陪審法廷 著者: 楡周平 出版社: 講談社 サイズ: 文庫 ページ数: 433p 発行年月: 2009年03月

フロリダに住む15歳の少年研一は、幼馴染のパメラに養父からレイプされていることを聞かされ、養父の殺害を実行する。 第一級殺人罪で裁かれる少年への判決は終身刑か無罪のみ。 法廷を舞台に陪審員たちが評決に至るまでを描く。

なかなか内容がある作品だ。 裁判員制度導入前に書かれているのだが、一般市民が罪状を決める意味と葛藤を陪審員制度が根付いたアメリカを舞台に問いかけている。

日本人の由紀枝を投入することで、「情状」について陪審員たちが考えさせられていく構成が巧い。
陪審員制度についてアメリカ人の夫と由紀枝がやり取りする場面は、裁判制度の問題点を浮き彫りにしていてとても興味深い。

小説内で導き出される陪審員制度の意義がたった一つの正解ではないことは確かだが、1つの指針としてすんなり受け入れることができる。

また、少年法の是非についても考えさせられる。
少年法の無いアメリカでは子供でも第一級殺人罪に問われれば終身刑となり一生を刑務所で過ごすこととなる。 反面、殺人を犯していても陪審員が無罪と評決を下せば即釈放という二極。

最近はあまりにも重大な少年事件が多発しているため、たった数年で社会に戻ってくるシステムは如何なものかと思いがちだったが、ではまだ未熟な子供を終身刑に処するのか?
それを考えると更正という余地を残す少年法は必要に思える。

小説を読むように、立場を代えて犯罪を犯した経緯や心情が全て読み取れるわけではない以上、人が人を裁くというのはあまりにも気が重く難題過ぎる。

この作品はフィクションではあるが、裁判員制度について考えざるを得ない今の状況では一読の価値はあると思う。

読了日:2009.5.
★★★★★

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2009年5月29日

ruru (16:17)

カテゴリ:国内小説一般

『青空の卵』坂木司

青空の卵 著者: 坂木司 出版社: 東京創元社 サイズ: 文庫 ページ数: 393p 発行年月: 2006年02月

坂木司は友人の引きこもり青年鳥井真一を外の世界へ連れ出そうと日夜奮闘中。 独特の観察眼を持つ鳥井は坂木が持ち込む生活ミステリーを易々と謎解きながら社会との接点を増やしていく。

”ひきこもり探偵”と銘打った安楽椅子探偵パターン。 ミステリーといっても身近で起こる事件簿で爽やか系だ。

キャラが魅力的なのが良い。
連作集なのだが、謎を解いていくことで少しずつ鳥井が心を開く人物が増えていく様は読んでいて心地よいし、ぶつ切りにならずに登場人物が増えて世界が広がっていく作りも面白い。

ただ、残念なことに文章がストレートすぎて深みが全く無い。
読者が想像力を使ったり感じ取ったりする余韻が一切残されていない。

坂木が謎を持ち込み、鳥井を引っ張り出して人と触れ合いながら謎を解くことで解決と共に成長していく展開は良いと思うが、必ず子供の作文のような「こういう立場の人はこう感じている。だからこうしていかなくてはならないんだね。」といった坂木のまとめ文章が入るのが余計。

そこが重要な軸なんだから言いたいことをそのまま書くんじゃなくて読み取らせる書き方をするのがプロでしょ~と言いたくなるのだ。

文句になってきているけど、なかなか面白い要素がある分残念で苛立つのだと思う。
とにかく勿体無いと感じた作品。

読了日:2009.5
★★★☆☆

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『向日葵の咲かない夏』道尾秀介

向日葵の咲かない夏 著者: 道尾秀介 出版社: 新潮社 サイズ: 文庫 ページ数: 470p 発行年月: 2008年08月

夏休み前の終業式の日。ミチオが欠席したS君の家を訪ねるとS君は首を吊って死んでいた。 しかし警察が駆けつけた時にはS君の死体は消えてしまっていた! 一週間後、S君は姿を変えてミチオの前に現れ「僕は殺されたんだ」と訴える。 ミチオと妹のミカは事件の真相を追い始めるのだが・・。

ホラー要素のあるミステリー。 奇妙な世界が交錯し謎が増えていくので気になって一気に読んでしまう。

ただ読後感が良くないので好みはかなり分れるだろう。

私の好みではない分野と言えるが、道尾秀介という作家の力量はすごいと思う。
とにかく一貫してほの暗く捻じ曲がった独特の世界観がどっしりと根を下ろしている。
一般受けはしなさそうだが文壇の評価が高いのには納得。
文章が軽快なのに対し、人物設定、状況設定等全ての要素が怖いところがまたすごい。

S君は誰に殺され死体はどこへ消えたのかを追っていくのだが、推理は不可能だ。
ミチオの言葉に「誰だって自分の物語の中にいるじゃないか」というのがある。
読者側が読みながら想像していく物語が作品内の世界観に近づくことはないだろう。

徹底して人間の心の底の暗闇を感じることができる作品(苦笑)だが作りの巧さには感服。

<作家談>

僕の価値観では、「一から十まですんなりと同感できた小説」というのは「読んでも意味がなかった小説」と同義だからだ。「同感」のレベルで感じた喜怒哀楽なんてたかが知れている。わざわざお金と時間をかけて活字を追い、得るほどのものじゃないと僕は思う。
(引用:東京創元社HP)http://www.tsogen.co.jp/web_m/michio0610.html

・・・その価値観はしっかり作品に現れているな、と。
仰るとおり自分の感覚とシンクロする作品は自分の頭の中で作れるレベルということだし、それでは満足できないだろう。「面白かった」と爽快感だけを残し記憶から消えていく作品は意外と多い。
ちょっとこの作家はもう少し探求してみたいかも。

読了日:2009.5
★★★★☆

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ruru (00:35)

カテゴリ:国内ミステリー道尾 秀介

『臨場』横山秀夫

臨場 著者: 横山秀夫 出版社: 光文社 サイズ: 文庫 ページ数: 354p 発行年月: 2007年09月

検視官倉石は死者からのメッセージを的確に掴み取る力を持っている。 警察組織で異質な存在感を放ちながらも「終身検視官」として一目置かれるである倉石は、数々の見立てを覆し常に事件の真相を探り当てていく。 8編から成る短編集。

テレビドラマ「臨場」の原作。 ドラマは2,3回見ただけだが、取り扱う事件はほぼ同じでも人物設定などは大分違うようである。

自殺を殺人へ、殺人を自殺へ・・などと次々に周囲の見立てを覆していく倉石が唯一無二の存在として描かれておりかなり格好良い。

現場と遺体の検証から事件を読み取る検視官モノは、刑事視点のミステリーとはまた違う面白さがあるものだが、被害者の声に耳を傾け、事件の裏側にある人間心理の機微を浮かび上がらせている点でさすが横山秀夫とうならされる。

一気に読める上質な小説。

読了日:2009.5
★★★★★

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2009年5月28日

ruru (22:37)

カテゴリ:国内ミステリー横山 秀夫(ミステリー)

『Love myself』梨花


Love myself 梨花
著者: 梨花
出版社: 宝島社
サイズ: 単行本
ページ数: 120p
発行年月: 2009年04月


梨花のビューティーブック。
ブログもよく見ているのだが、梨花の全て”ブック版”といった感じ。

愛用コスメやオシャレの話、インテリアや料理などなど・・フルカラーでとてもカワイイ本。

こういうビューティーブックもたまに読むと良い刺激がもらえるのでやっぱりたまには買わないと・・。

読了日:2009.4
★★★★★

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2009年5月 3日

ruru (22:27)

カテゴリ:美容・健康

『恐怖の花』阿刀田高 選

恐怖の花 著者: 阿刀田高 /日本ペンクラブ 出版社: ランダムハウス講談社 サイズ: 文庫 ページ数: 346p 発行年月: 2007年10月

人の欲望と心の闇を描くホラー小説の短編集。 風見鶏(都筑道夫)/時代(日影丈吉)/探偵電子計算機(谷川俊太郎)/雪(河野多惠子)/黒塚(中井英夫)/顕微鏡怪談白馬(川端康成)/情獄(大下宇陀児)/双生真珠(林房雄)/緑色の豚(安岡章太郎)/夜の斧(五木寛之)

文豪・大御所の作家たちの作品から人間の欲望の果てを描いた作品ばかりを集めており、様々な作風の作品が一度に楽しめる。

あまり良いと思えなかった作品もあるが、さすがと思えるものが多く読み応えはあった。

個人的には五木寛之の『夜の斧』、林房雄の『双生真珠』が良かった。
程よい余韻が純文学の良さだとしみじみ感じさせてくれる。

読了日:2009.3
★★★★★

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2009年5月 2日

ruru (22:13)

カテゴリ:国内小説一般その他の作家(一般)

『さえずる舌』明野照葉

さえずる舌 著者: 明野照葉 出版社: 光文社 サイズ: 文庫 ページ数: 363p 発行年月: 2009年03月

産業カウンセラーの真幌は女性としては異例の成功を果たし、手を広げたヒーリングサロンなどの運営も軌道に乗ってきたところだった。しかし、知性も美貌も人並みはずれた芽衣をスタッフに迎えたことで職場の人間関係に歪みが生じてくる。芽衣は人の心を弄ぶトラブルメーカーだったのだ。

温厚で人が良い真幌とスタッフたちが、圧倒的な存在感を放つ芽衣に翻弄されていく。 嫉妬や僻み、疑心といった誰もが持つ心の闇の部分を、芽衣の言葉は巧に引き出してしまうのだ。

カリスマ性を持つ芽衣の言葉には力があり、彼女の気持ち一つで周りの人間たちは持ち上げられたり陥れられたりするのだが、その手法は見事すぎてこんな人間がいたらと背筋が寒くなる・・。

読みながらざらざらとした嫌な気持ちになるのだが、途中で真幌が芽衣の問題点に気付いて追い詰めていくのでまだ良いかも。

結末は解決したようでいて暗い余韻が残るのでハッピーな気持ちにはなれないが、人の内面を責めていく怖さが身に染みてきて小説としては巧いと思った。

ふと手にとった作品だったが当たりだったかも。


読了日:2009.4
★★★★★

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2009年5月 1日

ruru (21:46)

カテゴリ:国内ミステリー明野 照葉

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