2009年11月アーカイブ

『父さんは人間ドックから帰ってこなかった』本多 憲児

父さんは人間ドックから帰ってこなかった父さんは人間ドックから帰ってこなかった (2008/04/25) 本多 憲児

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 6年に渡る医療ミス裁判の様子を記したノンフィクション本である。


人間ドックで大腸内視鏡検査を受けた際、医師のミスにより結腸に穴が開いてしまう。
すぐに手術が行われたが、患者の容態が急変し命を落としてしまったというショッキングな内容だ。

 

誰も人間ドックへ行って命を落とすとは思いもよらないのではないだろうか。
タイトルに衝撃を受けて手にした本だったが、実際には検査での医療ミスというのも多々あるらしい。

 

また、この本を読むといかに医療裁判が難しいのかがよくわかる。

病院側が敵に回った時、専門知識の差はいかんともしがたい。

適任な弁護士・協力的な医師を見つけることが重要なようである。

 

過剰な医療裁判が医療業界を押さえつけてしまう弊害はあると思う。

しかし、もし立ち上がる人がいなければ、同じ医師が同様のミスを犯し続ける危険性もあるわけである。

病院・医師側にとっても患者側の訴えは需要なのではないだろうか。

 

読了日:2009.11.29
★★★☆☆

 

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2009年11月30日

ruru (00:00)

カテゴリ:社会・ルポ・ノンフィクション

『「クロック城」殺人事件』北山 猛邦

「クロック城」殺人事件 (講談社文庫 き 53-1)「クロック城」殺人事件 (講談社文庫 き 53-1) (2007/10) 北山 猛邦

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終焉をむかえつつある人類の世界。
探偵深騎と菜美は、瑠華から幽霊退治の依頼を受けて共にクロック城へ赴く。
現在、過去、未来の時を刻む3つの大時計を戴くクロック城で次々首なし死体が現れて・・。

 


本格推理となっており、謎の城を舞台とした連続殺人事件という点では確かに系統だてられるのかもしれないが・・ファンタジー小説の要素が高く、しかも世界観がかなり陳腐である。

設定といい登場人物たちのネーミングといいアニメや漫画の世界のようだ。

しかもファンタジー的設定が何かしらミステリ要素に絡んでくるのかと思いながら読み進めたが、関係はなかったようだ。

 

クロック城内の殺人事件を描くだけならそれなりのミステリに収まっていたと思うが、舞台を人類最後の時にしたりSEEMだのクロスだのが出てくる意味がわからない。

 

解説を有栖川さんが書いており、西澤さんも絶賛!となっているので頑張って最後まで読んだのだがなかなか苦しい道のりだった。

 

かなり退屈だったが読了できたのでよしとしようかというところ。

読了日:2009.11.29
★★★☆☆

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2009年11月29日

ruru (22:24)

カテゴリ:国内ミステリーその他の作家(ミステリー)

『あの日にドライブ』荻原 浩

あの日にドライブあの日にドライブ (2005/10/20) 荻原 浩

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都市銀行を退職し、次の仕事までのつなぎとしてタクシードライバーを始めた伸郎。
「自分は本当はこんなはずじゃない!」
プライドだけは高い伸郎だが、ノルマもこなせず家にも居場所がなくなっていく。
現実から逃げるように「もしもあの時こうしていたら・・」と過去へばかり思いを馳せるようになった伸郎だったが・・。

 

エリート銀行マンの意識だけが残り退職後の現状に納得がいかない伸郎は、タクシー運転手を続けながらひたすら妄想に走る。

「あの時の彼女と結婚していたら・・・」
「あの時別の会社に就職していたら・・・」
「あの時銀行を退職していたら・・・」

伸郎はとりつかれたように、学生時代のアパートや昔の彼女の実家、就職したかった会社などを訪ね歩くようになる。

 

すると、思い出の地へとドライブする度に良い乗客をつかむことができるようになったのである。


売上が上がってきたことで、仕事に工夫をするようになり益々調子が上がっていく。
よく眠れるようになって円形脱毛症も治り、家族への接し方も変わってきて・・・と伸郎はみるみる息を吹き返していく。

 

今あることは全て自分の選択であり、戻れない過去へと思いを馳せても今の何が変わるわけでもない。

自分の心一つで良い方へも悪い方へも進むのが人生である。

過去に執着する愚かさを描きながらも、そのことで心が整理されて逆に救われていく伸郎の様が、たまらなくリアルな描写で描かれていて説得力がある作品だった。 

読了日:2009.11.27 ★★★★☆

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2009年11月27日

ruru (22:23)

カテゴリ:国内小説一般荻原 浩(一般)

『あくむ』井上 夢人

あくむ (集英社文庫)あくむ (集英社文庫) (1996/08) 井上 夢人

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仕事までやめて盗聴にのめりこむ男が聞いたものは・・「ホワイトノイズ」
目が覚めると目には包帯が巻かれ体の自由はきかず・・「ブラックライト」
など井上夢人のホラー短編5作。

 

「ホワイトノイズ」「ブラックライト」あたりはホラーとは言え、ミステリのような話で面白く読めた。

しかし、「ゴールデンケージ」は虫系ホラーで気持ち悪くて読みきれず、「インビジブルドリーム」なども気持ち悪くなってしまった。

 

描写が詳しすぎるせいだろうか。
ホラーとして巧いのかもしれないが、私には気味悪すぎた・・。

やっぱり井上さんはミステリーを読みたい。

読了日:2009.11.25
★★★☆☆

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2009年11月25日

ruru (16:00)

カテゴリ:国内小説一般その他の作家(一般)

『霊能力者小田霧響子の嘘』甲斐谷 忍

霊能力者小田霧響子の嘘 3 (ヤングジャンプコミックス)霊能力者小田霧響子の嘘 3 (ヤングジャンプコミックス) (2009/04/17) 甲斐谷 忍

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『LIAR-GAME』作者の別連載作品。

霊能力者として数々の難事件を解決してきた小田霧響子。
だが実際は霊能力などはなく、彼女の推理は天才的な頭脳からきているのだった・・!

・・・ということで、『LIAR-GAME』同様頭脳系のストーリー。
殺人事件はないが、毎回謎解きがあってミステリ系と言える。

しっかりとした内容ながらコメディタッチで笑えます。

『LIAR-GAME』ほど疲れずに楽しく読めるのでオススメ。

 

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2009年11月19日

ruru (22:01)

カテゴリ:漫画

『覆面作家の愛の歌』『覆面作家の夢の家』北村 薫

覆面作家の愛の歌 (角川文庫)覆面作家の愛の歌 (角川文庫) (1998/05) 北村 薫

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覆面作家の夢の家 (角川文庫)覆面作家の夢の家 (角川文庫) (1999/10) 北村 薫

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ペンネーム”覆面作家”こと新妻千秋は大富豪のお嬢様。
屋敷の中と外で2つの顔を持つお嬢様は名探偵でもある。
お嬢様探偵シリーズ第2弾と第3弾。

 

それぞれ短編3作ずつの連作集となっており、3冊目の『覆面作家の夢の家』で完結となった。


読み進むにつれて世界観に慣れてはきたが、どうも軽いノリが合わない。
良介が双子だったり、お嬢様が2面性を持っていたりといった設定もあまり活きておらず、必要だとも思えない。

会話が一番きついが、好きな人はこのノリが好きなのかもしれないとは思うが。


ただ、謎解きは面白い。
文体や雰囲気はライトノベルで内容は本格ミステリといった印象。

推理自体は考えさせられ、なるほどと楽しませてもらった。

 

さらっと読めるミステリが好きな人にはおススメ。

読了日:2009.11.16
★★★☆☆

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2009年11月16日

ruru (22:21)

カテゴリ:国内ミステリー北村 薫

『覆面作家は二人いる』北村 薫

覆面作家は二人いる (角川文庫)覆面作家は二人いる (角川文庫) (1997/11) 北村 薫

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大富豪の令嬢新妻千秋がペンネーム”覆面作家”としてミステリ界にデビューした。
彼女は屋敷の中と外で2つの顔を持っていて、担当編集者良介が持ち込む事件を軽々と解決していく名探偵でもあったのだ。

 

内弁慶ならぬ外弁慶お嬢様千秋の推理が冴え渡るシリーズもの第1弾。

 

果てしなく軽いノリに最初はやや拒否反応が出たが、読んでいるうちにまあまあ面白くなってきた。

 

それなりのミステリだし、常人離れした千秋の推理と振り回されるワトソン役の良介という二人のバランスも良い気がする。

 

とにかく軽~~い小説だが、王道推理物に沿っていると言えばそう言えるかもしれない。

 

とりあえずシリーズの続きも一緒に借りてきたので読んでみようとは思っている。

 

読了日:2009.11.15
★★★☆☆ 

 

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2009年11月15日

ruru (12:02)

カテゴリ:国内ミステリー北村 薫

『サニーサイドエッグ』荻原 浩

サニーサイドエッグ (創元クライム・クラブ)サニーサイドエッグ (創元クライム・クラブ) (2007/08) 荻原 浩

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フィリップ・マーロウに憧れ、ハードボイルドをこよなく愛する探偵最上俊平。
久しぶりの依頼は美女からの猫探し。
「ブロンドで青い目」の秘書を雇い探索に乗り出すが、思いも寄らぬことに巻き込まれていき・・。

荻原浩らしいユーモア小説である。
一応事件が起こり謎もあるのでミステリーとも言える。

 

ハードボイルドを決めながら、猫ちゃん探しに奔走する姿がおもしろい。
緊迫感あり、笑いありで飽きることなく一気に読める。

 

飽き飽きな某設定はともかく、ギャル秘書との掛け合いも楽しく、丁度良いアクセントになっている。

殺人事件の解明並にペット探しでこれだけしっかりした小説になっているのがすごい。

 

私にとって荻原さんは”間違いのない作家”さんの一人。
こちらも、例外なく満足させてくれる作品だった。

 

読了日:2009.11.14
★★★★☆

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ホリエモン×ひろゆき 語りつくした本音の12時間 「なんかヘンだよね・・・」

ホリエモン×ひろゆき 語りつくした本音の12時間 「なんかヘンだよね・・・」ホリエモン×ひろゆき 語りつくした本音の12時間 「なんかヘンだよね・・・」 (2009/09/04) 堀江 貴文西村 博之

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ホリエモンとひろゆきの対談本。

「おかしいのはオレたちなのか?ニッポンか?」と帯にあるように、現代日本の問題点について二人の独特の見解が繰り広げられる。

一貫した強い主張がなされているというわけでなく、思ったままを口に出しているだけで議題はどんどん変わっていく。

「なるほど」と思う意見もあるが、やはりこの二人は極端すぎる。
一般的な思考では突出することはできないので当然かもしれないが。

ただ二人ともわざわざ異端であろうとし、そう言われることに満足しているような子供っぽさも感じられる。
こういう人たちが成功できるところにIT業界の魅力があるのだろうと感じた。

二人に興味があって、彼らの頭の中が覗いたみたい人にオススメ。

読了日:2009.11.13
★★★☆☆

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2009年11月14日

ruru (11:52)

カテゴリ:エッセイ・随筆・対談

『暗黒童話』『ZOO』乙一

暗黒童話暗黒童話 (2001/09) 乙一

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ZOOZOO
(2003/06)
乙一

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図書館で目に留まり、借りてきた2冊。
初めての乙一。

読んでみたいと思っていた作家なので期待していたのだが、文章の稚拙さに耐え切れず途中で気持ち悪くなってしまった・・。

『ZOO』は短編集だったので最初の2話と表題作をなんとか読んでみたが、それ以上は読む気になれず断念。
『暗黒童話』は数ページで放棄。

独特の世界観があるような書評をよく見るが、どれもどこかにありそうな内容だ。
力のある作家さんが同じモチーフで書けばそれなりにまとまる可能性は若干あるかもしれないが。

 

とにかく文章力が低すぎる。

好みを超越して生理的に無理。
個人的に山田悠介を超えてくれたかも。


読書日:2009.11.12
☆☆☆☆☆

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2009年11月13日

ruru (14:25)

カテゴリ:国内小説一般その他の作家(一般)

『サウス・バウンド』奥田 英朗

サウス・バウンドサウス・バウンド (2005/06/30) 奥田 英朗

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二郎は中野に住む小学6年生。
お父さんは元過激派のフリーライターでいつも家でごろごろ。
区役所の人とけんかをしたり学校に押しかけてきたりと問題行動ばかり起こしては、いつも二郎や家族を困らせる。
今度は急に沖縄の西表島で自給自足生活を送ると言い出して・・。

無国家主義を貫こうとする父親に翻弄される子供たち。
一見普通に思えた母親も実は学生運動の元闘士だった。

そんな両親に育てられてるとどうなるのか?

意外や意外、子供たちは客観的に物を考えられるなかなかの常識人である。
親に共感することもあれば、外の一般社会との折り合いをつけようともすることで第三者的な視点を持ち合わせている。

 

子を諭すのが親の役目と思いきや、親が破天荒過ぎて子供が自然に育っているというわけである。

案外そういうものかもしれない。


二郎は、東京での姿、沖縄での姿と異なる父親の背中を見ながら成長していく。
一貫して父親の共産主義的な主張が続くが、二郎なりにしっかり考え取捨択一できている。

父親の激しい主義主張や湧き上がる物騒な事件に二郎と一緒に振り回されるアップテンポなストーリー展開に飽きない。

子供の成長物語としては清々しく、騒々しいながらも爽やかな小説だった。

 

読了日:2009.11.12
★★★★☆

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2009年11月12日

ruru (16:09)

カテゴリ:国内小説一般奥田 英朗

『雷の季節の終わりに』恒川 光太郎

雷の季節の終わりに雷の季節の終わりに (2006/11) 恒川 光太郎

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地図に無い町穏(おん)。
賢也は雷の季節に姉がいなくなってから風わいわいに取り憑かれていた。
ある事件の真相を起こした賢也は穏を追われることなり、風わいわいの助けを借りて下界へ向かうこととなる。

 

恒川光太郎の世界観がよく出ている作品。
閉ざされた町穏、隣り合う墓町、風わいわい、闇番、鬼衆・・この独特の世界にわくわくしてくる。

 

穏を出てからは現実社会?が絡んできてややサスペンス調になっていくのがやや興ざめだが、この世界に浸りながら読み進めるのは楽しい。

 

それなりの長編にまとまっているのだが、もっと掘り下げた超長編になったらもっと面白そうだと思った。

 

民話的な雰囲気や和風ファンタジーが好きな人にはお勧めの作家NO.1。

 

読了日:2009.11.11
★★★★☆

 

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ruru (00:36)

カテゴリ:国内小説一般恒川 光太郎

『僕僕先生』仁木 英之

僕僕先生僕僕先生 (2006/11/21) 仁木 英之

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唐の時代、元県令の父の財産を当てにしてのらりくらりと暮らす王弁という若者がいた。
何事にも興味を持つことができなかった王弁だったが、ある日出会った美少女仙人僕僕に惹かれ、旅のお供をすることになる。
身分を越え人の世をも超えた旅をする中で王弁の心に変化が生まれてくる。
第18回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。

唐を舞台に若者の成長を書いた小説。
身分や時代背景などは史実に基づきながらも、歴史小説ではなくファンタジーとなっている。

親の財産があるからと何にもやる気を持てなかった王弁が、仙人である僕僕の導きで生まれ変わっていく。

僕僕が仙人にあるまじき可愛らしい美少女(仮の姿だが)のため、王弁は初めて人を好きになる感情すら感じてしまう。

現代の草食系のようなぼんやりとした若者が、意思を持ち人と関わることを覚えながら使命を持つまでに成長していく様子を、仙術を使う仙人との旅から学んでいくところが面白い。

しっかりとした世界観ながら僕僕と王弁の可愛さでほんわかしてしまう柔らかいストーリーが良かった。

シリーズ化されているようなので続編も是非読んでみたい。


読了日:2009.11.10
★★★★☆

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2009年11月11日

ruru (23:18)

カテゴリ:国内小説一般仁木 英之

『交渉人』五十嵐 貴久

交渉人 (幻冬舎文庫)交渉人 (幻冬舎文庫) (2006/04) 五十嵐 貴久

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3人組のコンビニ強盗が病院に立てこもるという事件が起こる。
交渉に当たったのはネゴシエーターとしての第一人者石田警視正。
石田は犯人との電話交渉でスムーズに人質解放を進めていくが、事件は思わぬ結末を迎える。

物語はコンビニ強盗のシーンから始まり、ひたすら犯人との交渉が続く。
しかし何となく交渉の内容に違和感がある。

たかがコンビニ強盗が立てこもり?
犯人の対応が・・?

と長々読み進めた末の意外な結末。

なるほど、この結末ありきだったわけね、と納得。

『交渉人』というタイトル通り”交渉”の内容に期待をしていると、あちらこちらでおかしいことだらけ。
ここがもう少し読者に気付かせないようなスムーズな展開ならもっと良かったと思う。

 

常に違和感があり続けた点でどんでん返しの衝撃が減ってしまって残念だが、予想もつかない方向へ展開していった点では面白かった。

意外性はかなり高い!

読了日:2009.11.8
★★★★☆

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2009年11月 9日

ruru (10:31)

カテゴリ:国内ミステリー五十嵐 貴久

『46番目の密室』有栖川 有栖

46番目の密室 (講談社文庫)46番目の密室 (講談社文庫) (1995/03) 有栖川 有栖

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クリスマスに北軽井沢にある推理小説家の大家真壁の家に招かれたアリスと火村。
深夜、密室と化した地下の書庫の暖炉に上半身を突っ込んだ姿で真壁が殺される。
1階の書斎にも同様の見知らぬ死体が見つかる。
推理小説家や編集者たちが招かれたパーティの夜に何があったのか。
密室トリックの謎は?アリス&火村シリーズ。

今回は長編。
推理小説家真壁は、今までに45の密室トリックを発表している。
自らが密室にて殺されてしまったが、このトリックは彼が考えた46番目のトリックによるものなのか?

容疑者となるパーティの参加者たちが推理小説家または推理小説家担当の編集者たちということで、トリックに対して誰もが詳しそうなところと動機がなかなか見えてこないことでかなり引っ張られる。

全体的に読みやすくて面白いといえば面白いのだが、謎の人物の関わりあい方やトリックや動機などがやや弱い気はした。

推理小説家という職業のアリスがワトソン役にも足りず一貫してボケ役のようになっているところがこのシリーズの面白いところだろうか。

さらりと読みやすいのは有栖川さんの良さだと思う。
緊迫感や後味の悪さを味わいたくない時には最適。

読了日:2009.11.5
★★★★☆ 

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2009年11月 8日

ruru (00:34)

カテゴリ:国内ミステリー有栖川 有栖

『ロシア紅茶の謎』有栖川 有栖

ロシア紅茶の謎 (講談社文庫)ロシア紅茶の謎 (講談社文庫) (1997/07) 有栖川 有栖

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パーティの最中に作詞家が中毒死し、彼の紅茶からは青酸カリが検出された。
犯人は参加者の中にいる。一体誰がどのように紅茶に毒を入れたのか?-表題作他6篇。
犯罪臨床学者火村英生とミステリ作家有栖川有栖が謎を解くミステリ短編集。

どろどろしたミステリではなく、謎解きを主題にしたミステリ短編集なので、読み心地は爽やか。
暗号やトリックを解こうと色々考えながら読む楽しさがありながら、さくっと読めて読後感が良い。

表題作の『ロシア紅茶の謎』は、危なすぎる?トリックだったが予想外なのは確か。
他の作品も「そりゃわからんよ!」と思うトリックばかりだが、不思議と納得はしてしまった。
引っ張られない分多少のことは許せてしまうのも短編の良さかもしれない。

重い長編にどっぷり浸かるのも楽しいが、こういった謎解きものをさらりと読むのも楽しい。

読了日:2009.11.4
★★★★☆

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2009年11月 7日

ruru (22:00)

カテゴリ:国内ミステリー有栖川 有栖

『収穫祭』西澤 保彦

収穫祭収穫祭 (2007/07) 西澤 保彦

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2脚の橋が唯一外界への道という閉ざされた村、首尾木村北西区で村民ほとんどが鎌で切り殺されるという事件が起こる。
生存者は少年少女3人と分校の教諭1人のみ。
彼らが「犯人は町の英会話講師マイケルである」と証言したが、マイケル自身も川に落ちて死亡しており、不明な点を残しながらも事件は解決したとされていた。
そして9年後、事件を改めて調べるフリーライターが現れると、またもや関係者の周りで鎌による惨殺事件が起こる。

かなりの長編だが、スピード感に引き込まれて一気に読んでしまった。
伏線が多いので場面場面で色々な予測を立てるのだが、裏切られることも多く目が離せない。

村の大量殺人事件だけでもかなりのボリュームと読み応えなのに、その後いくつもの時代に繋がりながら展開し続けていくのがすごい。

少しのタイミングと選択のズレが狂気を生み、狂気が集うことで恐ろしい事件が起こる・・全編に渡って底知れぬ暗闇が横たわっているような作品だ。

ただし、死体とセックスがオンパレードのエログロ系なので、その辺りは好き嫌いが別れるところかもしれない。
個人的には、西澤さんらしいなと思いつつも辟易した部分もあったというところ。

首尾木村、南白亀町、豊仁市という世界がしっかり作りこまれており、登場人物たちの言動もいかにも西澤さんらしい。
西澤ワールド全開の大作であると言えるのではないだろうか。

読了日:2009.11.3
★★★★☆

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ruru (16:16)

カテゴリ:国内ミステリー西澤 保彦

『the TEAM』井上 夢人

the TEAMthe TEAM (2006/01) 井上 夢人

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テレビで人気の霊導師能城あや子。
100発100中で悩みを言い当てるからくりは、事前に相談者の身辺を徹底的に調べ上げる裏組織の存在である。
霊媒師役のあや子、マネージャーの鳴滝、家宅侵入や尾行などを行う裏の調査員賢一、パソコンを自在に操る悠美。
彼らの連携プレーが、相談者の背景にある思わぬ真相を明らかにしていく!

インチキ霊媒師のお告げのために綿密な裏調査を行う調査員たち。
家宅侵入やらハッキングやらと犯罪と言えば犯罪なのだが、彼らの調査により過去の事件の真相が解明されたり、大事件を解決したりと相談者が持ち込んだ悩みの解決以上の結果をもたらしていくところが面白いところである。

8編の短編から成っているが、それぞれがすっきりと解決してしまう潔さが爽快な読み心地だ。

久しぶりの井上さん作品。
以前読んで「やっぱり岡嶋二人のままが良かった~」などと思って以来手を出していなかったが・・やっぱり巧いし面白い!

さすがのユーモアミステリーで、また改めてファンになった。

読了日:2009.11.2
★★★★☆

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2009年11月 5日

ruru (11:59)

カテゴリ:国内ミステリー井上 夢人

『十角館の殺人』綾辻 行人

十角館の殺人 (講談社文庫)十角館の殺人 (講談社文庫) (2007/10) 綾辻 行人

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十角形の館が建つ孤島・角島を訪れたミステリ研のメンバーたち。
館を建てた建築家中村青司は、半年前に焼失した青屋敷で焼死していた。
テーブルに置かれたプレート通りに次々に殺人事件が起こる。
犯人は仲間の誰かなのか、それとも・・?

綾辻行人デビュー作にして館シリーズ第一作。
クリスティの「そして誰もいなくなった」をモチーフにした孤島ミステリーである。

有名ミステリを例にとったマニアックな推理はミステリファンにはたまらないし、舞台や登場人物などの構成はよく考えられている。

しかしながら怖いくらいに!よめてしまった。
犯人があからさますぎないだろうか?
伏線が多すぎるせいかもしれないが、かなり早い段階で気付く。

動機や建築家中村青司の存在の弱さ、運任せ的な殺人方法、など気になるところも多い。

どうもミステリファンの自己愛的小説の印象が強い気がする。
ただ、いわゆる”本格”のムードはたっぷり味わえるところはたまらない。

読了日:2009.11.1
★★★★☆ 

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2009年11月 1日

ruru (22:42)

カテゴリ:国内ミステリー綾辻 行人

『春の魔法のおすそわけ』西澤 保彦

春の魔法のおすそわけ春の魔法のおすそわけ (2006/10) 西澤 保彦

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女流小説家小夜子は酒を飲んで記憶をなくし、気づいた時には2000万円入った見知らぬバッグを持って朝の街をさ迷い歩いていた。
考えあぐねた結果、小夜子はこのお金を使い切ってしまうことに決めた!
そして桜の木の下にたたずむ美青年を見つけて声をかける。
「きみってさ、タバコ、吸う?」
ある春の日のちょっとした冒険ミステリー。

小夜子は独身で親しい身内も友人もいない40代女性。
そこそこの小説家として何とか食べてはいるけれど、よくよく考えてみると心が何だか満たされていない・・。

2000万円の現金を手にしたことで何かが変わることを期待するのだが、連れとなった美青年のおかしな反応のせいでどうも調子が出ない。

40代女性と美青年という組み合わせながら、小夜子が年上のいい女風でないところがミソかもしれない。
はちゃめちゃでやけくそな小夜子とクールに彼女をいなす若者優弥のかけあいが面白い。

小夜子のあまりにも飾らない言動が人間味溢れていて好感が持てる。
格好悪くてリアル。

西澤さんはどうしてこんなに女性になりきって書けるのだろうか?
それはないよ、というところもあるけれど小夜子視点の描写がとても現実的だ。

一気にさらっと読めてしまう軽い小説だが、爽やかに気持ちよく読めた。
大人の女性向けかもしれない。

読了日:2009.11.1
★★★★☆


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ruru (21:59)

カテゴリ:国内ミステリー西澤 保彦

『龍神の雨』道尾 秀介

龍神の雨龍神の雨 (2009/05) 道尾 秀介

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継父と暮らす蓮と楓、継母と暮らす辰也と圭介。
蓮と楓の継父が死に、死体を隠すところを辰也と圭介に目撃されて・・。
4人の子供たちの運命が台風の中交差していく。

作品中常に降り注ぐ雨が冷たく、そして激しい。

すれ違う親子、兄弟。
家族とは何か?

「-家族ってのは爆弾なんだ」と辰也は言う。

子供たちの”選択”は彼らを深い穴へと導いていく。

2組の兄弟の心情が切々と伝わってきて引き込まれてしまう。 
共に複雑な家庭にいる少年少女たちの心理描写が繊細で痛い。

この作品を鬱蒼とした雰囲気にさせている雨の使い方もとても巧い。

最初からどんでん返しを予想しながら読み進めてしまったので、正直結末に驚きはなかった。
しかし伏線は張り巡らされていてうまくまとまっている質の高い作品だったと思う。

読了日:2009.10.
★★★★☆

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ruru (09:39)

カテゴリ:国内ミステリー道尾 秀介

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