2010年1月アーカイブ

『飯綱颪―十六夜長屋日月抄』仁木 英之

飯綱颪―十六夜長屋日月抄 (学研M文庫)飯綱颪―十六夜長屋日月抄 (学研M文庫) (2006/12) 仁木 英之

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深川の十六夜長屋の住人で泥鰌漁師の甚六は、ある日行き倒れの大男を見つける。
記憶を失っていた大男は山さんと名付けられ長屋での生活に馴染んでいくが、信州山中より彼を追う者たちが迫ってくるのであった。

 

『僕僕先生』の仁木さんが書いた江戸時代小説。

江戸人情物であり、忍者物でもあるようなストーリーだが、言葉遣いや展開など、完全なる時代小説とは言えないのではないかという曖昧な印象も受ける。

 

江戸の長屋、松代藩江戸屋敷、信州とめまぐるしく舞台が入れ替わるのもやや疲れる。

もう少し一ところに心を置いて読み進めたい。

また、後半一気に忍者の忍術合戦のようになったところにもやや戸惑いがあった。

 

しかし何となく全体的には面白い。

それはひとえに登場人物たちの魅力がなせる業だろう。

長屋の住人たちが庶民として生き生きと動けば、復讐に駆られた武士がおり、影の世界から逃げ出した宿命を背負う男に追う一族と、それぞれが上手くその役回りを果たしている。

 

続編も出せそうな終わり方だったと思うが、今のところは中国歴史物の発表が続いている様子。

私としても、十六夜長屋の連中には悪いが、この作者は中国物の方が面白い気がする。

読了日:2010.1.29
★★★☆☆

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2010年1月30日

ruru (20:00)

カテゴリ:国内小説一般仁木 英之

『ブラック企業の闇』ムネカタ スミト

ブラック企業の闇―それでもあなたは働きますか? (晋遊舎ブラック新書 8)ブラック企業の闇―それでもあなたは働きますか? (晋遊舎ブラック新書 8) (2008/05/10) ムネカタ スミト

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”ブラック企業”という言葉もすっかり定着した今日この頃。
受け入れている場合ではないのだが、あるあるとわかってしまうのが怖い。


帯に「働けるだけ働いて死ね!」とある辺り、晋遊舎っぽい煽り・・。

内容としては過去の過労死や労働訴訟などを取り上げたり、元社員らのイニシャルトークでブラック会社の内情を晒すというもの。

淡々と取り上げているので読みやすい。

新聞沙汰になって記憶に新しいような訴訟も色々取り上げている。

結局のところ、古き日本の家族主義と欧米の合理的な個人主義とがごちゃまぜになっているからこんなことになっているのではないだろうか。

もう最初から会社と自分を切り分けて、いつでも辞められる準備をしておくべきなのでは?

死んだり精神を病んだりすることを考えれば、いくらでも他の道が選べそうな気がする。

まあそう考えられる人間はこんな目には合わないのだろう。

 

日本では転職を重ねることが悪しきことのようにとられることが多いので、ギリギリまで我慢する人たちで成り立っているのだろうが、”ブラック”と言われる企業が利益をあげ続けている限り労働問題はなくならないだろう。

内側からもっと声をあげるべきだと思うがこの不景気ではそれもままならないかもしれない・・。


読了日:2010.1.28
★★★★☆


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2010年1月28日

ruru (20:27)

カテゴリ:ビジネス・自己啓発

『宋文洲の傍目八目』宋文洲

宋文洲の傍目八目 (NB Online book)宋文洲の傍目八目 (NB Online book) (2007/04/12) 宋 文洲

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日経ビジネスオンラインで連載されていた宋さんのコラムまとめ本。

内容は教育、経済、日中問題など多岐に渡っている。

ネットで読めるとは言え、本で読むとやっぱり落ち着く。

ネットで読むのならこちら。

日経ビジネスオンライン>宋文州の傍目八目


微妙に数回分本に納められていないのが謎である。


中国人でありながら長く日本に在住しビジネスを成功させたという立場的なことからか、ネットでの公開ということを考えてか、かなり慎重な文章となっている。

それでも色々心無いコメントも入ってくるようだが・・。

中国人として外から見た日本であったり、日本在住の立場から見た中国や世界についてであったりの考えが述べられており、グローバルな視点で面白い。

また、中国故事やご自身の経験を交えた意見はとても説得力があった。

コラムなのでそれほど深く切り込んだ話にはしていないが、宋さんの人となりや考え方がわかって面白かった。

興味のある方はとりあえずネットで読んでみて欲しい。


読了日:2010.1.25
★★★★★


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2010年1月26日

ruru (00:30)

カテゴリ:ビジネス・自己啓発

『いっちばん』畠中 恵

いっちばんいっちばん (2008/07) 畠中 恵

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しゃばけシリーズ第7弾。

「いっちばん」は妖オールスターズが競って若旦那に喜んでもらえる贈り物を考える可愛い話だったし、「いっぷく」では気になっていた冬吉が再登場してキャラが増えたことで楽しみも増した。

 

そして何といっても「天狗の使い魔」で私の好きな狛犬が存在感たっぷりに登場したのが嬉しかった。
ちょっと可哀想な役柄だったが、狛犬が泣いたり怒ったりしている情景を想像しただけで楽しすぎる!

 

実は若旦那の名推理も立派なものなのだが、魅力的な登場人物や妖たちばかりに注目しているかもしれない。

 

今巻は、栄吉やお雛ちゃんといった主要キャラが中心の話があったのも良かった。

若旦那を始め、まだ若いキャラクターたちが日に日に成長しているのを感じることができてほっとする。

 

まだまだ広がるしゃばけワールド。

既に次巻がまた楽しみになっている。

 

読了日:2010.1.22
★★★★★


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2010年1月23日

ruru (21:27)

カテゴリ:国内小説一般畠中 恵

『ちんぷんかん』畠中 恵

ちんぷんかんちんぷんかん (2007/06) 畠中 恵

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やみつきになっているしゃばけシリーズの第6弾。
また短編に逆戻り。

今回はしょっぱなから若旦那がいつも以上に死にかけたり、松之助の縁談が進んだりとなかなか波乱含みの展開だった。

松之助と若旦那の絡みがもっと欲しいので、長崎屋からいなくなってしまうのはとても残念だ。

しかしが、松之助夫婦の悩みを聞くとか甥や姪が生まれるとか・・・世界が広がっていくのは面白いかもしれない。

若旦那の行動範囲が広がっていくのは話にも広がりが出て楽しみが増えそうで期待できる。

 

最後の「はるがいくよ」では、命の長さが違う者同士の交流の切なさが伝わってきて少ししんみりとした気持ちになった。

しかし妖全てが長命だと思い込んでいたけれどまだまだ色々な設定があるらしい。

 

続けて第6弾まで読んできたが既に7巻も読み始めている私・・・止まらない!

読了日:2010.1.21
★★★★★


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2010年1月21日

ruru (22:40)

カテゴリ:国内小説一般畠中 恵

『ぬばたま』あさの あつこ

ぬばたま

ぬばたま (2008/01) あさの あつこ

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山に囚われ山に還っていく者たちを描いた短編集。
市役所を退職させられ家族をも失った男が山の中で出会った女、初恋の男の子から電話をもらい故郷の山へ向かう主婦、子供の頃山の中で見たものを忘れられない男たち・・。


どちらかというとホラーになるのだろうか。
幻想的でありながらも底知れぬ山の闇を色濃く描いた作品集となっている。

山のもつ迫力や、それぞれの登場人物たちの感情などそれなりにまとまっていて読みこなせるのだが、よくあるようなストーリーばかりでどうも物足りない。

あさのあつこだからいいが、新人なら本になることはないのではないだろうか。
それとも「終話」で判明する構成を生かすためにこのような内容なのか・・。

 

救われない結末のものが多く、感情移入もしづらい。

あさのさんの作品は結構好きなのだが、これはちょっと残念な読後感だった。


読了日:2010.1.19
★★★☆☆

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2010年1月19日

ruru (20:03)

カテゴリ:国内小説一般あさの あつこ

『うそうそ』畠中 恵

うそうそうそうそ (2006/05/30) 畠中 恵

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しゃばけ第5弾は長編。

あっという間に読み終わってしまった。

 

何と若旦那が旅に出る!

しかも出発から波乱含みの旅で、とても湯治にでかけたとは思えない珍道中となっていく。

 

若旦那の体力だととっくに死んでいそうな荒々しい出来事が度々起こったり、敵が簡単にお友達になったりと、首をひねるような箇所が多々ある作品ではある。

 

それでも楽しめるのは、しゃばけの世界観が魅力的だからだろう。

多少の矛盾や説明不足を気にさせないくらい入り込んで読むことができる。

設定などが気にならないのは漫画的な感覚なのかもしれない。

 

佐助と仁吉が側にいないとこんなに心細いとは思わなかったが、後半二人が大いに妖の力を発揮してくれたのはまた面白かった。

 

江戸の街中では人目があって難しいだろう二人の力も、たまに離れた場所が舞台でなら見ることができる。

 

せっかく多くの妖たちが出演しているので、若旦那の知恵も良いが、妖たちの活躍も見たいのである。

 

読了日:2010.1.19
★★★★☆


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ruru (13:54)

カテゴリ:国内小説一般畠中 恵

『おまけのこ』畠中 恵

おまけのこおまけのこ (2005/08/19) 畠中 恵

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続けて読むと益々面白いしゃばけシリーズ第4弾。

短編集ではあるものの、以前の登場人物が出てきたり事件が関係したりとどこか繋がっているところもあるので、やはり順番に読みたいところ。

図書館では飛び飛びにしか残っていないので、何とか順繰りに読めるようにネットで予約を続けている。

家ですぐに予約ができるなんて本当に便利になった!!

 

さて、今回の巻は痛快なだけでなくなかなか考えさせられる話が続いており、今までとはやや趣が違う印象だった。

著者の気分によるものだろうか。

 

どこにも属せない「こわい」の話、2回目の登場である一色屋お雛の化粧の話、影女や吉原の話にも寂しい背景があって切ない気持ちになってくる。

 

しかし最後の「おまけのこ」で、鳴家のかわいらしさに微笑ましい気持ちになって終わることができるので読後はやはり爽やかなもの。

 

お雛を励ます屏風のぞきの人情やら鳴家と若旦那の友情?やらと、巻が進むにつれて知ることができる妖たちの意外な一面がまたマニアックな楽しみを与えてくれて、飽きることがない。

 

大人の娯楽小説として本当によくできているシリーズだとしみじみ思う。

年に1冊程度の発行のようなので、楽しみに待つにはやや時間がかかるが、一気に読んでいる身なのでしばらくは楽しみが続くのが嬉しい。

なにしろこの記事を書きながらももう第5弾を読書中なのである・・・。

 

読了日:2010.1.17
★★★★☆

 

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ruru (00:54)

カテゴリ:国内小説一般畠中 恵

『ねこのばば』畠中 恵

ねこのばばねこのばば (2004/07/23) 畠中 恵

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しゃばけシリーズ第3弾。
今回も短編集である。


人でない者たちが脇役を張り、殺人事件が次々と起こる割には軽やかな読み口なところが良い。

気負わず読めて娯楽小説とはまさにこのことである。


シリーズを読んでいくことで、段々と長崎屋周辺の情景や登場人物たちが馴染みになってきた。

妖たちの様子もはっきりと頭に浮かんでくるようになったのがまた楽しい。

 

表題作である「ねこのばば」では以前お札をもらった広徳寺の寛朝の人となりが判明したし、「産土」はやや薄気味悪い話だったが、初めて佐助にスポットを当てた話を読むことができたりと”しゃばけ”の世界観が広がっていくのが魅力的なのではないだろうか。

あえて言うなら、若旦那がおぼっちゃま過ぎて江戸時代の町の全容までは広がらないのが残念なところかもしれない。

 

「たまやたまや」ではお春ちゃんがとうとうお嫁に行ってしまった。

身分を越えてもうまくいくかもしれないと期待していたのだが・・・畠中さんも意外とシビアである。

それでもこの先戻ってきてやっぱり若旦那と、ということもあり得るかもしれない。
やや希望を残しておくこととしよう・・・などとすっかり感情移入してはまっているようだ^^;

読了日:2010.1.17
★★★★☆

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2010年1月18日

ruru (23:11)

カテゴリ:国内小説一般畠中 恵

『切羽へ』井上 荒野

切羽へ切羽へ (2008/05) 井上 荒野

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小さな島で養護教師をしているセイは、新任教師の石和に惹かれていく。
夫を深く愛しながらも石和に惹かれる気持ちが抑えられないセイ。
二人の思いはどこへ行き着くのか・・。

 

不倫の恋愛小説、しかも直木賞っていつもイマイチ・・などと思いあまり興味を持っていなかったのだが、たまたま書店で目に付いたので購入してみた。

正直軽く見ていたのだが、猛省である。

久しぶりに感動してしまった!

 

とにかく文章が美しい。

素敵だと思う表現に付箋を付けていったら本が付箋だらけになってしまった・・。

最近ミステリばかり読んでいたので余計なのかもしれないが、瑞々しく美しい表現に衝撃を受けた。

 

例えば夫の存在を表すところ。

 

父が死に、天涯孤独の身の上になったときも、私は自分のまわりに余白ができたような感じを覚えたが、あのときのは白ではなく薄い灰色だった。湿り気を含んだ灰色。夫の不在が作る余白は、からっとして透明感のある白だ。(P23)

 

石和への気持ちを帽子の存在で表現した箇所も良かった。

 

・・・その日帰るときまで帽子に触れることはなかったが、帽子がそこにあることはずっと心の中にあった。(P55)

 

恋愛小説と言っても、ほとんど会話を交わすこともなく、ましてや体が触れ合うこともない。

狭い島の人間関係の中で、視線と空気をただただ感じ合う。

 

同僚教師の月江と妻子がありながら足繁く島に通ってくる愛人の”本土さん”カップルの存在が対比的に登場してくるのもお見事。

抽象的な小説でありながらも、人間の生々しさも感じることができる秀作だった。

 

 読了日:2010.1.15
★★★★★

 

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2010年1月17日

ruru (18:55)

カテゴリ:国内小説一般その他の作家(一般)

『無理』奥田 英朗

無理無理 (2009/09/29) 奥田 英朗

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生活保護者の身勝手さから人間嫌いになった県庁職員。
田舎町から脱出するために東京の大学に受かりたい女子高生。
詐欺まがいのセールスでのし上がろうとする元暴走族。
新興宗教に救いを求めるスーパーの保安員。
やくざ者と手を組みながらも県議会を狙う市議会議員。
地方都市ゆめので繰り広げられる群像劇。


なかなかの長編だが、奥田英郎の文章は読みやすいので大した苦にはならない。

 

色々な立場の5人の人間を追いかけることで、地方都市ゆめのの生活が浮き彫りになっていく構成の群像劇である。

こういった構成の場合徐々に登場人物たちが絡み合って交差していくものだが、触れ合う程度であまり絡んではこないのはやや拍子抜けだった。

こうなるとそれぞれの立場や価値観に立って淡々と進む連作集のような印象だ。

順繰りに5人にスポットを当てることで話の主張もばらけている気がする。


どちらかというと小市民の”低俗性”を書き出そうとしているようだったが、実在しそうなリアル感がある反面、卑しさも人間らしさも中途半端な人間ばかりなので印象が薄い。

殺人などの事件が用意されている割には山場はどこなのかも微妙である。

もしかして結末が山場なのだろうか。 

結末も乱暴すぎて、これだけ長編を読み終わったというのに読後に残る感情が何もないというのはがっかりである。

 

地方都市の実情や福祉の問題点、いわゆる格差社会など現代の問題点をたっぷり盛り込もうとしているのはよくわかるのだが何となく物足りない作品だった。


読了日:2010.1.13
★★★☆☆

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2010年1月14日

ruru (23:07)

カテゴリ:国内小説一般奥田 英朗

『フリーター、家を買う。』有川 浩

フリーター、家を買う。フリーター、家を買う。 (2009/08) 有川 浩

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二流大学を出て3ヶ月で会社を退職、ぶらぶらとフリーター生活を送っていた誠治。
そんな中母親が鬱病を発症。
母の病気のためには引っ越さなければならないが、父親にその気はなく自分には経済力がない。
追い詰められた誠治は一念発起し真面目に就職活動を始めるのだが・・。

軽いエンタメ小説かと思って読み始めたらなかなかシリアスで重い。

母寿美子の病気の様子がリアルで鬼気迫るものがあり、胸が痛む。

誠治のようなどこか投げやりな若者も、誠一のような横暴な父親や寿美子のような内向的な母親もいかにも実在しそうな人物たちだ。

互いに無関心な家族関係もどこにでもありそうな家庭とも言える。

 

彼らだけでは物語がジトジトと停滞しそうだが、姉の亜矢子が誠治の目を覚ましてくれることとなる。

この亜矢子の存在が良い。

既に結婚して家を出た身でありながら、甘えた男性陣にしっかりと活を入れて家族再生の源となってくれる。

父親に従属する寿美子と全く異なるタイプの女性として強い存在感を放っている。


話が調子よく進み過ぎるところがあるが、寿美子の病状が切々と描かれる中での誠治の成長は心が晴れる。


父子関係の修復も一朝一夕でなし得ないところや、二人の会話などはリアルで想像しやく共感できる。


ただ終盤あまりにも誠治が一気に成長し過ぎる点と急に恋愛が絡んできた点が気になった。

ダメダメの誠治がたった半年で格好良くなりすぎである。

まあ、その軽さがあるから根底にある母親の病気の重さとのバランスが取れて読みやすくなっているのかもしれないが。


軽く読み流そうと思って手にとった本だが、思っていたよりも面白くて良い作品だった。

読了日:2010.1.12
★★★★☆

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2010年1月13日

ruru (11:42)

カテゴリ:国内小説一般有川 浩

『鷺と雪』北村 薫

鷺と雪鷺と雪 (2009/04) 北村 薫

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昭和初期を舞台に良家の令嬢と女性運転手が身の回りの謎を解く連作集。
第141回直木賞受賞作品。

 


お嬢様英子が聡明な女性運転手ベッキーさんの力を借りて謎を解いていくミステリという位置づけのようだが、どちらかと言えば時代小説のような趣である。


実在した人物やお店が度々登場する背景描写や文学作品や音楽などが巧く取り入れてられているところは興味深くて面白い。

華族たちの生活を通して昭和初期の日本を身近に感じることができる作品となっているのも悪くない。


しかし、冗長な文章やスローな展開に気持ちが乗っていけないままだったのは残念だ。

『鷺と雪』に至っては、明らかに作家のもっていきようが透けて見えていて白々しい。

 

巷ではミステリとしての評価も高いようだが、「それはあの方のいたずらだったんですのよ~」的な展開にはげんなりしてしまった。


作家との相性があるとしたら合わないとしか言いようがない。


読了日:2010.1.11
★★★☆☆

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2010年1月11日

ruru (18:11)

カテゴリ:国内ミステリー北村 薫

『ぬしさまへ』畠中 恵

ぬしさまへぬしさまへ (2003/05) 畠中 恵

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『しゃばけ』シリーズ第2作。
今回は殺人事件やら身の回りの不思議やらを謎解く短編集となっている。


若旦那が探偵役にぴたりと収まって名推理を披露しており、体は弱いままだが精神的にしっかりと成長してきているのが微笑ましい。


ただ、その分妖たちがただの使い走りになっているのは残念だ。
もう少しそれぞれの特徴を生かして力を発揮しても盛り上がりそうなのだが。

若旦那が死に掛けの体で妖と紙一重の立場のように、周りの妖たちも人間界に混ざりすぎて人間と紙一重という解釈なのだろうか。

甘いおやつのために喜んで手足となってくれる妖たちの可愛さこそが『しゃばけ』に柔らかなイメージを持たせる魅力なのだが、もう少し活躍の場がありそうだとも思ってしまう。


あまりにささっと読み終わってしまい、これはもはや本ではないのかも・・などと思ってしまった。

やはり平易で軽快な文章がこのスピードに繋がるのだろうか。

設定やキャラクターたちがしっかり染み込んできたことも読みやすくしてくれているのだろう。

殺人事件など血なまぐさい事件が起きているにもかかわらず何故かほっこりした世界観をかもし出すこのシリーズ。

作品に入り込んで推理に頭を悩ませるのも最高の娯楽だが、こういった軽い小説を読み流すのも頭が休まって心地良い。

 


読了日:2010.1.10
★★★★☆


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2010年1月10日

ruru (10:44)

カテゴリ:国内小説一般畠中 恵

『しゃばけ』畠中 恵

しゃばけしゃばけ (2001/12) 畠中 恵

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廻船問屋長崎屋の若旦那一太郎は極端な虚弱体質。
両親と実は妖である手代二人に大いに甘やかされながら暮らしている。
そんな一太郎が皆に内緒で出かけたところ殺人事件に遭遇してしまう。
若旦那は周囲の妖の力を借りながら下手人探しを始めるが・・。

 


以前から気になっていた作品だが、時代物を読む気分になかなかなれずに今になってやっと読んだ。

いざ読み始めてみると軽い文体が読み易く、ページを捲る手が止まらない。

 

もっとどろどろとした妖怪ファンタジーなのかと想像していたのだが、どちらかというと痛快な娯楽小説だ。

 

”「会話」”や”(心中)”の描写が多いところが漫画のような感覚だと思いながら読んだのだが、著者が漫画家だったと知って納得した。
う~ん、私は漫画もかなり読んでいるのでレディコミ辺りで読んだことがあるのかもしれない・・。

時代物と言っても、妖が活躍するファンタジーであり、貧弱な若旦那が安楽椅子探偵の役割を務めるミステリでもあり、と幅広い要素があることが人気の元なのかもしれない。


私はミステリ好きだが、殺人事件の推理に関してはファンタジー要素があるので深くは追求せず、若旦那と個性豊かな妖たちのやり取りを楽しんだ。

 

この世界観がとても良いので早速2冊目を読書中。

はまる予感・・。

気に入った作品がシリーズ化しているのは嬉しいが、もう8冊も出ているとは忙しくなりそうだ。

 

新潮社HPに特設ページがあった!

>>しゃばけクラブ

力の入れように驚いた(苦笑)

読了日:2010.1.9
★★★★★


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ruru (00:45)

カテゴリ:国内小説一般畠中 恵

『竹中教授の14歳からの経済学』竹中 平蔵

竹中教授の14歳からの経済学竹中教授の14歳からの経済学 (2009/08/29) 竹中 平蔵

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タイトルにあるように、中学生向けに経済を語る形のため平易な文章でとても読みやすい。
かと言って大人が読んでもおかしくもない作り。

高校生との問答をベースに郵政民営化や景気対策について述べているので、リアルな学生の視点で経済を考えることができるのが好ましい。

私としては経済学の勉強というよりは、小泉政権の裏側的な話が面白かった。

本当に小泉さんが好きなんだなあ、という感じ(笑)

 

ただ経済学者とは言え政府側に立った方の話なので、実務的で分りやすい反面、経済”学”という学問としての中立性は低いように感じた。

これを教科書とするのではなく、情報の一つとして捉えた上で読むべきだろう。

 

読了日:2010.1.7
★★★☆☆

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2010年1月 9日

ruru (14:29)

カテゴリ:ビジネス・自己啓発

『アマルフィ』真保 裕一

アマルフィアマルフィ (2009/04/28) 真保 裕一

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ローマ観光に来ていた日本人の子供が誘拐され、日本大使館の外交官黒田が母親のサポートについて交渉に当たることになる。
二人は誘拐犯の正体を独自に探っていくが、事件は大規模なテロへと繋がっていき・・。

 

映画は見ていないが、テレビで散々宣伝を見たせいか織田裕二と天海祐希の顔がしっかりとインプットされて読みながら映像が浮かんでしまう。


文字を読んでの想像力が鈍くなるのは残念だが、イメージはとても合っていたんだなと思った。
この作品は映画のプロットとして書かれたものだそうなので当然かもしれないが。


映画用に当てはめて作ったのだなという視点で見ないと違和感がある設定もあるが、スケールが大きくスピード感があって読み応えたっぷりなことは確か。
ページをめくる手がとまらないところはさすが真保さん。


クールな黒田があまりにも格好良すぎるが、立場やキャラクターが興味深いので、邦人テロ対策室にスポットをあてた続編があっても面白いのではないだろうか。

世界を股に掛けたスケールの大きなシリーズができそうで期待できる。

 


読了日:2010.1.6
★★★★☆

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2010年1月 6日

ruru (21:59)

カテゴリ:国内ミステリー真保 裕一

『サラリーマンは2度破産する』藤川 太

サラリーマンは2度破産する (朝日新書)サラリーマンは2度破産する (朝日新書) (2006/10) 藤川 太

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リスクが高いのは中の上クラスのサラリーマンである・・・ファイナンシャルプランナーによる家計の見直し本。

タイトルにインパクトがあるが、それはライフプランに合わせてファイナンシャルマネープランをしっかりと作成してみると、子供の教育費のピークと退職後に2度危機があるという話。

元々マネープランに興味を持っている人にとっては目新しい話はないが、今まで考えたことがなかった人には読みやすくわかりやすい本と言えるのではないだろうか。


個人的には以前FPの勉強をしたことがあることもあって特別これといった話はないように感じたが、最近ゆるみがちだった家計について改めて考え直そうという刺激を受けることができた。

読了日:2010.1.4
★★★☆☆

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2010年1月 4日

ruru (19:48)

カテゴリ:生活・実用

『贖罪』湊 かなえ

贖罪 (ミステリ・フロンティア)贖罪 (ミステリ・フロンティア) (2009/06/11) 湊 かなえ

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空気がきれいなのんびりとした田舎町。
夏休みの小学校で少女が殺されるという事件が起こる。
一緒に遊んでいた目撃者の少女たち3人が一様に犯人の顔を覚えていないと証言したため事件は迷宮入りに。
少女たちはそれぞれ事件の影響を受けながら成長していたが、時効直前を迎えまた運命が動き出す。

湊かなえ2冊目。


『告白』とあまりにも酷似した作品。
『少女』は読んでいないが、あらすじを読む限り似たような雰囲気に感じる。
新作を出すほど作者の狭い世界観が露呈してしまうのは残念なことではないだろうか。
出版社の意向でわざと同じような作品に仕上げているのだとしたら勿体無い。


章毎に視点が変わり、独白が続く形で過去の美少女殺人事件とその後の少女たちの半生が浮かび上がってくる構成は面白い。
これも『告白』と同じなため印象が重なってしまう要因でもあるが、そこは作者の形として良いと思う。

 

”女”を感じる描写が多いので男性よりも女性読者の方が多いかもしれない。

その点私も共感できる箇所は多々あった。

全てを書いてしまう文章力と紋切り型の設定が少々気になるが、一気読みしてしまう手軽さと魅力はある。

それぞれの少女が抱えた心の闇、娘を殺された母親の心情、田舎町への都会の人々の流入などがうまく絡み合っていくのは良かった。

 

『告白』より毒が弱まった分平坦な印象にはなるが、その分安心して読めた作品だった。

読了日:2010.1.3
★★★☆☆

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ruru (12:17)

カテゴリ:国内ミステリー湊 かなえ

『マンガ脳 マンガを読むと頭が良くなる!』米山 公啓

マンガ脳 マンガを読むと頭が良くなる!マンガ脳 マンガを読むと頭が良くなる! (2008/06/23) 米山公啓

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「最新脳科学で読み解く日本人の脳とマンガの親密な関係」

医師であり作家でもある著者が、数々のマンガを例に何故面白いと感じるのかを脳科学的な視点から読み解いている。


「自分は必要とされている」という承認欲求が満たされるドーパミン型マンガ(『黄昏流星群』等)、セロトニンが分泌されて懐かしい感情がわきあがるセロトニン型マンガ(『夕焼けの詩三丁目の夕日』等)など脳科学的に分類されるとなるほどなと面白い。

 

例に挙がっているマンガを知らないと面白さは半減だろうが、マンガをよく読む人なら興味深く読めるだろう。

知ったから何というものではないが、純粋に納得させられる内容だった。

 

読了日:2010.1.2
★★★★☆  


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2010年1月 2日

ruru (23:33)

カテゴリ:ビジネス・自己啓発

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