2010年8月アーカイブ

『シュザンヌ・ヴァラドン―その愛と芸術』ジャンヌ シャンピヨン

シュザンヌ・ヴァラドン―その愛と芸術シュザンヌ・ヴァラドン―その愛と芸術
(1998/12)
ジャンヌ シャンピヨン

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女流画家シュザンヌ・ヴァラドンの生涯。

シュザンヌ・ヴァラドンと言えば数々の浮名とユトリロの悪名高き母として有名である。
別の顔を知ることができるのか興味を持ち読んでみた。

ルノアール、ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ、エリック・サティ、そしてロートレックなどなど・・。
多くの芸術家たちと関係を持ち独学で絵を描き始めたシュザンヌはドガに本格的に弟子入りする。

画家への道を邁進していくパワーはすごい。
女性が認められない時代に力強く生きていく姿勢は絵画にも現れており、芸術家としては素晴らしいものがあるのは確かである。

しかしその性質は快楽的・破滅的でもあり、自由を求め意思を貫く女性という良心的なイメージはもてなかった。
ユトリロの悲惨な人生もやはりこの母からという印象が強まるのみ。
自己愛に生きた女性としか思えないが、その一途さが彼女の芸術的要素でもあったのかもしれない。

原作のせいなのか訳の問題なのかかなり読みづらい。
途中で訳者が変わるのもどうなのだろう。
本としては結構ひどいが、脇役として著名な芸術家たちが多々登場することで飽きずに読むことができた。
シュザンヌについて一通りさらうことはできたので良かったとしようか・・。

読了日:2010.8.29
★★★☆☆

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2010年8月30日

ruru (12:13)

カテゴリ:自伝・伝記

『真夜中の神話』真保 裕一

真夜中の神話真夜中の神話
(2004/09/14)
真保 裕一

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インドネシアで航空機の墜落事故に遭った晃子は、山奥で不思議な癒しの力を持つ少女に出会う。 少女のことを口外しないと約束をして町に戻るが、少女の持つ不思議な力について周囲に語っていたという二人の人間が相次いで殺害されていることを知る。 犯人は少女を守る村の人々なのか、それとも少女の存在を認めず消し去ろうとしている人間なのか。 晃子の周囲でもおかしな出来事が次々と起こるようになり・・。

インドネシアを舞台に、セラピーの研究者晃子が不思議な癒しの力を持つ少女と関わることで事件に巻き込まれていく。

多宗教国家でありながら、ドゥクンとよばれる祈祷師に頼る人間も多いインドネシア。
あまりに力のあるドゥクンがいたことから、少女の村は吸血鬼の村と呼ばれて恐れられている。
現代の魔女狩りのような話を盛り込んだ癒しと再生の物語と言うところだろうか。

墜落事故・殺人事件が宗教に絡み、周りの誰を信じていいのかさえわからなくなってくる圧迫感と展開はさすが真保さんらしい。
家族を亡くした晃子・野心家の研究者桐生・吸血鬼騒動を調べるダーマン神父・少女の力と殺人事件を追うイタリア人記者グッツォーニ・権力に屈しない現場刑事イブラヒムなど・・人物設定と配置が良く、読ませてくれる。

実は以前にも読んだことがあったことに途中で気付いたが、結末の記憶が漠然としていたのでもう一度最後まで読んでしまった。
軽くエピローグがあるともう少し満足できた気はするが、多様性に富んだインドネシアの熱気が伝わってくるような小説で面白かった。

読了日:2010.8.25
★★★★☆

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2010年8月25日

ruru (13:14)

カテゴリ:国内ミステリー真保 裕一

『甘露梅―お針子おとせ吉原春秋』宇江佐 真理

甘露梅―お針子おとせ吉原春秋甘露梅―お針子おとせ吉原春秋
(2001/11)
宇江佐 真理

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岡っ引きの夫を亡くし、吉原の海老屋で住み込みのお針として働き始めたおとせ。 遊郭のしきたりに戸惑いながら、吉原での遊女たちの恋や生き方に触れていく。

いわゆる普通のおかみさんが突然吉原で働くことに。
おとせの目を通して吉原に生きる者たちの暮らしや生き様が浮き彫りになってくる。
読む方もやはり外界の視点なので、おとせに共感しやすいと思う。

ただ岡っ引きのおかみさんという設定は、世話焼きなおとせの行動位にしか繋がらないので必要だったのかどうかは疑問。

吉原の遊女の恋や人生にスポットを当てていったら切なさや理不尽さに溢れているのは当然だろう。
吉原の話は正直あまり好きでないのだが、おとせが主役なことで程よく薄味になっていて気分的に読みやすかった。

凧助との恋愛はわかるようなわからないような・・。
大人の心の交流という程度ならまだしも、江戸とはいえ30代のおとせがすっかりおばあちゃん扱いで60近い凧助とどうこうというのはやや抵抗があった。

宇江佐さんの作品はタイトルが素敵なことが多く、今回の「甘露梅」も良い。
副題に「吉原春秋」とあるように、四季に合わせた風情を感じられる連作になっていておとせ共に1年を過ごすことが出来たように思う。

恋愛に重きを置いた人情話となっている。

読了日:2010.8.22
★★★★☆

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2010年8月23日

ruru (10:45)

カテゴリ:国内小説一般宇江佐 真理

『聞き屋与平 江戸夜咄草』宇江佐 真理

聞き屋与平 江戸夜咄草聞き屋与平 江戸夜咄草
(2006/05/26)
宇江佐 真理

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夜が更けると薬種屋仁寿堂裏に"聞き屋"が開店する。 隠居の与平が趣味を兼ねて始めた聞き屋には、小さな愚痴から大変な打ち明け話までが持ち込まれる。 人々は与平に話すことで胸のつかえをおろしていくが、与平自身にも長年抱えた秘密があった。

愚痴を言ってすっきりしたり、悩み事を打ち明けたり・・人に話を聞いてもらうだけで心が軽くなることがある。
お代は志次第の聞き屋は徐々に住人たちに受け入れられていく。

ただひたすら客の話を聞くだけが建前の聞き屋であるが、与平はつい世話を焼きたくなってしまう。
与平は話を聞くだけと言いながら、密かに解決への後押しへと動く。

心温まる話が続くが、物語の根底には与平自身の秘密がある。
人情話の中にも与平に付きまとう岡っ引き長兵衛の存在や老いと世代交代、人の心の奥底にある狡猾さや切なさなども描かれているところが宇江佐さんらしい。

はっとするような結末となっているのだが、それもまた正しい落としどころに思えて納得である。
やや苦味が残るような余韻がまた良い。

読了日:2010.8.20
★★★★☆

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2010年8月21日

ruru (23:52)

カテゴリ:国内小説一般宇江佐 真理

『闇の底』薬丸 岳

闇の底闇の底
(2006/09/08)
薬丸 岳

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幼女殺害事件が起こると性犯罪の前歴者が殺される。 サムソンと名乗る犯人は、子供が犠牲となる社会が浄化されるまで私刑を続けるという犯行声明を発表する。 私刑に正義はあるのか?サムソンの正体とは・・?

闇の底へ吸い込まれていくような表紙が印象的なこの1冊。
常に社会の闇を取り上げていく著者の今回のテーマは幼女への性犯罪である。

とは言え、主題はそこではない。
再犯する可能性が多いといわれる性犯罪者が野放しになっている事実への問題提起。
何年経っても消えない遺族の苦しみと憎しみ。
それでは一度でも罪を犯した者は殺されて当然の存在なのか?
犯人が殺されれば遺族の気持ちは解放されるのか?
人間の心の闇と正義の在り方を問うている。

かつて妹を殺されたことがある長瀬刑事は、捜査を進めながらもサムソンの行為に共感も覚える。
サムソンから前歴者を守るという屈辱的な職務に葛藤し続ける彼は、一般市民の感情の象徴でもある。
私情としては「じゃんじゃん粛清して良し」となってくるが、それでは社会が成り立たず解決しない。

作中アメリカでは前歴者の所在を公開し、GPS発信機をつけることもあるという記述があった。
これは更正は在り得ないという判断の下に行われているのか、それとも市民の安全のためやむを得ず実施している強攻策なのだろうか。
これでは出所しても更正しづらく、しかし再犯の抑圧にはつながるのかもしれない。
効果があるから続けられているのだろうが卵と鶏論のようなもので最善策とも言い難い。

この作品も「更正在り得ず」の立場で描かれているように感じた。
実際データ的にも再犯率はかなり高いらしいが、それなら今の刑罰には問題があるのではないだろうか。

嫌なテーマ、嫌な結末だが人間の"闇の底"が十分に描かれている巧い作品だったと思う。

読了日:2010.8.19
★★★★☆

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2010年8月20日

ruru (11:45)

カテゴリ:国内ミステリー薬丸 岳

『写楽 閉じた国の幻』島田 荘司

写楽 閉じた国の幻写楽 閉じた国の幻
(2010/06)
島田 荘司

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北斎研究者の佐藤は、木村蒹葭堂関連の資料として1点の肉筆画に出会う。 作者不詳のこの肉筆画が謎の浮世絵師東洲斎写楽のものではないかと考え始めた佐藤は、その正体に一つの仮説を立てその足取りを追い始める。

東洲斎写楽の正体を追うミステリーである。
写楽の正体に関しては諸説があって謎だという以上の知識がなかったのだが、「写楽をモチーフとして取り上げたミステリー」という枠を超えてあまりに本格的に謎解きがなされているので驚いた。
しかも何だか納得してしまうものがある説得力。
島田氏の考える新説はあり得る気がしてきた・・。

主軸としては、全てを失った浮世絵研究家が絶望の中で生きるために写楽を追うというもの。
時折江戸時代へと遡り、蔦屋重三郎らが生き生きと動いてくれる趣向が楽しい。
写楽の正体を追う過程については、エンタテイメント性に溢れる上質なミステリーでページをめくる手が止まらない面白さだった。

ただし作者が後書きで書いているように、登場人物たちの背景などが曖昧なままなので何となくモヤモヤしたものが終始立ち込める。
私としては片桐教授の存在が一番不可解だった。
オランダとの繋がりで必要人物なのだろうが、冒頭の事故についてあまり取り上げられていない分その存在感が浮いているような気がしたのだ。
息子の事故に関係する人物とあまりにも親密になりすぎる違和感もぬぐえなかった。

作者によればそういった写楽以外のストーリーはページ数の都合で端折られたらしい。
確かに今の時点でかなりのボリュームなので致し方ないところか。
10年来のミス、とまで書いているのは余程悔しかったのだろう。
もう一つのストーリーについて続編を匂わせているので期待したい。

しかし、絵だけでなく自らの正体においても後世これだけ楽しませてくれる写楽の魅力は本当にすごいと思ってしまう・・。

読了日:2010.8.17
★★★★☆

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2010年8月19日

ruru (10:41)

カテゴリ:国内ミステリー島田 荘司

『ロロ・ジョングランの歌声』松村 美香

ロロ・ジョングランの歌声ロロ・ジョングランの歌声
(2009/03/06)
松村 美香

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菜々美の従姉妹稔は、東ティモール独立騒乱の中で命を落としていた。 稔の後を追って記者となっていた菜々美は、地震取材でインドネシアを訪れる。 日本のODAの歴史と現在、政治と経済を追って行く中で、稔の死の真相も明らかになってくる。 第1回城山三郎経済小説大賞受賞作。

大分前に新聞広告で見かけて気になっていた本をやっと読んだ。
インドネシアが舞台で遺跡名がタイトルになっているのも惹かれるし、内容がODAを巡る政治と経済というのにも興味津々である。

重厚なテーマを扱っているようですいすい読めてしまった。
国際協力の歴史や実情を描いているものの、主軸は主人公の私的な調査と恋愛にあるので思っていたほどODAについてばかりの話ではなかった。
しかしルポではなく小説なのでこの位の扱いが丁度良いところかもしれない。

稔の死の真相や菜々美の恋愛・人間関係に国際協力が上手く絡んでくる構成は巧い。
経済小説・恋愛小説・フェミニズム小説のように様々な要素を持っているがどれもバランスよく収まっている。

どれか一つの要素を期待して読むと薄味に感じるかもしれないが、エンタテイメント性は十分で、読みやすく面白かった。

援助やボランティアが単純に良心だけで回らないところは理解できつつも残念。
そういった現状を改めて考え直すきっかけになるかもしれない。

概観してみると、国際協力やボランティア事業は政治や経済を映す鏡のようである。
政府にとっては重要な外交戦略であり、世界史の中にこそ存在する。
(中略)
やはりこれは双子なのだろうか。
車の車輪・・あるいは、ジキル博士とハイド氏のような、人間の裏表なのだろうか。
人は破壊し、人は創造する。
壊さなければ復興はない。


作中でインドネシアの名作『人間の大地』(プラムディヤ・アナンタ・トゥール)に触れていた。
以前とても感動した本なので懐かしくなってしまった。
インドネシアが植民地支配から独立していく過程を一人の少年の目を通して描いた作品。
圧倒的な差別を作り出すのも人間なら打ち壊すことができるのも同じ人間だけなのだというパワーを感じることができる。
こちらもオススメ。

人間の大地 上 (プラムディヤ選集 2)人間の大地 上 (プラムディヤ選集 2)
(1986/01)
プラムディヤ・アナンタ・トゥール

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人間の大地 下    プラムディヤ選集 3人間の大地 下  プラムディヤ選集 3
(1986/01)
プラムディヤ・アナンタ・トゥール

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読了日:2010.8.13
★★★★☆

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2010年8月16日

ruru (12:37)

カテゴリ:国内小説一般その他の作家(一般)

『エコール・ド・パリ殺人事件 レザルティスト・モウディ』深水 黎一郎

エコール・ド・パリ殺人事件 レザルティスト・モウディ (講談社ノベルス)エコール・ド・パリ殺人事件 レザルティスト・モウディ (講談社ノベルス)
(2008/02/08)
深水 黎一郎

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エコール・ド・パリの画家たちを愛する画廊の社長が自宅屋敷で殺された。 部屋は密室となっており、高額な絵画は全てそのまま残されていた。 犯人の動機と密室の謎とは?

"芸術論と本格推理をクロスオーバーさせた渾身の一作!"と裏表紙にあったのでつい手に取ってしまった。
しかし久しぶりに読むのが苦痛な作品だった。
何度も止めようと思いながら、美術的関心によりなんとか読了にこぎつけたという感じである。

芸術論は読める。
エコール・ド・パリとミステリという組み合わせもアイディアとして良いと思う。

画廊主人の豪華な屋敷、数々の名画、訳有りの関係者たちに密室殺人。
殺人現場に流れていたオペラ・・確かに芸術と本格ミステリを融合しようとしている意図はわかるのだが、豪華なパーツをたっぷりかき集めているものの組立がまずい。

まず会話の言い回し、場面展開などの日本語文章に気になるところが多く、終始眉をひそめて読み進める始末。
人間の上下関係や警察の捜査手法にも違和感がある。
読みやすく面白くしようとしているのかもしれないが、事件にも人物描写にもつながらないどうでもいい会話が多すぎるのが一番苛立つ。

登場人物も無駄に多い。
たいして意味を成さない捜査員にいちいちスポットを当てる必要があるだろうか。
逆に容疑者となり得る事件関係者の描写が少なく、広がりを感じない。

雰囲気は感じるが深みはないという感想。
絵画が好きなら読んでみてもいいかもしれないが・・。

読了日:2010.8.
★★☆☆☆

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2010年8月13日

ruru (12:38)

カテゴリ:国内ミステリーその他の作家(ミステリー)

『晩鐘 続・泣きの銀次』宇江佐 真理

晩鐘 続・泣きの銀次晩鐘 続・泣きの銀次
(2007/11/16)
宇江佐 真理

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『泣きの銀次』続編。前作から10年。 十手を返して一介の商人となった銀次だったが、ふとしたことでかどわかされた娘を救うこととなる。 連続かどわかしの下手人を追って再び岡っ引きとなった銀次の活躍を描く。


前回まあまあハッピーエンドで終わったのに、続編は入りから暗い雰囲気が立ち込めている。
月日が経てば状況が変わるのは当たり前だが、銀次は落ちぶれ、下っ引きだった政吉との信頼関係も崩れ落ちているのが寂しい。

魚のアラにむしゃぶりつく銀次一家の現在・・。
この状況からどう展開していくのか早々に不安になってしまう。

しかし、生活感溢れる背景だからこそ市井に生きる人々の息遣いを身近に感じることができるというのもある。
人生は浮き沈み、生活環境や人間関係が都度変化していくのは当然のこと。
物語であってもしっかり現実的なところが宇江佐作品の魅力であり、ほんのり憎らしくも感じるところなのである。

お菊や和平・啓次郎兄弟などの新たな登場人物たちも物語に溶け込んで良い存在感を持っているし、銀次の子供たちや勘兵衛の息子慎之介の活躍も知ることができるのはまた別の楽しみとなる。

安定した大店の元若旦那でもなく、韋駄天とよばれた足の早さはもうないが、泣きだけは健在。
人柄で周りを巻き込みながら下手人に迫っていく姿は前作同様"泣きの銀次"だった。

銀次の若い頃の大活躍をもっと見たかった気持ちはあるが、10年後を覗けただけでも良かった。

読了日:2010.8.
★★★★☆

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ruru (11:26)

カテゴリ:国内小説一般宇江佐 真理

『余寒の雪』宇江佐 真理

余寒の雪 (文春文庫)余寒の雪 (文春文庫)
(2003/09)
宇江佐 真理

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男髷を結い、女剣士として藩に召抱えられることを夢見て稽古に励む知佐。 行く末を心配した両親に無理やり同心鶴見俵四郎との縁談を画策される。 納得できず断りを入れる知佐だったが、俵四郎の息子松之丞との交流を通して徐々に心が揺れ始める。 表題作『余寒の雪』他人情小説短編集。

『余寒の雪』は表題作になるだけあって、知佐の女心が繊細に描かれていてじんとくる。
宇江佐さんらしい丁寧な筆致でしみじみと読ませてくれる。
珍しくふんわりとした内容なのも落ち着いて読めて良かった。

『紫陽花』も複雑な女心を見事に描いている。
元遊女で今は大店の内儀となったお直が、遊女仲間梅ヶ枝の死をきっかけに彼女に抱いていた親しみ・羨望・同情・競争心など複雑な思いを蘇らせる。
平安な暮らしを手に入れたはずのお直が吉原から出ることもなく死んでいった梅ヶ枝を見送りながら感じた思い。
女性ならではの心理描写の巧みさを感じることができる作品。

その他の作品も主人公が武士であったり町人であったりと趣は全く異なるが、人情の機微を切々と感じることができる上質な短編集だった。

読了日:2010.8.8
★★★★☆

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2010年8月11日

ruru (21:58)

カテゴリ:国内小説一般宇江佐 真理

『ゆんでめて』畠中 恵

ゆんでめてゆんでめて
(2010/07)
畠中 恵

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屏風のぞきが行方不明に! あの時違う道を進んでいれば・・若旦那は後悔に苛まれながら屏風のぞきを探し続ける。 しゃばけシリーズ第九弾。


ゆんで=弓手(左)
めて=馬手(右)
というわけで今回のタイトルは『ゆんでめて』となっている。

右へ行くか左へ行くかで人生は大きく変わる。
人生の岐路を題材に現在→3年後→2年後→1年後そしてまた現在と話が進むのだが、読んでいる途中では疑問や違和感でいっぱいである。

私としては、それぞれの話を楽しみながらも「まさか屏風のぞきが・・!」との不安だけが心を満たしていた(苦笑)

読者を煙に巻こうという趣向はイヤというほど読み取れるのだが、どういった着地をするのか想像が付かなかった分読み終えて納得・満足が出来て良かった。

若旦那の恋愛らしきストーリーもあって期待感も高まったが、この結末だとどうなることか。
今後何がしかの形で発展が見れるかもしれないが・・。

最近はまっている宇江佐さんの時代小説とはまた趣が違い、軽快かつ滑稽な江戸ファンタジー。
漫画的なノリでスイスイ読めて感情移入もしやすい。
やはりしゃばけはしゃばけで面白いのである。

読了日:2010.8.8
★★★★☆

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2010年8月10日

ruru (20:33)

カテゴリ:国内小説一般畠中 恵

『影踏み』横山 秀夫

影踏み (祥伝社文庫)影踏み (祥伝社文庫)
(2007/02)
横山 秀夫

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寝静まった民家に押し入るプロの"ノビ師"真壁修一が二年の刑期を終えて刑務所から出所してきた。 真壁は逮捕時に忍び込んでいた民家の女のことが気になり、その後の様子を調べ始める。女は夫を殺そうとしていたのだ・・。

まず15年前に焼け死んだ双子の弟啓二の声が常に聞こえるという設定に違和感があった。
横山秀夫もこんな非現実的な書き方をするのかと驚いてしまった。

ありそうと言えばありそうな設定なのだが、横山秀夫の作品ということで納得がいかないのかもしれない。
いつもならスルスルとその世界観に引き込まれてしまうのに、一歩引いた気持ちのまま読み終わってしまった。

主人公真壁が事件に巻き込まれたり自ら頭を突っ込みながら解決をしていく連作短編集の形である。
各話ごとに読み応えもあるし、全体としての流れも良い。

"影踏み"というタイトルを考えると、真壁の心の葛藤から解決までもがしっくりまとまっており、やはり巧いなあと思うのだが、横山作品の中では何となく入り込みきれないところがあって珍しく手放しで絶賛とはいかなかった。

読了日:2010.8.7
★★★★☆

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2010年8月 9日

ruru (20:05)

カテゴリ:国内ミステリー横山 秀夫(ミステリー)

『深追い』横山 秀夫

深追い (新潮文庫)深追い (新潮文庫)
(2007/04)
横山 秀夫

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交通課事故係主任の秋葉は、事故現場で被害者のポケベルを拾う。 被害者の妻は死んだ夫に向けてポケベルにメッセージを送り続けていた。 その妻がかつて思いを寄せていた同級生だと知った秋葉は、彼女の家を訪ねるようになり・・。 三ツ鐘警察署を舞台に組織に生きる男たちの苦悩を描く連作短編集。

事件がどうこういうよりは、野心・保身・疑心渦巻く組織内での男の人生ドラマという趣である。
警察でなくても当てはまりそうでありながら、やはり内に外に求められることは多く、特殊な縦割り社会の警察が舞台ということで緊張感はイヤでも高まっていく。
今回は更に警察署に住居も隣接しているという閉塞感が加わっているが、この圧力たるや想像しただけで息が詰まってくる。

そんな環境下での様々な立場の警察官たちの心情を描いている作品集だが、大きな見せ場や抑揚があるわけではない。
淡々と事件を追い、疑問を持ち、どう行動していくのかを一人の人間として描き出している。

どれが1番というのもないが、心に残ったといえば左遷された男の葛藤とプライドが描かれた『訳あり』、大人の上下関係が子供たちに影を落とす親の苦悩を描いた『仕返し』だろうか。

いくつかの出来事が絡み合って一つの結末を迎えていく鮮やかさ。
心の深いところまで切々と響いてくる複雑な人間心理。
常に主題にブレがなく、これ以外の結末はないだろうという落ち着きをもって本を閉じることができる。

毎度のことながら横山秀夫の作品は巧いと感嘆するしかない。
この作品も上質で素晴らしい作品だった。

読了日:2010.8.6
★★★★★

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『泣きの銀次』宇江佐 真理

泣きの銀次 (講談社文庫)泣きの銀次 (講談社文庫)
(2000/12/08)
宇江佐 真理

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妹のお菊を殺した下手人をあげるため、大店の若旦那の地位を捨てて岡っ引きになった銀次。 死体の前では人目もはばからず泣くことから"泣きの銀次"と呼ばれていた。 死体が怖くて泣くのではない、人の命を大事と思うから涙が出るのである・・。 そんな銀次や同心表らは、長年学者の叶鉄斎に目を付け追い続けている。 江戸が舞台の人情捕り物帳。

結構な大店の若旦那だった銀次だが、今ではすっかり市井の暮らしに染まっている。
お金持ちの岡っ引きというのも珍しいが、話の展開に実家が大きく関わってくるので必然の設定か。

妹殺しの下手人と思われる鉄斎の素性にはなかなかたどり着けず、結婚を決めたお芳の行方もわからなくなる中で、一途に事件を追いお芳を思う銀次の心根が良い。

数々の捕り物帳ではなく基本的に一人の下手人を追い続ける長編ということもあって"泣きの銀次"たる泣きのシーンはあまり見られないのだが、銀次の人となりはよく現れていた。

猟奇的な事件が色々書かれているので多少心が乱れるが、全体的には人情味溢れる作品で宇江佐さんらしい作品だったと思う。

読了日:2010.8.5
★★★★☆

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2010年8月 8日

ruru (12:45)

カテゴリ:国内小説一般宇江佐 真理

『紫紺のつばめ―髪結い伊三次捕物余話』宇江佐 真理

紫紺のつばめ―髪結い伊三次捕物余話 (文春文庫)紫紺のつばめ―髪結い伊三次捕物余話 (文春文庫)
(2002/01)
宇江佐 真理

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文吉はかたぎになって髪結いの伊三次と所帯を持つことを夢見ていたが、芸者の意地から材木商伊勢屋忠兵衛の援助を受けることを決意する。 連続幼女殺しを追っていた伊三次は忠兵衛の娘を連れた文吉を見かけてしまい、二人の心はすれ違っていく・・。 "髪結い伊三次捕物余話"第二弾。

『幻の声』から続けて一気に読了。
伊三次と文吉の恋が早々に暗礁に乗り上げるのでハラハラしてしまったが、一応収まったので安心した。

フワフワと他人事の事件を扱わないのが宇江佐流。
次々と身内や親しい人々が不幸に巻き込まれたり救われたりの人情事件簿が真骨頂だが、今回はなんと伊三次自らが下手人の疑いをかけられて投獄されてしまう有様である。

リアルでシビアなストーリーは女流作家らしい。
正義感や情熱で動く勧善懲悪の時代小説もすっきりして面白いが、白黒つかない人間の曖昧な内面にスポットを当てた作品もまた興味深いものがある。

愛があっても金のない伊三次と文吉の恋は遅々として進まず、武士と町人という身分を越えた信頼関係はグラグラと揺らぐ。
積み上げたと思ってはもろくも崩れ、また積みなおすことで強固になっていく人間関係。
深まっていく人の心の触れ合いに心がしっとり潤ってくる。

読めば読むほど離れらなくなる極上の時代小説。

読了日:2010.8
★★★★★

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2010年8月 7日

ruru (17:26)

カテゴリ:国内小説一般宇江佐 真理

『幻の声―髪結い伊三次捕物余話』宇江佐 真理

幻の声―髪結い伊三次捕物余話 (文春文庫)幻の声―髪結い伊三次捕物余話 (文春文庫)
(2000/04)
宇江佐 真理

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廻り髪結いをしながら同心不破の手先として働く伊三次の願いは、金を貯めて床を持ち、深川芸者の文吉と所帯を持つことである。 ある時成田屋の娘がかどわかされ大金を取られるという事件が起こる。 下手人は彦太郎という無宿者に間違いないのだが、情婦の芸者駒吉が自ら名乗り出てきて裁きを受けようとする。 不破や伊三次らは駒吉の心情を探ろうと江戸の町を奔走するが、容易に明らかにはなってこない。 駒吉は何故男の罪をかぶろうとするのか?伊三次は牢内の駒吉の髪を結いながら本心を聞くこととなる。 表題作『幻の声』他髪結い伊三次の人情捕物帖。

宇江佐さんデビュー作にして今も続く"髪結い伊三次捕物余話"シリーズ第一弾。
さすがに『幻の声』はやや筆運びが固い気はするが、1作目とは思えない完成度である。

髪結いの伊三次、深川芸者の文吉、北町奉行所定廻り同心の不破という主要人物は勿論、周りを固める脇役たちも個性豊かで、厳しさややるせない生活の中にも温かい人情を感じることができる物語ばかりとなっている。

事件が主軸にはあるものの、どちらかというと伊三次の心の動きに気を取られてしまうことが多い。

同心の手先として動くことに納得しないまま不破たちや事件と深く関わっていってしまう伊三次。
文吉の世話になろうとせず、床を持つことにこだわる男の意地と焦燥感。
そんな伊三次をはがゆい気持ちで見守る文吉。
二人の今後が気になって仕方がない。

同心・町人・芸者などと立場は異なる登場人物たちが、それぞれ抱える問題や心情を浮き彫りにしながら心を通わせていく様子が瑞々しく描かれている。
彼らとこの世界観に引き込まれて読後も心が江戸の町から離れない。

読了日:2010.8
★★★★★

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ruru (14:59)

カテゴリ:国内小説一般宇江佐 真理

『幽霊刑事』有栖川 有栖

幽霊刑事 (講談社文庫)幽霊刑事 (講談社文庫)
(2003/07/15)
有栖川 有栖

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刑事の神崎達也は上司の経堂に射殺され、気付くと幽霊になっていた! 殺された動機もわからず自ら事件の裏を探ってみるのだが、今度は経堂が密室で殺されてしまった。 一体犯人は誰で何のために自分を殺したのか?

作者にしてはやや毛色が違う印象のミステリだ。
まず幽霊が探偵役というのは、ありがちな設定ながら有栖川有栖っぽくないような気がする。
推理劇を小説化したからだろうか。
どちらにしろ序盤の幽霊の説明のくだりは冗長的でやや飽きてしまった。

やっと相棒を見つけて動き出してからはスムーズに展開してくれた。
真犯人がわかっていながら検討もつかない動機、事件の背景などがなかなか見えてこず、焦らされるのが楽しい。
結末は意外なところから真相が飛んできたが、すんなり納得することはできたので良かったのだろう。

ただラブストーリーと言うには色気がない。
二度と触れることができない恋人への思いが度々描かれるが、どうも紋切り型で情を寄せることができない。
恐らく須磨子の人物像が固いからなのだが、容疑者の幅を広める為に仕方なかったところか。

主要な登場人物である刑事たちはそれぞれ特色もあって良かった。
早川の存在が物語全体に明るさをもたらし読みやすくしている。

推理としては雑多に広がっていった印象も否めないので、もう少しコンパクトに結末に向けてまとまっていってくれても良かったとは思うが、全体的には面白く読むことができた。

読了日:2010.8.3
★★★★☆

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2010年8月 4日

ruru (00:24)

カテゴリ:国内ミステリー有栖川 有栖

『第三の時効』横山 秀夫

第三の時効 (集英社文庫)第三の時効 (集英社文庫)
(2006/03/17)
横山 秀夫

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殺人事件の時効成立直前、犯人からの接触を期待して被害者遺族に張り付く現場の刑事たち。 海外渡航分の時効のズレを利用して犯人逮捕を目論むが、班長の楠見だけは第三の時効を仕組み全く別の視点で犯人逮捕を成し遂げようとしていた・・。 表題作他F県警強行犯シリーズ連作短編集。

秀逸。
さすが横山秀夫である。

F県警強行犯は、我流を貫く朽木率いる一斑・策略を巡らす元公安楠見率いる二班・鋭い勘で事件を読む村瀬率いる三班から成り立っている。
3人をなかなか御しきれない課長の田畑、常人離れした班長に挑みあしらわれる班員ら・・と周りを固めるメンバーにもスポットを当てながら話は進む。

ブレのないしっかりとした人物設定と濃密な人間関係に穴はない。
ついつい引き込まれてしまい、各話ごとに次々と主人公が変わっても違和感なく作品にのめりこんでいける。

極端な設定の班長らも、時折見せる素顔が良い演出をしていてくどさを感じないところが素晴らしい。
検挙率九~十割のマイペース刑事が3人も揃うなど、空回りのハードボイルドになりそうな設定も気にならないのは巧みなストーリー展開のおかげだろう。

勿論扱う事件もよく練られていて面白いのだが、卓越した心理描写によって強行犯メンバーの内面に同化してしまうため、ミステリ的な要素よりも、キリキリと胃を痛めつけるような人間心理に心が占領されてしまう。
まるで自分が班員でもあるかのように物語に入り込んで一気に読んでしまった。

甲乙付けがたいが、一番良かったのは『囚人のジレンマ』だろうか。
課長の田畑を主人公に据え、3つの事件を同時進行で進めながら強行犯メンバーら全体を見渡す作りが素晴らしかった。

続編が書かれているらしいが、単行本化はされていないようだ。
続きも是非読んでみたいので発売を望む。

読了日:2010.8.2
★★★★★

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2010年8月 3日

ruru (22:53)

カテゴリ:国内ミステリー横山 秀夫(ミステリー)

『ペルシャ猫の謎』有栖川 有栖

ペルシャ猫の謎 (講談社文庫)ペルシャ猫の謎 (講談社文庫)
(2002/06/14)
有栖川 有栖

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ペルシャ猫と暮らす男が自宅で襲われた。 朦朧とする意識の中で彼は犯人がペルシャ猫を連れて逃げる姿を見たのだが・・。 表題作他火村・有栖川コンビによるミステリ短編集。

国名シリーズは結構読んだような読んでいないような・・それとも忘れてしまったような曖昧な作品群。

今回はペルシャというわけだが、短編集ということもあってテイストもバラバラ、質もバラバラと言う感じである。
実験的に色々書いているのかもしれないが、まとめて文庫化するのであればもう少しまとまりがあってもよいのではないだろうか。

表題作『ペルシャ猫の謎』は個人的にはこれはないだろうという感想。
しかし作者自身あとがきで「図太くなった」と書いてあるように、どう思われようが書きたかったのだろうからこれはこれで良いのかもしれない。
ただこちらが表題作になっていることで期待を煽っているし、最後に収録されていることで本全体の読後感をまずいものにしているのは否めないだろう。

『切り裂きジャックを待ちながら』はまあまあ納得だし、『わらう月』『暗号を撒く男』などは作者らしいパズル的なミステリだったと思うのでまずまずのところか。

『赤い帽子の男』がこの中では1番面白かった。
若干語り足りていない気がしたが、ミステリらしい作りで先が気になった。
警察内部で発行される雑誌に連載されたという経緯が興味深い。

全体的には首をかしげる読後感だが、火村&有栖川探偵が定着しているせいか、失望するわけでもない。
今回はこういう流れかと淡々と感じただけである(苦笑)

さらりと読める読みやすい短編集ではある。

読了日:2010.8.2
★★★☆☆

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ruru (11:23)

カテゴリ:国内ミステリー有栖川 有栖

『江戸ごよみ十二ヶ月―季節とあそぶ 旧暦でめぐる四季のくらし』

江戸ごよみ十二ヶ月―季節とあそぶ 旧暦でめぐる四季のくらし (ものしりミニシリーズ)江戸ごよみ十二ヶ月―季節とあそぶ 旧暦でめぐる四季のくらし (ものしりミニシリーズ)
(2007/09)
不明

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江戸の生活を毎月の行事や風習を題材に紹介している本。

江戸の暮らしを説明する本は多々あるが、月ごとに解説と言うのが面白い。

例えば、睦月は元旦登城や新年の挨拶回り、如月は火事や病気について、ひな祭りに潮干狩り・・とピックアップした題材から江戸の常識や庶民の日常生活の説明へと話を広げていく作り。

浮世絵や古地図、資料写真なども満載なので読みやすいのも良かった。

今以上に季節や行事を楽しんだであろう江戸っ子たちの生活を具体的に想像できて楽しかった。

読了日:2010.7
★★★★☆

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ruru (10:02)

カテゴリ:歴史・民俗

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