2012年1月アーカイブ

『江戸の検屍官 闇女』川田 弥一郎

北奉行所の同心である北沢彦太郎は検死を担当している。 医師の玄海、女絵師のお月と共に検死を行い、江戸で起こった事件の真相を探っていく。

高瀬理恵さんのコミックス『江戸の検屍官 』を読んでいたので、原作も読んでみたいと考えて購入。
後から解説で知ったのだが、色々な出版社から数冊発行されているという複雑なシリーズらしい。
これ1冊と思い読み始めたのに全くストーリーが違うので、漫画はオリジナル色が強いのかと思ったがどうやら違うようだ。

江戸時代の検死というテーマが面白い。
銀簪や握り飯をのどに押し込んで毒性を見たり、死体の状況から死因を探ったり。
この漫画・小説を知るまで江戸時代に検死方法が確立していたという考えが頭になかったので新鮮だ。

綿密な描写は作者が外科医と知って納得。
処女でありながら枕絵師という複雑なお月の設定は何故なのかよくわからないところがあるが、役人で真面目な彦太郎、女好きだが腕の良い医師玄海とのコンビはバランスも良くて読みやすい。

本筋のミステリ部分が長すぎて、最後判明する真相にあまり興味が持てなくなってしまったが、経緯の検死や推理の部分で十分楽しめる。
連作短編の方が面白いかもしれない。
シリーズの他の作品も読んでみようと思う。

読了日:2012.1
★★★★☆

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2012年1月27日

ruru (20:26)

カテゴリ:国内小説一般その他の作家(一般)

『暮らしのさじ加減―ていねいでゆっくりな自分にちょうどいい生活』金子 由紀子

シンプルライフの提案で御馴染み金子由紀子の暮らし方本。

読み始めて思い出したのだが・・個人的にはこの方あまり好きでなかった。
かばんはいくつ、靴はいくつと決めてだめになるまで使い・・といった究極シンプル。
私はそれでは寂しい。

シンプルに、エコに、スローに、というコンセプトは好きだが、この方の場合は行き過ぎているというか、私から見ると潤いが少ないように感じる。
もちろんこだわりがあることにはお金も時間も使って・・と定番のお話もある。

文章が硬いからかもしれないが、生真面目で頑固な印象を受けて少々疲れてしまった。
こういった暮らし方本はゆるい気持ちで読みたいので私にはあまり合わなかった。

私の場合、基本シンプルにはいきたいけれど無駄にこそ人生の喜びがあるとも考えるのであまりピンと来なかったが、消費生活に疲れ切っていてとにかくシンプルに暮らしたいという人は開眼できるかもしれない。

読了日:2012.1
★★☆☆☆

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2012年1月26日

ruru (20:06)

カテゴリ:エッセイ・随筆・対談

『コワ~いネットの話』別冊宝島編集部

命にかかわるほどのネット犯罪、自ら陥るネット廃人、金銭的な詐欺に精神的苦痛を伴う嫌がらせなど・・・いまや欠かせなくなったインターネットの中での怖い話を集めている。
様々な被害者たちの被害内容とインタビュー風記事による構成。
いかにも宝島らしい作りの軽い本なのだが、書店で立ち読みしていたら止まらなくなったので買ってしまった。

最近はSNSなどに参加していて当然という風潮があり、あまりネットに詳しくない人も簡単に始めて無防備に使用しているのが一番怖い。

ITジャーナリストの井上氏のインタビュー「ネットを現実世界と思えば犯罪には巻き込まれない」が一番納得。
個人情報を首から下げて歩いている人はいないのに、ネット上には簡単に公開してしまっている人が多い。
自分も気をつけなくては。

読了日:2012.1
★★★☆☆

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2012年1月25日

ruru (10:06)

カテゴリ:社会・ルポ・ノンフィクション

『獣の奏者 1闘蛇編』『獣の奏者 2王獣編』上橋 菜穂子

エリンは闘蛇衆の村に暮らす少女。 母は霧の民ながら優れた獣ノ医術師として闘蛇の世話を任されていたが、闘蛇の死の責任を取って処刑されることとなる。 母の最期の力で生き延びたエリンは、蜂飼いのジョウンに助けられ、獣ノ医術師を目指すこととなる。 カザルム学舎で王獣の子リランと心通わせるようになったエリン。 圧倒的な力を持つ王獣を意のままにできるとして、エリンは王国内の陰謀に巻き込まれていく・・。

『精霊の守り人』上橋さんのファンタジー小説。

兵器として飼われている闘蛇に対し、王獣規範によって丁重に守られている王獣。
しかし王獣こそが闘蛇の天敵であり、獣たちを利用した恐ろしい争いの歴史を封印するために王獣規範が存在していたことを知るエリン。

人と獣はどこまで近づくことができるのか。
上橋さんは結構シビアなので、想いが強ければ獣にも気持ちが届くといった単純な展開はさせていない。
近づいたり遠のいたり・・異種の生き物があるべき本来の姿を忠実に、それでいてエリンの成長を繊細に描いている。

リランのことをもっと知りたいというエリンの純粋な情熱は、政治と争いへ利用されていく。
その時エリンはどのような行動を取るのか。
異端である霧の民を母に持ち、10歳で母の処刑を目の当たりにしたエリンは、冷静さと頑固さを持ち合わせた少女である。
信念を貫くエリンを待ち受けている道は、険しいが決して暗いものではない。

一応この2冊で完結ということで、未来を感じさせる素晴らしい終わり方だったと思う。
『精霊の守り人』シリーズも段々テンションが落ちていってしまったので、広がりを持たせたまま終わられた方が余韻があって良い。
和製ファンタジーも捨てた物じゃないと思える。

しかしその後出た続編があるらしい。
世界観に浸ったまま続編があると知れば欲しくなるのは当然なのだが、どうも納得しがたい展開をしているようなのでここでやめておくつもり。(そのうち読んでしまうかもしれないが)

普通続編というのはファンにはたまらないもの。
ただし、思わぬ方向へ進まれてしまうのなら読まずにおきたいと思ってしまうのもファン心理。

読了日:2012.1
★★★★★

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2012年1月24日

ruru (11:55)

カテゴリ:国内小説一般上橋 菜穂子

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