『鳥学の100年』井田 徹治


上野の国立科学博物館「鳥類の多様性 日本の鳥類研究の歴史と成果」関連書籍として読んでみた。

明治45年に創立された日本鳥学会の歴史や鳥学の軌跡、絶滅危惧種を守る研究についてなど。

外国に先行されていた鳥学に最初に力を入れたのは、研究資金に余裕のある皇族や華族だったそう。
庭の池に降り立つ鴨を研究したり海外へ出かけたりと資金力があった方が優位であるし、興味も持ちやすい学問だったのだろう。

これを読んで日本の鳥類研究の中心である山階鳥類研究所を知らなかったことが恥ずかしくなった。
私財を投げ打ち、鳥に捧げた研究者たちの情熱は本当に素晴らしく、胸を打たれる。

絶滅危惧種を守るには大変地味で根気の要る作業が必要だ。
コウノトリと人間・牛が共に写る写真が象徴として掲載されているが、これは衝撃的。
それほど遠くない過去には共存できていたのに何故今できないのか・・。

淘汰も自然の現象ではあるが、守れるものは守りたい。
写真を撮るためにシマフクロウを追い回すことで数が減少したという記述があった。
珍しい鳥をカメラに収めたい気持ちは良く分かるので、悪気ない行為でも自然を犯す可能性があるのだということを肝に銘じたい。

一般向けに書かれたということで、特に専門的な内容にはなっていない。
鳥に興味がある人なら興味深く読めるだろう。

読了日:2012.12.
★★★★☆

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2012年12月11日

ruru (15:40)

カテゴリ:その他

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