2013年2月アーカイブ

『歌舞伎のびっくり満喫図鑑』君野 倫子

着物や小物、舞台など裏側から歌舞伎を解説した一冊。
市川染五郎が監修なのでところどころ登場している。

着物は何となくのイメージしかないので、じっくり写真で鑑賞できるのは楽しい。
能の衣装もそうだが、やはり普通の着物の柄とは全く違う舞台用。
細かいところまで凝っていて面白い。

よくある歌舞伎本と少し違う視点なのが良かった。


読了日:2013.2.26
★★★★☆

↓ブログランキング参加中です。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

タグ

2013年2月28日

ruru (14:39)

カテゴリ:その他

『連殺魔方陣―天才・龍之介がゆく!』柄刀 一

吾妻達臣の招きで、大富豪亀村家の晩餐に招かれた光章・龍之介・一美の一行。
亀村家の祖先は九星気学に関わっていたという旧家だ。
クセの強い一族が揃う晩餐の席で、達臣の義父忠一が突然倒れる。
それは禍々しい連続殺人の幕開けだった・・。

シリーズ二作目の長編。
第一の事件から第二の事件までがやや冗長的な気はしたが、後半はスピードアップしていく。

今回は魔方陣が大切な鍵となってくる。
所々挟まれる九星気学や魔方陣の解説には気が遠くなりそうだった。
うまく殺人事件と絡んでくる重要な要素ではあるのだが、理解するのに少々頭を使う。

このオタクっぽさがこのシリーズの良さではある。

初めて取り入れたという視点描写シーン。
このおかげで犯人の想像がつき、驚かされる。
禍々しさが増す効果があるし、もっとあっても良かったかもしれない。

達臣は前回は恋人を殺され、今回は義父を殺されと散々な立場だが、悲惨さ0の爽やか芸能人という不思議な脇役。
事件の幅が広がりそうなので、再々登場もありそうな予感。

あとがきにはミステリとしてだけでなくパズルや数学雑学も楽しんで欲しいとあるが、確かに盛りだくさんの一冊だった。


読了日:2013.2.27
★★★★☆

↓ブログランキング参加中です。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

タグ

ruru (14:33)

カテゴリ:国内ミステリー柄刀 一

『殺人現場はその手の中に―天才・竜之介がゆく!』柄刀 一

秋田市へ転勤となった光章は、東京から訪ねてきた一美と龍之介を自分が担当する広告撮影現場へと案内する。
クライアントは携帯の着信イルミネーションの会社だったが、現場で龍之介は"死"という文字が浮かび上がるのを目撃。
翌日その会社の社員高輪和が事故死する。
高輪和は以前"死"という文字が見えたことを気に病んでいたという・・。

なんと秋田が龍之介が実現させようとしている学習プレイランドの候補地に。
公募していたはずだがどういう理由で秋田になったのか気になるところ。

最初の事件で候補となる建物を発見、次の事件ではその建物が舞台となり、三番目の事件は調査依頼先、最後は人材を求めて出かけた先で、と学習プレイランドの話は進んでいくものの次々事件に巻き込まれていく。

大筋があり、登場人物の再登場も多いのですっかりこのシリーズの世界観に慣れてきた。
理系謎解きは難しい時もあるが、その分素直にトリックを楽しめる。
できれば挿絵を全て図解にして欲しい・・。


読了日:2013.2.
★★★★☆

↓ブログランキング参加中です。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

タグ

ruru (14:02)

カテゴリ:国内ミステリー柄刀 一

『「ラスカル」の湖で―スターリング・ノース (名作を生んだ作家の伝記)』ちば かおり


アニメ『あらいぐまラスカル』の原作者(であり主人公でもある)スターリング・ノースの伝記。

ノース家のルーツや書物を愛した血筋、スターリングの生い立ちまで戻って細かに紹介されている。

母の死後、一人留守番をすることが増えた少年の一番の友達は動物たち。
なかでもあらいぐまのラスカルは思い出深かったため、『はるかなるわがラスカル』を記したらしい。

家族や町の風景、一人で作り上げたあのカヌーの写真まで載っていてラスカル好きにはたまらない。

あの頃は第一次世界大戦中で、アニメには登場しない兄は兵役についていたそう。
とてものどかな平和な時代の話のように思っていたので、ラスカルの好物角砂糖も配給だったという話に驚いた。

ラスカルと別れた後にポリオで足が不自由になったスターリング。
それでも文章力を生かして新聞記者として、作家として成功していく。

晩年はあらいぐまのいる森のそばの家を買い、観察を楽しんでいたという。

スターリングの作品は日本ではラスカルくらいしか紹介されていないが、随分本を出している著名な作家になったようだ。

最後にエジャトンにあるスターリングの家を修復した記念館の写真が掲載されているが、アニメの家そのままで胸躍る。

いつか行ってみたいが遠そうだ・・。


読了日:2013.2.24
★★★★★

↓ブログランキング参加中です。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

タグ

2013年2月25日

ruru (22:28)

カテゴリ:自伝・伝記

『武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新』磯田 道史


「金沢藩士猪山家文書」内には、37年にわたって完璧な家計簿が遺されていた。
算術で身を立てた金沢藩の下級武士一家の生活を詳細に読み解いていく。

猪山家の生活状況だけでなく、当時の物価や儀礼・交際など武士の必要経費、借金先などが見えてきてとても面白い。

衣服にはお金を使えなくとも儀礼費や交際費は削らないというのは武士のイメージに一致するが、おこづかいは女性の方が優遇されていたり、嫁に出した後も実家の負担が色々あったというのは意外に感じる。
出世して高給取りになってもらうために子供に算術の英才教育を施す辺りは、幕末という時代と算盤係の一家ならではか。

数字に強いが故、江戸の身分社会から明治の経済社会への変化を無事乗り切ったという猪山家は、今まで見聞きしてきた薩長藩士の出世や諸藩の没落武士とはまた異なる運命を辿っていて興味深い。

文章も読みやすく、わかりやすいよう現在のレートなども載っていて、歴史好き素人が気軽に楽しめる一冊となっている。


読了日:2013.2.25
★★★★★

↓ブログランキング参加中です。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

タグ

ruru (22:11)

カテゴリ:歴史・民俗

『告白』チャールズ・R.ジェンキンス


告白 (角川文庫)
チャールズ・R.ジェンキンス


北朝鮮による拉致被害者曽我ひとみさんの夫ジェンキンスさんによる手記。

生い立ちから北朝鮮へ入国した経緯、その後の生活、ひとみさんとの出会い、日本への脱出・・。

ご本人の力量か訳者や編集者の力量かわからないが、とても読みやすく内容も濃い。
全く想像もつかなかった北の生活が少し見えてきた気がする。

私は勝手にアメリカ人は優遇されていたのではないかと想像していたのだが、全く違ったようだ。
監視と盗聴による軟禁生活は、致命的な飢餓がない分一般国民よりはマシという程度。
逆に限定的ながら自らお金を稼ぐ手段もあったという自由度がちぐはぐで不思議に感じる。

色々な矛盾や理不尽さが渦巻くところがかの国ならではか。

また他の拉致被害者の方については、アメリカ人家族との交流が主であまり接点がなかったようなのでその点は残念に思う。
それでもおそらく書ける範囲でめぐみさんらの話を書いてくれている。

人権を完全に無視したひどい話が続くが(しかも全てが現実!)、ジェンキンスさんのひとみさんや娘さんたちへの愛情に救われるものがある。
家族を形成させることで落ち着かせようと言う策略の恐ろしさも感じるが、夫婦で寄り添う写真などを見ているとそこに幸せもあったのだとほっとできた。

本当に無事に帰国できて良かった。
あとがきによれば娘さんたちも日本の生活に馴染んできている様子。

これからは是非自由に幸せに暮らしていただきたい。

あとはただただ未だ帰れない被害者たちの帰国に何ができるのか苦しい思いが残るばかりだ。


読了日:2013.2.
★★★★★

↓ブログランキング参加中です。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ


タグ

ruru (21:40)

カテゴリ:自伝・伝記

『殺意は青列車(ブルートレイン)が乗せて―天才・龍之介がゆく!』柄刀 一


殺意は青列車(ブルートレイン)が乗せて―本格痛快ミステリー ノン・ノベル―天才・龍之介がゆく!
柄刀 一

龍之介の後見人中畑さんが乗ったミステリトレインが姿を消す。
一美はルートを知る関係者たちと共に車に閉じ込めらてしまう。
一美から携帯電話を通じて状況を知った光章・龍之介は、ミステリトレインの謎解きを始める・・。

前回長編になったが、再度短編連作集に戻った。

ブルートレインの他、黄色い部屋、白銀、黒い火の玉、赤い手紙と色をモチーフにしたミステリ集。

龍之介は祖父の遺産を教育施設の建設に使うことを決める。

そのために協力者を求めて移動する中事件が起こり・・という設定は巧くいっている。

しかし最後に光章の転勤が決定!

光章・龍之介・一美コンビはどうなっていくのか・・。

寂しくもあり楽しみでもある。

読了日:2013.2.
★★★★☆

↓ブログランキング参加中です。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

タグ

2013年2月22日

ruru (22:49)

カテゴリ:国内ミステリー柄刀 一

『十字架クロスワードの殺人―天才・龍之介がゆく!』柄刀 一


十字架クロスワードの殺人 ノン・ノベル―天才・龍之介がゆく!
柄刀 一

光章・龍之介は比留間家の長男長一の運転する車で崖から転落。
山小屋に避難して救助を待つ間に殺人事件が起こる。
一方一美が残った比留間邸でも殺人事件が。
その上一美は地下シェルターに閉じ込められてしまう。

龍之介シリーズ初の長編。

目次までクロスワードという懲りよう。

今回は光章・龍之介組と一美が別の場所で別の事件と向き合うこととなる。
別行動パターンは話が含むので良いと思う。

一美の推理の方は大分こじつけのようだったが、龍之介の博識による推理はいつものように面白い。

龍之介の財産もはっきりし、光章と一美の距離も近づいた様子。

今後の展開も楽しみ。

読了日:2013.2.
★★★★☆

↓ブログランキング参加中です。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

タグ

ruru (22:10)

カテゴリ:国内ミステリー柄刀 一

『謎解き 少年少女世界の名作』長山 靖生


謎解き 少年少女世界の名作 (新潮新書)
長山 靖生


誰もが一度は読んだことがある少年少女世界の名作についての評論。

なぜ日本でだけ『フランダースの犬』が人気なのか。
『王子と乞食』に秘められた民主主義への批判。
『十五少年漂流記』内での政治ゲーム・・。

単なる子供向けの本に見えても、そこには世情や著者の思想などが強く反映されているという内容。

全ての作品が馴染み深いものばかりであるので単純に面白い。

『少女パレアナ』の影響で"喜びクラブ"がアメリカ中で結成されたというのは驚いた。
あんなことに大人まで熱中したとは・・。

普遍的なテーマを描く作品もあるが、その時代だからこその意味を持つこともあるというのは真理だろう。
特に日本で取り上げられた時代背景は関係深いとは思う。

今回取り上げられている作品についての評論を目にすることがあまりないこともあり、こじつけのように感じるものも多々あるが、どれもそれなりに納得もできる。

読了日:2013.2.18
★★★★☆

↓ブログランキング参加中です。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

タグ

2013年2月20日

ruru (22:10)

カテゴリ:その他

『異国の父母―中国残留孤児を育てた養父母の群像』浅野 慎一, トウ岩


異国の父母―中国残留孤児を育てた養父母の群像
浅野 慎一, トウ岩

中国残留孤児を育てた中国の養父母たちの思いや現在(2004年当時)の生活などを取材したレポ。

日本人の子供を養育することになった経緯。
どのような生活だったのか。
帰国した養子たちへの思い。
現在の生活など。

14人の養父母にインタビューをしている。

戦後子供を生かすために捨てたり預けたりしなければならなかった日本人の親たちの苦悩にも、国籍を越えて子供を育て上げたものの離れて暮らさなければならなくなった現状を嘆く養父母たちの思いにも胸が痛くなる。

ほとんどの養父母たちは貧しく苦しい生活をしている。
日本に帰国した残留孤児たちも生活することで精一杯のため仕送りもままならないという現状は何とかならないものか。

養父母への支援というよりは、帰国した残留孤児たちへの支援にもっと力を入れておけば現在の色々な問題も回避できたはずだ。

教育を受け安定した生活を送っている残留孤児は肉親探しに無関心なまま中国に留まっているというのが現実的だった。
戦争が終わって70年近く経っている・・。

読了日:2013.2.
★★★★☆

↓ブログランキング参加中です。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

タグ

ruru (21:40)

カテゴリ:社会・ルポ・ノンフィクション

『あの戦争から遠く離れて外伝―「孫玉福」39年目の真実』城戸 幹


あの戦争から遠く離れて外伝―「孫玉福」39年目の真実
城戸 幹


 
『あの戦争から遠く離れて 私につながる歴史をたどる旅』は、娘が記したものだったが、こちらはご本人の自伝である。
重複した内容となってはいるが、やはりこちらの方が詳細なので2冊とも読んで損はない。

戦後中国残留孤児となった著者。
孫玉福(スンユイフー)として貧しくも愛情を持って育てられた子供時代、激動の中国政情、国籍の問題、日本への思い・・。

日本と中国で国交のなかった時代、自ら身元判明のために動くことはどれほど大変だっただろうか。

日本では高度成長を迎え戦後の復興も疑いなしという希望の時代に、不安定な政情の中国で"日本人"として暮らさねばならなかったという悲劇と現在までの道のりの苦労に胸が痛くなる。

運命の理不尽さを悔しく思い、母子の愛に泣きながら一気に読み終えた。


読了日:2013.2.
★★★★★

↓ブログランキング参加中です。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

タグ

ruru (19:00)

カテゴリ:自伝・伝記

『あの戦争から遠く離れて 私につながる歴史をたどる旅』城戸 久枝


あの戦争から遠く離れて 私につながる歴史をたどる旅 (文春文庫)
城戸 久枝
 
 

中国残留孤児の娘である著者が、父親の半生を追ったルポルタージュ。
第39回(2008年)大宅荘一ノンフィクション賞受賞作。

第一部は「家族への道[父の時代]」として、父親が中国残留孤児となった経緯、中国での生活、日本への帰国と新生活などが小説形式で綴られる。

貧しい生活の中で懸命に愛情を注いでくれた父母の愛や見守ってくれる大人たち、仲間たちの友情に胸が熱くなる。
人と人のつながりに国籍などは関係ないのだと痛切に感じる。
日本人であるだけで進学の道を絶たれ、監視を受け続けることの恐怖や無念さは計り知れない。

強まる帰国への思いと置いていく母への思いの板ばさみの心情も読んでいてつらい。

ノンフィクションでありながら運命の過酷さとそのドラマは素晴らしい大河小説となっている。


第二部は著者自身の中国との繋がりや父の半生に思いを馳せる「戦後の果て[私の時代]」。

第一部とは全く違う趣きなのだが、あまり違和感なく読むことができた。

私が一番驚いたのは、自分の父親が中国残留孤児だという感覚が薄かったという著者の言葉である。
後半に記されるように、多くの帰国した中国残留孤児は日本で苦しい生活を強いられている。
国の帰国事業が始まるより前に自ら日本赤十字社に訴えかけ、両親を見つけ出して帰国、日本語を猛勉強して生活に溶け込んでいった父親はとても特別な人なのだろう。

親のルーツを追うことは自分のルーツを追うことでもある。
著者は中国に留学して父の親戚たちと関係を深め、とうとう父親の育った村を訪ねていく。
中国での熱い歓待、突如吹き出る半日感情など自ら体験したリアルな中国や中国人についても描かれている。

戦争は終わってからも人を苦しめる。
戦後も長くなった現在、その苦しみを忘れがちなのではないか。

複雑な運命に引き付けられて一気に読めるし、考えさせられる良書だった。
ドラマ化していたようなのでそちらも観てみたい。


読了日:2013.2.
★★★★★

↓ブログランキング参加中です。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

タグ

ruru (18:20)

カテゴリ:社会・ルポ・ノンフィクション

『赤猫異聞』浅田 次郎


赤猫異聞
浅田 次郎

明治元年暮れに起きた江戸の火事で伝馬町の囚人たちが解き放ちになった。
重罪人の信州無宿繁松・白魚のお仙・旗本の息子七之丞は、解き放ちの際に「三人共々戻れば無罪放免、一人でも戻らなければ戻った者も死罪」と申し渡される。
一蓮托生となった三人だったが、それぞれの思いの中命を懸けて意趣返しに向かう・・。

江戸から明治へ時代が変わったばかりの混乱の中、火事の際の囚人たちの解き放ちが行われる。
これは戻れば罪一等を減じるが、逃げれば誰でも死罪と言う江戸の決まりごとである。

義理で牢に入ったものの何故か死罪とされた繁松、男にはめられて重罪人となったお仙、鳥羽伏見でも上野でも死に損ない官軍を斬って回っていた七之丞。
筋が通った傑物ながら恨みを抱える者ばかり。
彼らはそれぞれ意趣返しに向かうが、そこで見たものは・・。

御一新の混乱の江戸で「江戸の華」たる解き放ち。
「天下の御法はわが胸にあり」と忠義を尽くす男。

時代の変容に関わらず信念を貫く生き様には心打たれるもの。

義理人情あり、正義あり、涙ありで読み応えのある時代小説だった。
インタビュー形式の回想記となっているのも面白く、さすが浅田次郎である。

読了日:2013.2.
★★★★☆

↓ブログランキング参加中です。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

タグ

2013年2月 8日

ruru (15:41)

カテゴリ:国内小説一般浅田 次郎

『たましいの場所』早川 義夫


たましいの場所 (ちくま文庫)
早川 義夫


元ロックバンド・ジャックスのヴォーカルで、芸能界を引退後本屋を経営し、再びシンガーソングライターとして活動している早川義夫のエッセイ。

・・と言っても自分は世代的に全く知らなかった。
とても有名な歌手らしい。

表紙の犬や本好きのシンガーソングライターということに惹かれたというのが正直なところ。

日々の暮らしや音楽への思いなどが綴られている。

優しく繊細な内容だとも言えるが、くよくよしていてやや疲れる。
その気弱で不器用なところが魅力なのかもしれないが、個人的には元気がもらえたり感性に響くようなエッセイが好きなのであまり好みではなかった。

ファンの人が読むと感じることが違うかもしれない。


読了日:2013.1.
★★★★☆

↓ブログランキング参加中です。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

タグ

2013年2月 6日

ruru (00:15)

カテゴリ:エッセイ・随筆・対談

『PLAY プレイ』山口 雅也


PLAY プレイ (講談社文庫)
山口雅也

高名な外科医が愛する本当の家族は・・『ぬいのファミリー』。
インド駐在の家族が拾った不思議なボードゲーム。その日から息子は日々猿のようになっていく・・『蛇と梯子』。
ごみバケツの中で見つかった死体。どうやら大人の隠れ鬼サークルの活動中だったらしいが・・『黄昏時に鬼たちは』。
カスタマイズされたスナッフゲームを手に入れた少年は現実とゲームの世界を行き来する・・『ゲームの終わり/始まり』など遊びをモチーフにしたミステリ短編集。

ミステリと言ってもホラー系。
全面的にホラーではないのだが、無邪気な"遊び"と組み合わさる効果でどの話もすっと背筋が寒くなる。

ありきたりなようで終着点が読めない奇妙な展開が面白い。

この著者の作品はおそらく初めてだったが、独特の世界観に興味を持った。
他の作品も読んでみたい。

読了日:2013.1.
★★★★☆

↓ブログランキング参加中です。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

タグ

ruru (00:00)

カテゴリ:国内ミステリー山口 雅也

『さよなら、愛しい人』 レイモンド・チャンドラー、 村上春樹


さよなら、愛しい人
レイモンド・チャンドラー、 村上春樹

私立探偵フィリップ・マーロウは、刑務所から出所直後に恋人を探すマロイの殺人現場に居合わす。
成り行きで姿を消したマロイと恋人を探し始めたマーロウだったが、次々と新たな事件が起こり・・。

最も名のある私立探偵の一人フィリップ・マーロウの代表作だが、あまりピンとこなかった。
昔はわくわくしながら読んだような気がするのが、色々なミステリを読んで好みが変わったのかもしれない。
古典ミステリでも何度も飽きずに読める作品も多数あるのだが。

冗長的で回りくどい印象が、訳のせいなのか世界観についていけていないからなのかよくわからない。

ミステリとしてはともかくハリウッド映画を観ているような印象で場面ごとのイメージは鮮明に浮かんでくる。
マーロウのタフさはやはり魅力的だ。


読了日:2013.1.
★★★☆☆

↓ブログランキング参加中です。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ


タグ

2013年2月 5日

ruru (23:49)

カテゴリ:海外ミステリーその他の作家(海外ミステリー)

『死命』薬丸 岳


死命
薬丸岳

榊信一は自分の余命を知り、残りの人生を思い通りに生きることを決意する。
それは抑えてきた殺人願望を満たすというものだった。
一方で連続殺人事件を追う刑事蒼井も病に侵され、犯人逮捕にその命を賭ける。
どちらが先に命尽きるか・・信一と蒼井の最期の戦いが始まる。

展開が早く読みやすいのでノンストップで即読了。

薬丸さんはいつも社会問題を取り上げるが、今回はデイトレや派遣、MDMAなどがちりばめられているものの重点は別のところに置いた様子。

時間に追われて殺し続ける男と追う男の人生が交差していく流れは緊張感があって惹きつけられるが、犯人と刑事共々同じ病で余命が僅かという設定は少ししつこい気がした。

また、信一の過去もわかりやすく、最後の衝撃がそれほどなかったのもやや物足りない。
信一の元恋人澄乃については意外な展開で驚いたが。

ミステリとしてはそれなりなのだが、著者だからこそもっと上を期待してしまう。
読み始めるとすぐに物語に引き込まれて一気に読ませてしまうところはさすが。


読了日:2013.1.
★★★★☆

↓ブログランキング参加中です。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

タグ

ruru (23:09)

カテゴリ:国内ミステリー薬丸 岳

『大向うの人々 歌舞伎座三階人情ばなし』山川 静夫


大向うの人々 歌舞伎座三階人情ばなし
山川 静夫


元NHKアナウンサー山川静夫による大向こう人生回想録。

大学生となり上京した山川氏が友人の影響で歌舞伎にはまり、大向こうになって50数年。

歌舞伎の筋立てや掛け声のタイミング、役者との交流、大向こう仲間や先輩の思い出など。
楽屋話や勘三郎、歌右衛門ら役者との写真なども掲載されていて歌舞伎好きなら間違いなく楽しめる。

大向こうさんたちと役者たちの距離の近さが羨ましい。

いくら娯楽の少ない時代でも、毎日のように歌舞伎に通う大学生と言うのは珍しかったのではないだろうか。

歌舞伎への愛が溢れていて楽しく読めた。


読了日:2013.2.4
★★★★☆

↓ブログランキング参加中です。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ


タグ

ruru (22:41)

カテゴリ:エッセイ・随筆・対談

『微笑む人』貫井 徳郎


微笑む人
貫井 徳郎

エリート銀行員の仁藤が妻子殺害の容疑で逮捕される。
動機は本の置き場を作るためという彼の言葉に世間は騒然となる。
穏やかに微笑む仁藤の人生を追うと、彼の周囲には不審な死が渦巻いていた。
果たして彼の本性とは・?

人間は何らかの理解と解釈をしたい生き物だ。
仁藤は他人には理解しがたい動機を語り、過去を追えば他にも怪しい死が周囲にいくつも見つかる。

不条理小説を目指したのだろうか。

何となく書きたいことはわかるのだが、小説として面白かったとは言えない。
読後「そりゃないだろ、貫井さん!」とつぶやいてしまった。

もやもやと迷宮に落ち込んでいくような結末を楽しむ不条理小説は多々あるが、それには当てはまらないと思う。
考えさせられる結末というよりは混乱の中放り出されたような気分だ。

先が気になって一気に読んだが、残念な読後感。

読了日:2013.1.
★★★☆☆

↓ブログランキング参加中です。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

タグ

2013年2月 3日

ruru (22:55)

カテゴリ:国内ミステリー貫井 徳郎(ミステリー)

『名画と読むイエス・キリストの物語』中野京子


名画と読むイエス・キリストの物語
中野京子


本書の最初にあるように理解しにくい宗教画を鑑賞するための背景について書かれている。

キリスト教信者にとっては暗黙の了解だろうモチーフが理解できないことは多々ある。

多くの作品が作られているモチーフー受胎告知やサロメ、マグダラのマリア、磔刑などーはまだしも、解説を見ても疑問が残るものもあったのでとても興味深く読んだ。

小さめだが、カラーで作品も紹介されているので理解しやすい。

『嬰児虐殺』や『大工の聖ヨセフ』『首を吊ったユダ』など知らなかったが印象に残るモチーフの作品がいくつかあった。

誕生から復活までキリストの物語を順に追っていけるのでわかりやすく、頭の中が整理できて良かった。


読了日:2013.1.
★★★★☆

↓ブログランキング参加中です。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

タグ

ruru (21:48)

カテゴリ:その他

『仕事ができる人の勉強机の作り方』西山 昭彦


仕事ができる人の勉強机の作り方
西山 昭彦


人が成長するには一人で考える時間と場所が必要。
自分のスペースを持つことのススメ。
勉強の習慣化、仕事のフォロー、情報収集等効率良くインプット・アウトプットができるスペースの重要性や活用術など。

具体的な机周りの整え方というよりは自己投資や勉強方法、精神論について書かれている。


子供の頃から勉強机が手放せない。
最近はLANも無線だしダイニングテーブルで済ませるようにしようか迷っていた。

しかしやはり机は必要だと思い直した。
書斎も欲しい・・。


読了日:2013.1.
★★★★☆

↓ブログランキング参加中です。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ


タグ

ruru (21:21)

カテゴリ:ビジネス・自己啓発

『幽霊船が消えるまで―天才・龍之介がゆく!』柄刀 一


幽霊船が消えるまで―天才・龍之介がゆく!
柄刀 一

フィリピンから貨物船で帰国することになった光章と龍之介。
窃盗事件が起きた夜、酔いが残ったままデッキへ出た光章は、怪しい帆船の姿を見た直後に意識を失う・・。

『殺意は砂糖の右側に』に続く龍之介シリーズ第二弾。

今回も短編集。
フィリピンからの帰り、保さんの家、徳之島と舞台を変えては次々起こる事件を解決していく。

こういったシリーズ物は完全単発の事件をまとめる場合が多いのに、律儀にストーリーがつながっているのがすごい。

徐々に保さんの人柄も浮き彫りになり、とうとう面会を果たす。
この巻で後見人を探す旅は終わりということだろうから、次回からどのような展開をしていくのかが楽しみだ。

しっかりしたトリックでミステリを楽しめるし、龍之介のウンチクも面白い。
キャラクターや文章が軽やかで気軽に読めるところが気に入っている。

読了日:2013.1.
★★★★☆

↓ブログランキング参加中です。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

タグ

ruru (19:02)

カテゴリ:国内ミステリー柄刀 一

『ユリゴコロ』沼田 まほかる


ユリゴコロ
沼田 まほかる

婚約者は突然消え、母は事故死、父は末期癌に。
そんな時亮介は、実家の押入れで「ユリゴコロ」というタイトルの殺人を告白する日記を見つける。
これを書いたのは父なのか母なのか?
創作なのか現実にあったことなのか?
読み進める内に恐ろしい家族の秘密が露になっていく・・。

ホラー要素もあるミステリ。
ざわざわした気持ちのままノンストップで読みきってしまった。

真相や結末は現実離れしていてどうかと思うところもあるのだが、小説としては巧く展開して収束していったと思う。
普通のミステリとは違うので展開がよみにくかったのもあるが、終盤には文字通りあっと驚くような箇所があった。

告白内容などは非人間的で読んでいてあまり気分はよくない。
しかし先の予想がつかないという点では読み応えがあって面白かった。

読了日:2013.1.
★★★★☆

↓ブログランキング参加中です。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

タグ

『二流小説家』デイヴィッド・ゴードン


二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
デイヴィッド・ゴードン

ポルノ、ミステリ、SF、ヴァンパイア小説などジャンルを問わず生活のために執筆を続けてきたハリー。
ある時無実を訴えている連続殺人鬼のダリアンから告白本の執筆を依頼される。
チャンスを物にしようと張り切るハリーだったが、恐ろしい連続殺人に巻き込まれていき・・。

ジャンルごとにペンネームも性別も公表する顔写真も変えてきたハリー。
常にゴーストライターのような小説家だったハリーに訪れた千載一遇のチャンスが、連続殺人鬼の告白本の執筆だった。
交換条件としてダリアンのファンを訪ね歩くことになったハリーは、新たな連続殺人事件に巻き込まれていく。

ダリアンは何故ハリーを指名してきたのか?
新たな連続殺人の犯人は誰なのか?
刑務所にいるダリアンは無実なのか?

死刑執行までのわずかな時間に様々な謎と事件が沸き起こる。

事件の描写が生々しかったり、ハリーの小説が多々挟み込まれていて読みにくく感じる箇所もあったが、海外ミステリらしい流れでそれなりに面白かった。
ハリーのゴーストライターからの脱皮というテーマが特徴的で良かった。

そのハリーの現状を理解させようとする内容のボリュームが大きく、もう少し短くまとまっている方がスピード感が出て良かったように思うが。
また、真相については納得しにくいものもある。

頼りない売れない小説家のビジネスパートナーがお嬢様女子高生クレアというのは面白かった。
上手くいけばシリーズ物にできそうだ。

このミスで一位を取っていたはずだが、基準は毎回よくわからない。
それなりに面白いのだが、大賞となると期待をしてしまうからか何となく物足りなさも感じてしまう。

読了日:2013.1.
★★★★☆

↓ブログランキング参加中です。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

タグ

このページの先頭へ