2013年3月アーカイブ

『伝える力』池上 彰


わかっているつもりでも、全く知らない人に説明するのは難しい。
それはつまり完全に理解していないということ。
説明ができるよう意識をして学ぶことで自分の理解は深まり、伝える力も上がる。

わかりやすい解説でお馴染みの池上さんによる「伝える力」の高め方。

「自分が知らないことを知る」「愛されるには謙虚さをもって」「"謝罪"は危機管理となる」等学習からコミュニケーションまで多岐に渡って述べられている。

一番興味があったのは文章力向上。
人に読んでもらうつもりで書くことが重要ということでブログを書くことを薦めている。
自分のこんなブログでも、曖昧なことは書けないと思い裏取りをすることがある。
こういった行動によって少しは地力が上がっているかもしれない。
もっと内容があるものが書けるようになりたいものだが。

池上さんらしくとても読みやすく、綺麗にまとまった一冊だった。


読了日:2013.3.
★★★★☆

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2013年3月31日

ruru (15:36)

カテゴリ:ビジネス・自己啓発

『カレワラ物語―フィンランドの神々』小泉 保


フィンランド叙事詩『カレワラ』を物語としてまとめた一冊。

子供の頃観たアニメ「牧場の少女カトリ」に出てくる『カレヴァラ』。
どういう本なのかずっと気になっていた。

元の抒情詩は全て韻を踏んでいるというから驚きだ。
フィンランド人に誇りをもたせ、独立の機運が高まったという国の神話らしい。

神話にお決まりで内容はぶっ飛んでいるが、ところどころ挟み込まれる詩は美しい。
こういう内容だったのかとざっくりとだが理解できたことは良かった。


読了日:2013.3.30

★★★★☆

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ruru (13:54)

カテゴリ:その他

『生ける屍の死』山口 雅也

死者の蘇りが話題となっているニューイングランドの片田舎。
スマイル霊園を経営する資産家スマイリー・バーリイコーンが今にも最期を迎えようとしている。
遺産相続のために呼び出されたグリンは、お茶会の後に毒によって死亡するが蘇ることができた。
これは遺産相続に絡む殺人事件なのか?犯人は一体誰なのか・・?
自分の死の真相を探る中で、次々と事件が起こり・・。

死者の蘇りという条件付本格ミステリ。

死んでも蘇るというとファンタジーのようだが、防腐剤やらエンバーミングやらのお世話にならねばならないという中途半端なリアル感がある。
死生観を問うようなくだりが多く、かなり内容が濃いので度々ミステリ小説ということを忘れていた。

肉体が朽ちる前に自分の思いを遂げたい・・。
死者と生者が入り乱れて、加害者になり被害者になり探偵になり・・と凝りに凝った作品。

真相も考え抜かれていてしてやられた感があり満足できる。

切ない結末だったが、これだけの長編がしっかり収束していて単純にすごいと思った。
海外小説のような趣も成功している。
綿密に練られたプロットに感嘆。


読了日:2013.3.25
★★★★★

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2013年3月27日

ruru (01:23)

カテゴリ:国内ミステリー山口 雅也

『祝福』長嶋 有

Aは結婚披露パーティで久しぶりに昔の職場の仲間と再会する。
昔の彼女Qと会話をして恋人なのか曖昧なLの部屋へ・・。『祝福』他淡々とした男女の日常を描く短編集。

まだ何作かしか読んでいないが、長嶋有の作品の特徴は"観察""思索""妄想"ではないかと思う。
この短編集はそれがより顕著に現れていたように感じた。

しばらく読み進めても主人公が男か女か見えてこなかった話が多い。
性別を超えて人間を描いているからだろう。

何か大きな事件が起こるわけでもなく、だらだらとした時間の流れの中に、しかしどこか人間の真髄を突くような言動がある。
読めば読むほど独特の世界観が癖になる作家。

まだ読んでいない作品があるのでこれから読むのが楽しみ。

読了日:2013.3.24
★★★★☆

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ruru (00:55)

カテゴリ:国内小説一般長嶋 有

『「戦争」が生んだ絵、奪った絵 』野見山 暁治,窪島 誠一郎,橋 秀文


戦争画を取り上げた本かと思って読み始めたのだが、信州無言館の収蔵品を中心とした戦没画家や画学生についてがほとんどの内容だった。
遺された作品と共にプロフィールが紹介されている。

生きていれば戦後第一線で活躍したであろう才能溢れる若者たちの死にただただ無念の思いがこみ上げる。

戦地からの葉書に戦争を感じさせない美しい絵が添えてあるのも逆に痛ましい。


久保克彦の《世界崩壊の予感》は戦争賛美からかけ離れた作品だが、あの時代にこのような絵を描き、戦地へ赴いた心中はいかほどのものだったか。
この作品は芸大美術館にあるようなのでいつか観てみたい。

やせ衰えていく自分の体のスケッチと背景いっぱいに食料を描いた関口清も印象に残った。


香月泰男のシベリア・シリーズ、浜田知明の初年兵哀歌シリーズなども取り上げているのだが、生き残った画家たちが戦争から受けた影響も凄まじいものがある。
二人の作品は触れる機会も多いので、気持ちを改めて鑑賞することができそうだ。


読了日:2013.3.21

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2013年3月21日

ruru (21:35)

カテゴリ:その他

『ルパン、最後の恋』モーリス・ルブラン


発行が世界中の話題になった幻のルパン最後の作品。

ルブランが推敲途中で亡くなったためお蔵入りしていたこの作品。
やはり未完成の感は否めない。
世に出してルブランが喜んでいるかは疑問だが、ルパンファンを喜ばせていることは確か。

ルパンシリーズは隈なく読んで胸躍らせたものだが、それも大分昔の話。
設定やテンポなどはどんなだったかは忘れてしまった。

このような作品だっただろうか・・。

古めかしく冒険要素も低い。

これを一作品として読んだならつまらないとしか言いようがないが、貴重な"新作"だと思えば楽しむこともできた。


読了日:2013.3.20
★★★☆☆

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『紳士ならざる者の心理学―天才・龍之介がゆく!』柄刀 一

私大の研究室から新型ゲーム機の試作機が消えてしまった。
居合わせた光章と龍之介がゲーム機の行方について思案し始めた頃、研究室の学生が感電事故で死亡する。
龍之介は二つの事件を結びつけて推理を進めていき・・。

とうとう龍之介の学習プレイランドが完成する。
間際まで事件多発、関係者が加害者になり被害者になりと血にまみれているがミステリシリーズなので仕方ないか。

登場人物が増えてきたのであまり気にはならないが、一美の出番が減ってきているようだ。
一美もその友人の千小夜も美人という以外に造形が浅いのも引っかかるところ。
華やぎがないので、もう少し女性にも活躍して欲しい。

トリックは多少強引な時もあるがうんちく付でいつも面白い。
6月の花粉症や人は左に曲がる話など。

気楽な短編集なので就寝前の読書に丁度良く、楽しませてもらっている。


読了日:2013.3.21
★★★★☆

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ruru (14:38)

カテゴリ:国内ミステリー柄刀 一

『養老孟司の旅する脳』養老 孟司


JALグループ機内誌『SKYWARD』に連載されていたという旅に関するエッセイ集。

旅行へいくことで脳に刺激があるというのは納得。

"旅先でよい景色を眺めれば、脳内には幸福感をもたらすエンドルフィンという物質が分泌される"そう。

時々専門の話を交えつつ、ご自身の身の回りの話や考えなどが書かれている。

軽妙な語り口でとても読みやすく、旅のお供に丁度良かった。

実は「語りおろし」形式で書かれているそうで、理由としては下記のように書いている。

"根本から"個性的""独創的"になると、言うことすべてが、自分以外の人には理解できなくなってしまうからです。"

確かに読みやすい。


読了日:2013.3.12
★★★★☆

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2013年3月18日

ruru (23:51)

カテゴリ:エッセイ・随筆・対談

『人間動物園』連城 三紀彦

記録的な大雪の中、汚職疑惑の渦中にある大物政治家の孫娘が誘拐された。
警察官の発田らは、盗聴器で身動きが取れない被害者宅の様子を隣家から伺うこととなる。
姿の見えない犯人は、汚職事件と関係があるのか?
頻発する動物たちの事件との関連性は・・?

人間も動物の一種という視点はよくわかるのだが、動物例えがくどすぎるように思う。

人物像もごちゃごちゃしている上じめじめとした空気感が効果的というわけでもなく、ただ読みにくいという印象。

ミステリとしては考えられていて、動きがあってから真相に至る過程は面白いのだが、いまひとつ。


読了日:2013.3.10
★★★★☆

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2013年3月11日

ruru (13:19)

カテゴリ:国内ミステリーその他の作家(ミステリー)

『空から見た殺人プラン』柄刀 一

秋田で引越し先を探していた龍之介。
候補に挙がったアパートで殺人未遂事件が起こり、殺人鬼"バード・ケージ"の犯行ではないかと噂される。
アパートの紹介者幡の恋人が暮らしていたことから、光章と龍之介は住人たちと事件の解明に乗り出す。

学習プレイランドの開館に向けて日本中を飛び回る光章と龍之介。

今回は観光名所の土地柄を活かしたミステリ集になっている。
自然を利用したトリックは少し変わっていて面白いと思う。

長野の諏訪湖御神渡り、宮島の七不思議、鳥羽の真珠、秋吉台の湖など観光を楽しみつつ謎解きを楽しめる趣向。

視点を変えてみたり色々挑戦しているが、それほど違和感なく読める。

秋田では幡、長野では崎山が再登場。
こういった人間関係もシリーズで読んでいる読者を喜ばせてくれる。

あまり評判を聞く機会もないが、個人的には結構お気に入りのシリーズとなっている。


読了日:2013.3.6
★★★★☆

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2013年3月 7日

ruru (22:43)

カテゴリ:国内ミステリー柄刀 一

『モラトリアム・シアターproduced by腕貫探偵』西澤 保彦

名門女子高の関係者たちが連続死。
新任講師の住吉スミヲはある事件現場に居合わせてしまうが、記憶は曖昧で事件のことが思い出せない。
教え子の女子高生探偵遅野井愛友の力を借りて真相を解明しようとするが・・。

腕貫探偵シリーズが好きなので期待していたのだが、あまり活躍がなくて残念。
おなじみの櫃洗市を舞台とし、何人か再登場の人物もいるなどそれなりにお楽しみはあるのでまあ良しというところか。

西澤さんらしいぶっ飛んだ?モチーフがちりばめられているので好みが分かれるかもしれないが、ミステリとしては全く先が読めず翻弄されたままで楽しめた。


読了日:2013.3.4
★★★★☆

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2013年3月 5日

ruru (21:28)

カテゴリ:国内ミステリー西澤 保彦

『ジェノサイド』高野 和明


ジェノサイド
高野 和明

創薬科学の研究をする大学院生古賀研人の下に5日前に死んだ父からメールが届く。
父からのメッセージは10万人の子供たちを救える新薬を1ヶ月で完成させろというものだった。
一方アメリカ政府は極秘の作戦を遂行するため、コンゴ共和国に傭兵イエーガーらを向かわせる。
日本、アメリカ、コンゴ・・・見えない力に操られるように彼らはそれぞれの使命を果たすために動き出す・・。

壮大なSF的ミステリで、現実社会と違和感なく結びつく詳細な設定のおかげで飽きることなく最後まで楽しめた。

人間の残虐性と希望、悪意と良心はせめぎあっている。
不安定な現在にうまくマッチした内容で、世界をまたいだドラマはまるでハリウッド映画の原作のようだった。

超人類は現人類を遥かに超越した生物ではあるが、その成長過程に現人類が関わるという皮肉が利いている。

ジェノサイド(虐殺)というテーマの下、アメリカのイラク戦争、コンゴ共和国の内乱の悲惨さばかりを強調してはアンフェアということで日本の戦争やマイナス面についても触れたのだろうが、その辺りは時期的なこともあってかあまりすっきりしない。

アメリカ、コンゴ、日本と順番に場面が変わりながら進んでいくのだが、謎が深まり、解決していく流れはスリルがあって読み応えがある。

研人やイエーガーの成長や家族関係の再生というもう一つのテーマも巧く書ききれていてバランス良くまとまっていたと思う。


読了日:2013.2.21
★★★★☆

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2013年3月 3日

ruru (00:12)

カテゴリ:国内ミステリーその他の作家(ミステリー)

『新月譚』貫井 徳郎

8年前突然絶筆した美貌の閨秀作家咲良玲花。
誰も知らない絶筆の理由を熱心に問う若手編集者渡部敏明に咲良は語り始める。
それは長く壮絶な恋愛物語だった・・。

かなりの長編で、恋愛小説。
最初ミステリかと思って読み始めたので拍子抜けしてしまった。
新たな分野へのチャレンジなのだろうが、個人的にはあまり面白いと思えなかった。

唯一の理解者に傾倒していくコンプレックスを抱える女性、というのは理解できる。
屈折した思いを小説を執筆することで昇華させていくという設定も良いだろう。

しかし"浮気性の男を許し続ける都合の良い女""親友に寝取られ""ショックで整形""続く不倫""幸せとは"・・等々物語中に語られる小説制作にもあるが、これこそ型通りのものばかり(しかも少々古いような)で途中で飽きてくる。
筆力があるのでなんとか最後まで読めるのだが、こんな長編の必要があったのか。
中篇程度ならそれなりに納得もいくが、だらだらと根暗な女の語りを読み続けて疲れてしまった。

最近の貫井さんはどうしてしまったのか。
小説家の苦悩も語られている辺りが、著者の心情にリンクしているように感じてしまう。
復活を期待。


読了日:2013.2.28
★★★☆☆

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2013年3月 2日

ruru (19:00)

カテゴリ:国内小説一般貫井 徳郎(一般)

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