2013年6月アーカイブ

『マンボウ雑学記』北 杜夫


北杜夫の雑学エッセイ。

第一章 日本について
第二章 お化けについて
第三章 看護婦について
第四章 躁鬱について

と内容もてんでばらばらである。

「躁鬱について」が自身の経験にも多く触れていて一番面白かった。
マブセ共和国などユーモアでやっていたのだろうと思っていたことは躁病の影響だったのかと驚いた。

この本も躁病の時に勢いで書いたのではないだろうか。
そう思うと何故このテーマなのかとか内容もばらばらではないかとか色々な違和感にも納得できる。

突然この本を読んでも何が何やらという感じだろう。

北杜夫の読者だからこそそれなりに楽しく読める一冊。


読了日:2013.6.16
★★★☆☆

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2013年6月16日

ruru (14:36)

カテゴリ:エッセイ・随筆・対談

『地の底のヤマ』西村 健

大牟田市の警察官猿渡鉄男にはこの町を守らねばならない使命感があった。
警察官だった父が殺され、仲間との秘密を共用した炭塵爆発事故のあの日。
その後に犯した大きな罪の意識からは未だ逃れることはできない。
町の活気、炭鉱事故、労働争議、組合、CO中毒患者、やくざの闘争、石炭産業の斜陽化・・一人の男が見つめた炭鉱の町の半世紀。

町で尊敬の念を集めていた父の後を継ぐように警察官となった鉄男。
自ら犯した罪とは?
父を殺した犯人とは・・?

市内で起こる事件の捜査に当たるミステリでありながら、鉄男自身が抱える心の闇と炭鉱の町の歴史や風俗を浮かび上がらせていく。

とにかく長い。
早読みの自分でもたっぷり2日かかった。
読書が苦手な人は絶対読了できないことを保障する。(あの厚さを見て手にも取らないだろうが・・)

もう少しコンパクトにもなり得たと思うが、作者の熱い思いがこの長編にさせたのだろう。

読むのは大変だったが、縁遠かった炭鉱の町の歴史を知ることができて良い経験となった。
風土・風俗について納得がいき、抽象的なイメージが詳細になったと思う。

大牟田市には行ったことがないが、荒々しさと人情が混在する町を見事に描ききっているのではないか。
登場する数々のお店は実在するらしいので地元の方はもっと楽しめるだろう。

事件の背景にある特殊な土地柄を描いたミステリとしても、一つの町・一人の男の大河小説としても読める力作だった。


読了日:2013.6.11
★★★★☆

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2013年6月11日

ruru (19:01)

カテゴリ:国内小説一般西村 健

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