2013年12月アーカイブ

『ハダカデバネズミ―女王・兵隊・ふとん係』吉田 重人・岡ノ谷 一夫


最近人気のハダカデバネズミの生態について師弟研究者二人の共著。
素人向けに軽快で読みやすい文章で"デバ"への強い愛情が感じられた。

個人的には全く可愛いとは思えないのだが、以前から生態には興味があった。

日本では最近話題になってきた動物だが、2500万年前からアフリカ大陸にいたのだとか。

特徴である出っ歯は下の歯に限ってだが動かしてその隙間に物を挟むことができる。
裸に見えるが体中にしょぼしょぼとした感覚毛があり、トンネル内での移動に役立つ。

女王を頂点とした真社会性動物。
群れはメスの中で唯一子供を産む事ができる女王、繁殖相手のオス1~3匹、天敵の蛇に身を差し出し群れのために犠牲となる兵隊デバ、雑作業をする働きデバたちから成る厳しいヒエラルキーが保たれている。

この本に興味を持ったのは、副題にある"ふとん係"が気になったから。
ふとんとなる落ち葉などを集めるのか、はたまた自らがふとんになるのか・・。
まさかの後者だったが、それ以外にも不思議な生態が多々あって驚くことばかりだった。

外見も特徴的だが更に不思議な生態を知り、益々"デバ"に興味が沸いた。

読了日:2013.12.29
★★★★☆

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2013年12月30日

ruru (10:39)

カテゴリ:その他

『要介護探偵の事件簿』中山 七里



名古屋の政財界に幅を利かせていた香月玄太郎が病に倒れて半身不随に。
不屈の精神でリハビリを克服し、持ち前の頭の良さで身の回りの事件を次々と解決していく。

車椅子探偵ならぬ要介護探偵の活躍。

安楽椅子探偵も進化して?終に要介護探偵が登場した。

昭和の傑物といったイメージがぴったりのパワフルな玄太郎。
無謀にも思える言動が実はとても理にかなっていて事件に道筋をつけていく展開が面白い。

相棒は介護者みち子だが、玄太郎の存在感が圧倒的に強過ぎてワトソン役というよりは読者に近い観客という感じ。

ミステリとしては老人を巻き込んだ非人情な事件は悲しく後味が悪い。
折角老人の活躍を描くのだから、若者を諭すパターンの前向きな事件が中心だともっと良かった。


読了日:2013.12.28
★★★★☆

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2013年12月29日

ruru (10:27)

カテゴリ:国内ミステリーその他の作家(ミステリー)

『女ノマド、一人砂漠に生きる』常見 藤代


エジプトの遊牧民女性と暮らしを共にしたルポタージュ。

ラクダを連れ女一人で砂漠で暮らすサイーダは、定住地に落ち着く家族たちと離れて昔ながらの暮らしを大切にしている。
ラクダと共に砂の上で眠り、砂と炭でパンを焼き、天気や足跡を読むー。
時に死と隣り合わせの状況もあるが、自由と責任が混在した開放感のある暮らしだ。

著者は女一人で遊牧民の輪に飛び込み、文化と風習の違いに戸惑いながら彼らとの距離を縮めていく。

サイーダとの砂漠の暮らしを中心に、町での遊牧民の生活やイスラム教徒の恋愛・結婚事情など女性ならではの視点が特徴。
女性に不平等に思える様々な決まりごとにも良い面もあることやイスラム女性の本心などを少し知ることができた。

日本の価値観では理不尽に思えることが多いが、弱い立場で小さくなっているイメージだった女性たちが意外と逞しく生きている。
また、男女間の関係が厳しい中女性同士の会話は日本以上に赤裸々で驚いた。

何百年も変わらぬ暮らしなどあり得ない。
変わらぬもの、変わりゆくものが交差して今がある。
現実の遊牧民の生活の一端を知ることができて面白かった。


読了日:2013.12.28
★★★★☆

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2013年12月28日

ruru (22:33)

カテゴリ:社会・ルポ・ノンフィクション

『獅子の棲む国』秋山 香乃



会津戦争後の過酷な斗南での生活、薩長に蔑まれながらの中央政府内での仕事、"官軍"としての西南戦争参加・・。

明治という新しい時代を生きながら、常に心は会津と会津人の再生のためにあった梶原平馬、山川大蔵、斎藤一の三人の人生を追う。

国家老として故郷を追い詰めた責任に苦しむ平馬、代わって再生の任を追った山川、出身が異なりながらも会津に寄り添う元新撰組の斎藤。

江戸から明治への大きな転換期に、武士の誇りと忠誠心を持って会津のために生きた男たちの熱いドラマが展開される。

大河ドラマ『八重の桜』の記憶が新しく、登場人物の顔が俳優で浮かぶのには参ったが、"その後"を感じることができた楽しさもあった。

戊辰戦争の復讐のために西南戦争に参加した会津藩士たち、屈辱に耐え忍びながら中央政府に入り込んでいった山川たち。
道が分かれていくのは会津藩士だけではない。
薩長内でも、政治家として中央で躍進する者と昔ながらの武士道に生きる者とが対立していく。

往々にして立場は入れ替わり、そのどちらにも正義がある。

クライマックスではかつて"賊軍"という汚名を着せられた山川・斎藤が"官軍"として西南戦争に従軍する。
戦後初めて二人は初めて明治を生き始めるのである。

西南戦争の描写が長く後半は少し飽きてしまったが、構成は巧く読み応えのある歴史小説だった。


読了日:2013.12.24
★★★☆☆

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2013年12月25日

ruru (21:28)

カテゴリ:国内小説一般その他の作家(一般)

『老けない、太らない、病気にならない 24時間の過ごし方』根来 秀行


体内時計をコントロールする時計遺伝子を理解して健康的な生活をー。

規則正しい生活、抑えた食事とほどほどの運動。
当たり前のことばかりだが、医学的な根拠が細かく解説されているので納得しやすい。

気になったところ。

・メラトニンと成長ホルモンの分泌量の多い時間帯と体内時計のリズムを合致させ、良質な睡眠をとる理想的なスケジュールは夜12時就寝・朝7時起床。
・夕方6時以降にちょっときつめの運動で成長ホルモンを促す。
・骨を強くするためのカルシウム摂取は夕食時に。
・副交感神経に支配されるリンパ球は夜活性化するので、風邪の場合は早寝するのは理にかなっている。
・週末に疲れをとりたい場合は朝寝坊ではなく早寝で解決する。
・時差ぼけを最小限に食い止めるためには機内で食事をせずに、到着後現時の時間に合わせて食事をとる。


要所を太字でなく段変えの方が見やすかったのではないかと思うが、素人向けにわかりやすくまとまっていて読みやすかった。


読了日:2013.12.25
★★★★☆

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ruru (15:28)

カテゴリ:美容・健康

『お江戸日本は世界最高のワンダーランド』増田 悦佐


徹底したリサイクルや合理的な長屋暮らしなど江戸時代を経済的視点で読み解く。

歴史好きなら周知の事実や著者の決め付けも多いがおおまかに江戸時代と言う時代を感じることができたのは楽しかった。

江戸時代が「日本経済活性化のかぎになる」と結んでいるが、コンパクトで無駄のない暮らしは確かに参考にすべきかもしれない。

こういった本から、実はとても先進的な都市を独自に築いていたという事実がもっと広まって欲しい。


読了日:2013.12.
★★★★☆

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2013年12月22日

ruru (23:50)

カテゴリ:歴史・民俗

『洟をたらした神』吉野 せい


農民詩人三野混沌の妻吉野せいの随筆集。
山村暮鳥や草野心平らとも交流を持ち、阿武隈山地で開墾農家として暮らした。

厳しい自然、貧困、夫との確執、子育て、社会主義・・。
大正から昭和にかけて厳しい寒村で生き抜いた一人の女性の人生が綴られている。

読んでいると土の匂いを感じ、地に足をつけた人間の営みとむき出しの感情が胸を打つ。

文学・思想に傾倒するが故に開墾農家という道を選んだ夫婦。
著者は「若い頃の夢の食いつめ」と振り返っている。

時代というものもあっただろう。
しかし何もかもがそぎ落とされたぎりぎりの生活だからこそ浮かび上がる赤裸々な人間像には現代でも心惹かれるものがある。

読了日:2013.12.
★★★★★

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2013年12月18日

ruru (21:38)

カテゴリ:エッセイ・随筆・対談

『○に近い△を生きる 「正論」や「正解」にだまされるな』鎌田 實


一つの「正解」に捉われず「別解」を探して人生や国を良くしていこうー。
失敗を恐れずに「別解力」を養っていこうー。
様々な著作を持つ医師が常識に捉われず柔軟な考えを持つことを説く。

長野、チェルノブイリ、東北やアフリカなどの活動について触れながら「別解」の例をあげている。
口語調で読みやすく、生きやすさを求めている人には響くかもしれない。

個人的には当たり前の内容であまり心に残らなかったが、以前から長野での取り組みに興味があったので色々と活動の内容を知ることができたのは面白かった。


読了日:2013.12.
★★★☆☆

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ruru (18:44)

カテゴリ:哲学・メンタル

『ネットのバカ』中川 淳一郎

インターネットが生活に根付いた現在、ネットは特別なものではない。
言論は住み分けがされていない分不自由になっており、勝者はごく一握りの人間だけ。
利用される個人、戦略が甘い企業、浅いコミュニケーションー。
ネットとはどう付き合いどのように利用していくべきか。


"ネットニュース編集者"である著者がインターネット社会の現状について厳しく分析する。

人目を引くネットニュースのタイトルを考えるプロだけあって章や段落のタイトルが過激に興味を引くようにつけられている。
本のタイトルにも言えるが的を射ていて面白い。

インターネットが普及したことで、現実社会では身近になかった情報や付き合いのないような人たちの考えが否応なしに飛び込んでくるようになった。
便利になった反面おかしな現象も多々起きており人間の浅はかさを思い知ることも多い。

ネット社会と分けたところで、人が集まり何がしかが生まれ消えていくというのは現実社会と同様で特別な場所ではない。
世界が近づいたように感じたりここでなら成功できるというのは勘違いでしかない。

結局どう付き合い利用していくかは個人の素養によるもの。
自分なりの距離感と考えを持って楽しく利用していきたい。

矛盾するかもしれないが、本書はヘビーユーザーほど共感が多いのではないか。
ネット黎明期からのブームや事件などを取り上げていることもあり、ここ10数年の流れを思い出しながら興味深く読むことができた。


読了日:2013.12.
★★★★☆

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2013年12月17日

ruru (13:55)

カテゴリ:IT・PC関連

『いつだって大変な時代』堀井 憲一郎

人はすぐに「今は大変な時代だから・・」と言うが、それは単なる自己愛でしかない。
今も昔も皆同じことを言っていないか。
ただ自分が存在している時を特別なものだと信じたいだけなのだー。


震災前後に発行されていたメールマガジンをまとめたもの。

「震災が起こる前にもやはり大変な時代だと言っていなかったか?」
と言われれば正にその通り。

時代のせいにするのは簡単だ。
社会の風潮や論調を受け入れるために自分の都合に合わせて利用しているだけに過ぎない。

本書では気象情報、新しい商品やサービスの登場、常識の変化から名づけや無縁社会などの社会現象など多岐に渡って著者独自の理論が展開されていく。

自分たちが時代に選ばれているのではなく、自分たちの選択の結果が今という時代を築いている。

1つ1つでは共感できるところできないところと分かれるが、視点のおきどころが面白い。


読了日:2013.12.
★★★★☆

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2013年12月13日

ruru (14:59)

カテゴリ:社会・ルポ・ノンフィクション

『介護退職』楡周平

大手家電メーカー部長の栄太郎は、海外と日本を行き来しながら仕事に邁進してきた。
しかし、秋田で一人暮らしていた母の介護をきっかけに暮らしが一変する。
受験を控えた息子、介護疲れで倒れる妻、当てにならない弟夫婦。
栄太郎はとうとう会社を退職するところまで追い込まれる・・。

家庭のことは妻に任せ、仕事のみで生きてきたエリートサラリーマン栄太郎。
母を引き取り介護を始めたことで様々な問題が起こってくる。

主題としては重要な社会問題であり大変興味深い。
しかし設定がどうも一般的でなく、介護に関しては所詮エリート男性の視点でしかない薄い内容だと感じた。

栄太郎が年収1000万円あるにも関わらず介護にかかる金ばかりを心配していたり、プライドのために自ら退職、それでいてたった5000万円の貯金しかないと絶望的になり、結局は介護は妻と義妹に任せて自分はヘッドハンティングでステップアップして大団円という結末。
1度倒れた妻を置いて海外赴任し、自分のキャリアを活かせることに嬉々としていることもいただけないし、途中から肝心の母の存在が完全に無視されている。

本来の介護退職は、もっと切実に切羽詰っており、これほどドライではない。
どんなに一線で活躍するエリートでも介護をきっかけにキャリアが絶たれる可能性があるということが書きたかったのはわかる。
しかし終始仕事の心配ばかりの身勝手な男の話にまとまってしまったのが残念。

楡さんは好きな作家の一人だが、単なる企業小説の方が内容があって面白い。


読了日:2013.12.12
★★★☆☆

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ruru (13:21)

カテゴリ:国内小説一般楡 周平

『婿同心捕物控え2~5』早見 俊


大店の次男から婿入りして火盗改となった桐生直次郎の活躍を描くシリーズ。
とりあえず既刊第五弾までを一気読み。

商人出身の人当たりの良さを活かしつつ、少しずつ武士らしく火盗改らしく成長していく直次郎。

毎回複数の事件が一つの大きな事件へと繋がっていく趣向で、事件の内容も幅広くバランスが良い。

親友の八丁堀同心向井や岡っ引き文治との連携もよろしく、上司の望月やライバル西村、姑・嫁や大店の主である兄との人間関係なども巧く描かれていて安定感がある時代小説。

娯楽小説として気軽に読めて丁度良い。


読了日:2013.12.
★★★★☆

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2013年12月12日

ruru (20:05)

カテゴリ:国内小説一般早見 俊

『被害者は誰? 』貫井 徳郎

吉祥院は知的で眉目秀麗の売れっ子ミステリー作家。
後輩の桂島刑事が持ち込む難事件を次々と軽やかに推理していく。
白骨死体の身元が特定できない『被害者は誰?』、不倫が目撃されたことで起こった殺人『目撃者は誰?』、吉祥院が過去に解決した事件をモチーフにした小説から探偵役を推理する『探偵は誰?』、病院に現れる美しく怪しい女性の正体は・・『名探偵は誰?』4編から成る本格ミステリ集。

叙述トリックの連作短編集。

一見完璧だが性格に問題アリの探偵役吉祥院とワトソン役にぴったりの人が良い刑事桂島コンビの組み合わせはオーソドックスで受け入れやすい。
会話のテンポが良いのでさらさら読める。

トリックはパターンと言えばパターンの作りだが、読みながら気軽に推理を楽しむことができた。

最近の重い空気の作品とは大分違い、ユーモアのある娯楽要素の強い作品で面白かった。
ノリは『悪党たちは千里を走る』のような感じ。
丁度そういう作風の時期だったのかもしれない。
貫井さんのノリの良い作品は上質なのでまた書いて欲しいのだが・・。


読了日:2013.12.
★★★★☆

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2013年12月11日

ruru (20:46)

カテゴリ:国内ミステリー貫井 徳郎(ミステリー)

『抜け参り薬草旅』出久根 達郎

瀬戸物問屋の小僧洋吉は、伊勢神宮へのお陰参りの途中で野を歩く薬屋庄兵衛と出会う。
庄兵衛の薬を目当てに寄って来る不穏な輩を追い払いながら二人は西へと向かう旅を続けるが・・。

60年に一度のお陰参りが流行中の天保元年。

旅人で賑わう東海道で庄兵衛は薬の材料を探し歩く旅をしている。
そんな庄兵衛に興味を持ってお供となった洋吉。

薬は使い道によってはよからぬ力も持つため、二人の旅はあちらこちらで邪魔が入る。

薬草の話などがちりばめられていて設定は面白いと思う。
ただ下の話が多く、事件の盛り上がりも結末もあっさりとしていて何となく物足りなかった。


読了日:2013.12.8
★★★☆☆

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ruru (20:07)

カテゴリ:国内小説一般出久根 達郎

『いちばん長い夜に』乃南 アサ

ホストに入れあげ昏睡強盗を犯した芭子とDVに耐え切れず夫を殺した綾香。
刑務所で出会った二人は出所後根津で寄り添って生きてきた。
しかし社会に馴染むにつれて二人の関係は徐々に変化していく。
芭子は綾香との間に人を殺した者とそうでない者の越えられない壁があることに気付く・・。

『いつか陽のあたる場所で』『すれ違う背中』続編。

前科が周囲にばれることを恐れてびくびくしていた芭子だが、仕事をし地域に溶け込んでいく中で少しずつ逞しくなっていく。
そんな中綾香のために子供の消息を探ろうと仙台へ出かけ、東日本大震災に遭遇する。

架空の小説を読んでいたはずなのに、何故かこの辺りから突然現実的な世界になっていく。
震災の様子は生々しく、どうしてこんな展開になったのだろうと疑問だったが、どうやら著者が実体験を盛り込んだらしい。

仙台出身という設定だった綾香について取材をしに行ったのが丁度3月11日だったというのだ。
そしてその時の体験をそのまま芭子の行動として小説にしたため、急に現実的な描写になったらしい。

今までの流れから違和感はあったが、読み終えてみれば、震災という人の命を考える大きな出来事と綾香の犯した罪を結びつけることは必然だったのかもしれないと思えた。

互いがなくては生きられなかった二人がそれぞれの道を歩み始める。
寂しさもあるが、シリーズ完結としては腑に落ちる終わり方だった。


読了日:2013.12.9
★★★★☆

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ruru (19:52)

カテゴリ:国内小説一般乃南 アサ(一般)

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