『女ノマド、一人砂漠に生きる』常見 藤代


エジプトの遊牧民女性と暮らしを共にしたルポタージュ。

ラクダを連れ女一人で砂漠で暮らすサイーダは、定住地に落ち着く家族たちと離れて昔ながらの暮らしを大切にしている。
ラクダと共に砂の上で眠り、砂と炭でパンを焼き、天気や足跡を読むー。
時に死と隣り合わせの状況もあるが、自由と責任が混在した開放感のある暮らしだ。

著者は女一人で遊牧民の輪に飛び込み、文化と風習の違いに戸惑いながら彼らとの距離を縮めていく。

サイーダとの砂漠の暮らしを中心に、町での遊牧民の生活やイスラム教徒の恋愛・結婚事情など女性ならではの視点が特徴。
女性に不平等に思える様々な決まりごとにも良い面もあることやイスラム女性の本心などを少し知ることができた。

日本の価値観では理不尽に思えることが多いが、弱い立場で小さくなっているイメージだった女性たちが意外と逞しく生きている。
また、男女間の関係が厳しい中女性同士の会話は日本以上に赤裸々で驚いた。

何百年も変わらぬ暮らしなどあり得ない。
変わらぬもの、変わりゆくものが交差して今がある。
現実の遊牧民の生活の一端を知ることができて面白かった。


読了日:2013.12.28
★★★★☆

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2013年12月28日

ruru (22:33)

カテゴリ:社会・ルポ・ノンフィクション

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