ジュンパ ラヒリの最近のブログ記事

『見知らぬ場所』ジュンパ ラヒリ

母亡き後世界を旅するようになるが、新たなパートナーを見つけたことを娘に言い出せない父親。 父を引き取って暮らさなくてはいけないと考えると気が重い娘。 父の訪問は二人の距離間を縮めることができるのか・・。『見知らぬ場所』他5編。

二つの異なるベンガル人家庭。
家族で知り合った少年カウシクと少女ヘーマ。
長い時を経て繋がりあう二人の行方は・・。『ヘーマとカウシク』

以前読んだ『停電の夜に』が良かったのでまたジュンパ ラヒリ。

第一部は短編5編、第二部は『ヘーマとカウシク』シリーズ3編。

作者自身がそうであるように、主人公たちは皆インドからアメリカへ渡ったベンガル人である。
異国で築かれる特別なコミュニティ、アメリカに住みながらも保たれるベンガル式の作法やしつけ・・舞台はアメリカだが、ストーリーは移民者ならではのものとなっている。

幼い頃移住したりアメリカで生まれた子供たちは、外のアメリカ世界と家庭内のベンガル世界に挟まれて複雑な立場にある。
両親たちの世代は親の決めた相手と見合い結婚をするのが当然だったが、二世たちはそれぞれが恋愛をし、人種を超えた結婚をしていく。
舞台もアメリカ、インド、ヨーロッパと世界を飛び回る国際人たちだ。

故に起こる親との確執や葛藤などが大きなテーマとなっている。

繊細な心理描写が巧みで感心させられる。
本当に巧い小説家だと思う。

今後もベンガル人のみを描いていくのだろうか。
そろそろ異なる題材にチャレンジしてみて欲しいが、世界観が壊れるのも怖い気がして複雑な心境でもある。

読了日:2012.3.26
★★★★★

↓ブログランキング参加中です。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

タグ

2012年3月29日

ruru (20:52)

カテゴリ:海外小説一般ジュンパ ラヒリ

『停電の夜に』ジュンパ ラヒリ

毎日の停電の時間に、夫婦はお互いの秘密を明かし合う。ぎこちなかった二人の距離が縮まってきたように思えた頃、停電は終わり・・『停電の夜に』 アメリカからインドに観光に来た家族を案内するドライバー。奥さんとの会話が盛り上がり心は弾むが、二人きりになった時に打ち明けられた話は・・『病気の通訳』他。 インド系アメリカ人著者による9つの短編。

ジュンパ ラヒリは、以前から気になっていた作家。
ピュリツァー賞やらO.ヘンリー賞、ヘミングウェイ賞など多くの受賞暦を持つ女性作家である。

インド系アメリカ人ということで、インド系移民やインド人を主人公にした作品ばかりだった。
舞台はアメリカだったりインド本土だったり。
他の作品も全てそうなのだろうか。

作品に漂う異国情緒な雰囲気が受けている要素の1つではあるだろうが、人間の感情の機微の描写が繊細で巧いところが魅力的だった。

どの作品も人生や感情を鋭い観察眼で描いていて胸にぐっとくる。
きっと原文で読んだらもっとストレートに感動できるのではないだろうか。

表題作『停電の夜に』も良かったが、『三度目で最後の大陸』が一番気に入った。
インドからイギリスへ、イギリスからアメリカへと渡った移民一世の話で、最後に主人公が人生を振り返るところが良い。

あの宇宙飛行士は、永遠のヒーローになったとはいえ、月にいたのはたった二時間かそこらだ。 私はこの新世界にかれこれ三十年は住んでいる。(中略) これだけの距離を旅して、これだけ何度も食事をして、これだけの人を知って、これだけの部屋に寝泊りしたという、その一歩ずつの行程に、自分でも首をひねりたくなることがある。 どれだけ普通に見えようと、私自身の想像を絶すると思うことがある。
日本人にはあまり馴染みがない移民だが、世界に飛び出し、自国の文化を保ちながら新しい国に溶け込んで暮らしていく人々の力強さを感じられる一作。
移民二世の著者が大きな誇りを持って書いたのだろう。

最初の家主との触れ合いや見合い結婚で呼び寄せた妻との新しい生活など、1つの人生を柔らかい視線で捉えていて静かな感動があった。

近いうちに他の作品集も是非読んでみたい。
 
読了日:2012.2.
★★★★★

↓ブログランキング参加中です。

人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

タグ

2012年2月18日

ruru (21:16)

カテゴリ:海外小説一般ジュンパ ラヒリ

このページの先頭へ