乃南 アサ(ミステリー)の最近のブログ記事

『ウツボカズラの夢』乃南 アサ

高校卒業後、長野から見知らぬ親戚を頼って上京してきた未芙由。
居候することになった鹿島田家は、裕福にも関わらず家族はバラバラの暮らしを送っていた。
未芙由の存在は微妙な均衡を保っていた鹿島田家の家族の形を変えていく・・。

ミステリというよりは軽いホラーか。

田舎から出てきた一見無垢な少女は、自分の居場所を作るために家族に対して様々な働きかけを行う。

幸せでも不幸でもない、ただバラバラだっただけの家族は完全な破滅へ向かっていく。

ウツボカズラに模したのはまあ巧いし、言いたいこともわかるのだが、如何せん長い。

家族一人ひとりを丁寧に描きたかったのかもしれないが、最終的に何かの伏線になっているわけでもなく、脇役も多く出てくるがあまり意味を感じない。
もう少しコンパクトにまとまっていればそれなりに楽しめたと思う。


読了日:2013.11.
★★★☆☆

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2013年11月26日

ruru (00:47)

カテゴリ:国内ミステリー乃南 アサ(ミステリー)

『団欒』乃南 アサ

死体を持って帰ってきた息子。
始末をするため近年にないほど一致団結したことに家族は皆うきうきする・・『団欒』他家族のミステリ短編集。

逆玉に乗った男が見たのは隠し事0の家族。『ママは何でも知っている』
潔癖症家族が一番汚いと思ったのは・・。『ルール』
子供のままでいたい夫。段々妻だけが変わろうとして・・。『ぼくのトんちゃん』
二階に住む息子家族とぶつかってばかりの老人。テレビで出前家族の存在を知るが・・。『出前家族』

大げさにデフォルメされているが、そこそこありそうな家庭の問題を軸にしたミステリ集。
ホラー要素も強い。

それぞれ自分たちの基準でまい進するところが狂気的で、意外と怖かった。

軽く読みやすい。


読了日:2013.9.12
★★★★☆

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2013年9月13日

ruru (13:45)

カテゴリ:国内ミステリー乃南 アサ(ミステリー)

『駆けこみ交番』乃南 アサ

等々力不動前交番に赴任した新人警察官の高木聖大。
近所の苦情処理や交番に遊びに来るおばあさん・神谷さんの話し相手などが主な仕事だったが、ひょんなことから指名手配犯を逮捕するという大手柄をあげる。
先輩の妬みがひどくなる中、神谷さんに誘われて出かけた老人クラブに入り浸るように。
そこに集うのはそれぞれが特技を持ち地元の情報に詳しい老人たちだった。

正義感に溢れているわけでも、かといってやる気がないわけでもない。
少しふわふわした今風の若者が新米警官聖大だ。

"とどろきセブン"と名乗る老人7人組が持ってくる地元情報から次々と事件に遭遇し、手柄を挙げていく。

地元民と親交を深めながら少しずつ警察官らしくなっていく・・というよりは、お年寄りにうまく転がされている状態である。

事件は割と陰湿だが、お年寄りの正義や知恵と素直な若者の交流は微笑ましい。

軽く読める短編集。

"とどろきセブン"一人ひとりにスポットを当てて掘り下げていくともっと面白そう。
聖大の恋愛も始まるようだし、これ一冊はまだ序章という印象で温まりきっていないと感じた。


読了日:2013.9.
★★★☆☆

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2013年9月11日

ruru (15:09)

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『冷たい誘惑』乃南 アサ

同窓会で久しぶりに羽目を外した主婦織江。
泥酔したまま行き着いた歌舞伎町で見知らぬ少女にもらった包みの中身は拳銃だった。
最初は恐ろしく感じた織江だが、徐々にその存在が頼もしく思えてきて・・。
1つの拳銃を通して、様々な人間ドラマを描いた連作短編集。

普通に暮らす人が突然手にした拳銃。
非日常的なアイテムが日常を全く異なるものへと誘っていく。

平凡な主婦、家出中の中学生、新人サラリーマン、元警察官・・1つの拳銃は人々の間を渡り歩き、その生活や精神状態に変化をもたらす。

繊細な心理描写は乃南さんらしいし、繋がりも見事で巧いと思うが、いま1つ物足りない。
烏で拳銃というのもなんだかおかしいし、拳銃を預ける話もやや疑問。
主婦と少女の話は面白かったが。

拳銃だけでなく他の事件なども巧く関連づいているとなお満足があって良かったかもしれない。

読了日:2012.9.
★★★☆☆

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2012年9月29日

ruru (19:52)

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『晩鐘〈上〉〈下〉』乃南 アサ

『風紋』から7年。
社会人になった真裕子は今も事件を忘れられず、新たな生活を始めた父や姉を許せないでいた。
祖父母の下で父親も母親も知らぬまま育った大輔は、内に秘めた怒りをコントロールしながら体の弱い妹絵里を守り抜こうとしていた。
1つの殺人事件が、二つの家族に再び波紋を起こすー。

母を殺された娘と殺人犯を父に持つ子供たち。
事件は決して風化しない。

一見日常を取り戻したように見える真裕子も、無軌道に堕ち続ける香織も、何も知らずに育ったはずの大輔・絵里も、薄氷を踏むような精神バランスを保ちながら何とか生きていた。

真裕子の精神的な不安定さは悲しいが、救いのある結末で少しほっとした。

しかし一方大輔と絵里は・・。
やり切れない思いになるが、物語としてはとても巧くまとまっていた。
こういう結末しかないのかもしれない。

祖父母が引っ越しもせずに大輔たちに過去を隠し通せているのには違和感があったが、とにかく繊細な心理描写に圧倒される。
長編の大作だが、途中で止まれずに一晩で上下巻を一気読みしてしまった。

読了日:2012.9.15
★★★★★

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2012年9月18日

ruru (21:13)

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