道尾 秀介の最近のブログ記事

『龍神の雨』道尾 秀介

龍神の雨龍神の雨 (2009/05) 道尾 秀介

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継父と暮らす蓮と楓、継母と暮らす辰也と圭介。
蓮と楓の継父が死に、死体を隠すところを辰也と圭介に目撃されて・・。
4人の子供たちの運命が台風の中交差していく。

作品中常に降り注ぐ雨が冷たく、そして激しい。

すれ違う親子、兄弟。
家族とは何か?

「-家族ってのは爆弾なんだ」と辰也は言う。

子供たちの”選択”は彼らを深い穴へと導いていく。

2組の兄弟の心情が切々と伝わってきて引き込まれてしまう。 
共に複雑な家庭にいる少年少女たちの心理描写が繊細で痛い。

この作品を鬱蒼とした雰囲気にさせている雨の使い方もとても巧い。

最初からどんでん返しを予想しながら読み進めてしまったので、正直結末に驚きはなかった。
しかし伏線は張り巡らされていてうまくまとまっている質の高い作品だったと思う。

読了日:2009.10.
★★★★☆

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2009年11月 1日

ruru (09:39)

カテゴリ:国内ミステリー道尾 秀介

『ソロモンの犬』道尾 秀介

ソロモンの犬ソロモンの犬 (2007/08) 道尾 秀介

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大学生秋内静の目の前で、准教授椎崎鏡子の息子陽介が事故死する。
車道に飛び出した愛犬オービーに引きずられてトラックに轢かれたのだ。
静は、オービーの暴走のきっかけを作ったのが友人の京也ではないかと疑問を持ち始める。

静、京也、ひろ子、智佳は大学での親しい仲間である。

熱血純情派の静とどこか冷めた印象の京也。
女の子らしい京也の彼女ひろ子とボーイッシュな智佳。

そこに加えてクールビューティーな准教授鏡子に変人の動物生態学者間宮、京也の実家は金持ちだが影があり・・等等いかにもな設定が青臭いが、青春ミステリーなのでそれも楽しんでしまえば良いのかもしれない。

物語は静の智佳への恋心と友人京也への疑惑が軸になって進む。

兄弟のように仲が良かった陽介とオービー。
オービーの行動を動物生態学的に解明していくのが面白い。
また、最終的に解明された事実もなるほど、と意外性があって楽しめた。

ただ、ソロモンの指輪やバベルの塔があまり意味なく使われていたり、二人目の死者が・・などと言っておきながら事件性が薄かったりと、広げようとしたけれど広がらなかったような中途半端な伏線が多い印象は受けた。

もっと面白くなるような気配はたっぷり漂っているのだが、微妙に未完成な感じである。
道尾秀介への期待が高すぎるだけかもしれないが。

読了日:2009.10.31
★★★☆☆

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2009年10月31日

ruru (11:55)

カテゴリ:国内ミステリー道尾 秀介

『向日葵の咲かない夏』道尾秀介

向日葵の咲かない夏 著者: 道尾秀介 出版社: 新潮社 サイズ: 文庫 ページ数: 470p 発行年月: 2008年08月

夏休み前の終業式の日。ミチオが欠席したS君の家を訪ねるとS君は首を吊って死んでいた。 しかし警察が駆けつけた時にはS君の死体は消えてしまっていた! 一週間後、S君は姿を変えてミチオの前に現れ「僕は殺されたんだ」と訴える。 ミチオと妹のミカは事件の真相を追い始めるのだが・・。

ホラー要素のあるミステリー。 奇妙な世界が交錯し謎が増えていくので気になって一気に読んでしまう。

ただ読後感が良くないので好みはかなり分れるだろう。

私の好みではない分野と言えるが、道尾秀介という作家の力量はすごいと思う。
とにかく一貫してほの暗く捻じ曲がった独特の世界観がどっしりと根を下ろしている。
一般受けはしなさそうだが文壇の評価が高いのには納得。
文章が軽快なのに対し、人物設定、状況設定等全ての要素が怖いところがまたすごい。

S君は誰に殺され死体はどこへ消えたのかを追っていくのだが、推理は不可能だ。
ミチオの言葉に「誰だって自分の物語の中にいるじゃないか」というのがある。
読者側が読みながら想像していく物語が作品内の世界観に近づくことはないだろう。

徹底して人間の心の底の暗闇を感じることができる作品(苦笑)だが作りの巧さには感服。

<作家談>

僕の価値観では、「一から十まですんなりと同感できた小説」というのは「読んでも意味がなかった小説」と同義だからだ。「同感」のレベルで感じた喜怒哀楽なんてたかが知れている。わざわざお金と時間をかけて活字を追い、得るほどのものじゃないと僕は思う。
(引用:東京創元社HP)http://www.tsogen.co.jp/web_m/michio0610.html

・・・その価値観はしっかり作品に現れているな、と。
仰るとおり自分の感覚とシンクロする作品は自分の頭の中で作れるレベルということだし、それでは満足できないだろう。「面白かった」と爽快感だけを残し記憶から消えていく作品は意外と多い。
ちょっとこの作家はもう少し探求してみたいかも。

読了日:2009.5
★★★★☆

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2009年5月29日

ruru (00:35)

カテゴリ:国内ミステリー道尾 秀介

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