芦辺 拓の最近のブログ記事

『大公女殿下(プリンセス)に捧げる密室』芦辺拓

ヴェルデンツ大公国を訪れた森江春策。
過去の事件で大公とも関わりがあった森江は派手な出迎えを受けるが、到着早々殺人事件に出くわす。
事件の容疑者は自分をヴェルデンツへと招いた鞠岡だったー。

森江春策シリーズの一冊。
飛び飛びに読んでいるのでよくわからないが、登場人物の鞠岡などは過去の作品の関係者だったらしい。
続けてきちんと読んでいる人には繋がる楽しさがあるかもしれない。

コテコテの大阪弁の弁護士兼探偵が活躍する舞台はヨーロッパのお城。
架空の国の設定や不安定な大公たちの人物像などにすぐに馴染めずやや引っかかりを感じながら読み進める。

居城での殺人事件、ビジネスマンの事故死、古城での殺人事件と次々事件が起こり、森江が見事解決していくのだがなんだかよく分からないまま進み最後の解決場面まで話が見えてこない。

古めかしい設定の必要性、ヴェルデンツと日本の関係、本格のようなライトミステリのようなテイストの混在など混乱することが多かった。

それなりに楽しめたし、作者が色々と盛り込んだことには敬意を表するが、何となくまとまりがなく全体的にもやもやした作品だったように思う。

読了日:2012.8.30
★★★☆☆

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2012年8月31日

ruru (08:19)

カテゴリ:国内ミステリー芦辺 拓

『赤死病の館の殺人』芦辺 拓

赤死病の館の殺人 (光文社文庫)赤死病の館の殺人 (光文社文庫) (2005/04/12) 芦辺 拓

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素人探偵・森江春策の助手新島ともかが迷い込んだ奇怪な作りの館で、使用人が惨殺され、主人と孫娘が失踪するという事件が起こる。
犯人は外部の人間なのか。それとも主人と孫娘による犯行か・・?
表題作「赤死病の館の殺人」他森江春策シリーズ中短編集。


7色に塗り分けられ、ジグザグに部屋が続く怪しい館。
いかにも本格の舞台らしい。
少しぞっとするようなムードも良く出ていて最初から物語に引き込まれてしまった。
 
事件は予想していなかった方向へ動いていくので、わくわくした気持ちは味わえるのだが、最終的に明かされるトリック自体はちょっと無理やりに思えた。

他の3篇も何となく想像がついたり、ごり押し感を感じたりでトリックに感嘆!というところまで至らないのだが、どれもスピードがあって読みやすいので楽しみながらさらりと読めた。
本格でありながらも春策やともかのノリのおかげか軽やかさもあるのが良い。

読了日:2010.7.6
★★★★☆

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2010年7月 6日

ruru (23:43)

カテゴリ:国内ミステリー芦辺 拓

『裁判員法廷』芦辺 拓

裁判員法廷裁判員法廷 芦辺 拓

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裁判員制度を取り入れた法廷ミステリ連作集。
法廷での検事・弁護士(森江春策)のやり取りと証拠などから裁判員たちが事件の真相を推理、評決していく。

語りかけられる「あなた」は作品ごとに変わっていくのだが、基本的には裁判員に選ばれとまどう一般人の「あなた」から見た法廷模様が綴られ、証言や弁護士の森江の論述などから事件を推理。
思わぬ事件の真相に行き着く形。

裁判員制度について云々言う作品ではなく、裁判員が「推理」をしていくミステリ手法として使われている。

シリーズ化している探偵役の森江が法廷弁護士として登場。
今回はずばり事件の真相を言い当てる形ではなく、弁護側という立場で質問や反論をすることで裁判員たちに推理の指針を与えていく。

どんでん返しばかりだし、実際にはこのような「推理」で罪を決めていくような事態は困るのだが、単純にミステリとしては面白かった。

読者は現実的に自分も裁判員に選ばれるかもしれないというリアル感を持っている。
そんな中、「あなたは」と語りかけられる形で物語に入り込める本書は裁判員制度をミステリに上手く取り入れている作品だったと思う。

読了日:2009.6.5
★★★★★

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2009年6月 7日

ruru (11:01)

カテゴリ:国内ミステリー芦辺 拓

『彼女らは雪の迷宮に』芦辺拓

彼女らは雪の迷宮に 著者: 芦辺拓 出版社: 祥伝社 サイズ: 単行本 ページ数: 314p 発行年月: 2008年10月

6人の女性たちが、ある日「雪華荘ホテル」というリゾートホテルに無料で招かれる。 それぞれの理由で「少し一人になりたい・・」と考えていた彼女たちは軽い気持ちで招きに応じるのだが、到着したホテルは雪深い谷底にポツンと建ち一人も従業員がいないおかしなホテルだった。 やがて雪が激しく降り始め閉じ込められた女性たちが一人ずつ姿を消していく・・。

探偵役は弁護士森江と助手のともか。 シリーズらしいが初めて読んだ。

いかにも雪の山荘・クローズドサークルものと考えてしまう設定なのだが、何とこのホテル、携帯が通じるのだ!しかし危険に晒されているはずの女性たちは、元々一人になりたい理由があったことから必要な情報をなかなか出してこない。

「雪華荘ホテル」内の女性たちが互いを怪しみ怯えながら過ごすのと対照に、外では異常を察した女性たちの家族やパートナーの男性陣がなんとか「雪華荘ホテル」にたどり着こうと右往左往するという二軸構成。

女性たちは全くの赤の他人だが実は外にいる男性たちは見知った仲だった。
事件の鍵はそこにあるのだが・・。

本格的ミステリーとは少し違うが、閉ざされているようで閉ざされていないという設定や謎解きが外界にあるというのが面白い。

ミステリーも時代が変わると小道具が変わるというか、今やクローズドサークルにするにはまず携帯が通じないことが当たり前の前提条件となっているが、そこを解放して作品作りをした作者がなかなかいい。

迫りくる恐怖は無いが意外性には溢れていて面白く読めた。

読了日:2009.3
★★★★☆


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2009年4月 2日

ruru (21:30)

カテゴリ:国内ミステリー芦辺 拓

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