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『いちばん長い夜に』乃南 アサ

ホストに入れあげ昏睡強盗を犯した芭子とDVに耐え切れず夫を殺した綾香。
刑務所で出会った二人は出所後根津で寄り添って生きてきた。
しかし社会に馴染むにつれて二人の関係は徐々に変化していく。
芭子は綾香との間に人を殺した者とそうでない者の越えられない壁があることに気付く・・。

『いつか陽のあたる場所で』『すれ違う背中』続編。

前科が周囲にばれることを恐れてびくびくしていた芭子だが、仕事をし地域に溶け込んでいく中で少しずつ逞しくなっていく。
そんな中綾香のために子供の消息を探ろうと仙台へ出かけ、東日本大震災に遭遇する。

架空の小説を読んでいたはずなのに、何故かこの辺りから突然現実的な世界になっていく。
震災の様子は生々しく、どうしてこんな展開になったのだろうと疑問だったが、どうやら著者が実体験を盛り込んだらしい。

仙台出身という設定だった綾香について取材をしに行ったのが丁度3月11日だったというのだ。
そしてその時の体験をそのまま芭子の行動として小説にしたため、急に現実的な描写になったらしい。

今までの流れから違和感はあったが、読み終えてみれば、震災という人の命を考える大きな出来事と綾香の犯した罪を結びつけることは必然だったのかもしれないと思えた。

互いがなくては生きられなかった二人がそれぞれの道を歩み始める。
寂しさもあるが、シリーズ完結としては腑に落ちる終わり方だった。


読了日:2013.12.9
★★★★☆

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2013年12月11日

ruru (19:52)

カテゴリ:国内小説一般乃南 アサ(一般)

『すれ違う背中を』乃南 アサ

刑務所で出会った芭子と綾香。
パン屋を開くために修行を頑張る綾香に対し、なかなか自分の夢が持てなかった芭子がペットショップで犬の洋服作りを始める。

『いつか陽のあたる場所で』の続編。

刑務所を出所し、根津で暮らし始めた芭子と綾香。

過去がばれることに脅えながらも少しずつ地域に馴染んでいく前科者の繊細な心理描写は乃南アサならでは。

あまりにもぐずぐずした性格に苛立っていた芭子もとうとう社会人として地に足をつけた暮らしを始めて少し安心できた。

二人の前に現れては消えていく脇役たちも多彩。

設定からかあまり二人に共感が持てず物語に入り込みにくいが、既に次回作も出ているようなので一応読む予定。

読了日:2013.11.20
★★★☆☆

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2013年11月26日

ruru (00:25)

カテゴリ:国内小説一般乃南 アサ(一般)

『いつか陽のあたる場所で』乃南 アサ

刑務所帰りの芭子と綾香。
積極的に新しい人生を歩もうとする綾香に対し、芭子は自分の過去を知られることに脅えて内にこもってしまうのだが・・。
おせっかいな下町人情溢れる谷中で再生していく女二人の友情。

自分勝手な動機で罪を犯した芭子は、将来が見えず、できるだけ他人と関わらずに暮らそうとしている。
家族にも見放された心の拠りどころは、全てをさらけ出すことができる刑務所仲間の綾香だ。
綾香は壮絶な過去を持ちながらも夢を持って生きなおそうとしており、彼女にとっても芭子という存在は大きい。

依存しあった二人の暮らしに下町の住人たちはずかずかと入り込んでくる。
おせっかいで頑固なおじいさん、おすそ分けと詮索が好きなおばあさん、情報通のおばさんたち、馴れ馴れしい警察官・・。

この警察官は『駆けこみ交番』の聖大である。
等々力での活躍が見たかったが、谷中に異動になったらしい。
どうやら芭子に恋をしているようだが、警察官ということで避けられるという悲しい役割。

あまりに芭子が後ろ向きで甘ったれなので途中からいらいらしてしまった。
そもそも前科が知られるのが怖ければ、地元東京を離れるのではないかとも思う。

しかし最後にやっと芭子の決意が感じられて少しすっとした。
繊細な心理描写は著者らしく素晴らしい。


読了日:2013.9.12
★★★★☆

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2013年9月13日

ruru (11:15)

カテゴリ:国内小説一般乃南 アサ(一般)

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