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『竜が最後に帰る場所』恒川 光太郎

先輩の彼女マミからの突然の電話。 顔も知らぬまま話は盛り上がるが、次の電話では喧嘩となってしまう。 そして彼女は「自分は怨んだ相手を殺せる」と言うのだった・・。 現実と幻想世界を結ぶ五編から成る短編集。

幻想的な恒川ワールドは健在。
ふんわりとした空気の中に度々ぞくりとさせられる緊張が走る。
そういった世界作りは巧い。

『風を放つ』『迷走のオルネラ』は現実的過ぎてあまり面白いと思えなかった。
よくあるちょっとした心理サスペンス小説のようで中途半端だった気がする。

『夜行の冬』は著者らしい作品ではないだろうか。
驚きや感動はないが静かなホラーという感じで良い。

『鸚鵡幻想曲』が一番気に入った。
ちょっと怖いが幻想的で他では読めないだろう点で満足。

『ゴロンド』はよくわからない。
おとぎ話が書きたかったのか。
淡々と竜の話が綴られているがそれだけという淡白な印象。

全体的にはそれほど良い一冊とは言えなかった。
まあ何となく読めるしなるほどというところもあるという程度。
ただこの著者の世界観は好きなので、また他の作品に期待。

読了日:2011.2.13
★★★☆☆

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2011年2月15日

ruru (01:11)

カテゴリ:国内小説一般恒川 光太郎

『雷の季節の終わりに』恒川 光太郎

雷の季節の終わりに雷の季節の終わりに (2006/11) 恒川 光太郎

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地図に無い町穏(おん)。
賢也は雷の季節に姉がいなくなってから風わいわいに取り憑かれていた。
ある事件の真相を起こした賢也は穏を追われることなり、風わいわいの助けを借りて下界へ向かうこととなる。

 

恒川光太郎の世界観がよく出ている作品。
閉ざされた町穏、隣り合う墓町、風わいわい、闇番、鬼衆・・この独特の世界にわくわくしてくる。

 

穏を出てからは現実社会?が絡んできてややサスペンス調になっていくのがやや興ざめだが、この世界に浸りながら読み進めるのは楽しい。

 

それなりの長編にまとまっているのだが、もっと掘り下げた超長編になったらもっと面白そうだと思った。

 

民話的な雰囲気や和風ファンタジーが好きな人にはお勧めの作家NO.1。

 

読了日:2009.11.11
★★★★☆

 

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2009年11月12日

ruru (00:36)

カテゴリ:国内小説一般恒川 光太郎

『草祭』恒川 光太郎

草祭草祭 (2008/11) 恒川 光太郎

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美しく幻想的な街”美奥”にはいたるところに異世界への扉がある。
用水路の先のどこでもない野原、屋根猩猩の守り神、闇の存在のらぬら・・。
”美奥”を舞台にしたオムニバス形式幻想小説。

恒川ワールド全開、ホラー要素を含んだファンタジー連作集。
唯一無二の世界観を作り上げているところがすごいと思うし、民話的なところが個人的に好み。

『夜市』で衝撃を受け、『秋の牢獄』でやや残念に感じたのだが、今回でやっぱり良いと思えた。

当作品は、ダークファンタジーと言い切るほど暗い世界観でもない。

時に残酷に、時に温かさを持って、人と街が溶け合っている土地が”美奥”だ。
読み進めると、視点を変えて別の異世界を覗きながら美奥の街を多面的に歩くことができる。
舞台にどこまでも奥行があるのがこの作品集の魅力だ。

ただ、思春期の女の子が主人公である「屋根猩猩」と「天化の宿」だけ文体が違うのがやや疑問に感じた。
女の子のつもりで書こうとするとそうなってしまうのか、精霊的な異質な存在が登場する作品だからわざとそうした等何がしかの効果なのだろうか?
読み進めるのに若干違和感を感じた。

また、何となく全作品が繋がっているのだが、5作品では広がりに限界があるのが残念だ。
ここまで世界を作り上げたのなら、また美奥を舞台にした作品を出して欲しい。

読書中は常に霧がかった世界に身を置いているような感覚に襲われるのだが、そこが良い。
小説の中にしかない”美奥”だが、そこから更に入り込んでいく異世界の奥行に魅せられる。


読了日:2009.10.23
★★★★☆

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2009年10月25日

ruru (15:52)

カテゴリ:国内小説一般恒川 光太郎

『秋の牢獄 』恒川光太郎

秋の牢獄 著者: 恒川光太郎 出版社: 角川書店 サイズ: 単行本 ページ数: 223p 発行年月: 2007年10月

・女子大生の藍は、ある時から11月7日水曜日を何度も繰り返し生きるようになる。 いつかこの秋の牢獄から抜け出すことは出来るのか。(秋の牢獄)

・日本中を旅する家。この家から出るには別の人間と主を入れ替わらなくてはならない。 思いがけず家の主となってしまった主人公は、迷い込んできた男と入れ替わることに成功し元の世界に戻ることができたのだが・・。(神家没落)

・少女リオは老婆から幻覚を生み出す不思議な力を継承する。幻覚は夜毎に育ち・・。(幻は夜に成長する)

『夜市』が良かったので期待して手にとったのだが、ちょっと微妙。

独特の世界観は健在だがややインパクトが弱い。 同じ日を繰り返す中での出来事や主人公の心中、またその他短編においてもややありきたりな印象だった。

「神家没落」の設定は結構好きなのでもう少し深みのある作品に練り直してもらえると嬉しいのだが。

『夜市』の完成度が高すぎたので厳しくなってしまうのかもしれないが、良い作家だと思うのでまた次回作に期待したい。

読了日:2009.1.24 ★★★☆☆

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2009年1月27日

ruru (22:00)

カテゴリ:国内小説一般恒川 光太郎

『夜市』恒川 光太郎

夜市 (角川ホラー文庫 つ 1-1)
『夜市』
恒川 光太郎
角川グループパブリッシング 2008-05-24

何でも買うことができる夜市で子供の頃に野球の才能と引き換えに弟を売った祐司。
罪悪感を持ちながら成長した祐司は弟を買い戻す為に再び夜市へ足を運ぶ。

日本ホラー小説大賞受賞作だがホラーといってもファンタジーのような作り。

文庫にはこの「夜市」と「風の古道」の2作品が収められているがどちらも良い。

「風の古道」は古くからある神々の通り道に迷い込んだ少年の話。この作者の持つ独特の世界観にはまる。

淡々とした文体の中に物悲しさや優しさが感じられ、初めて読んだがファンになった。
これは久々にマイヒット。

好みはあると思うけどおススメ。

読了日:2008.5.27
★★★★★


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2008年5月27日

ruru (23:04)

カテゴリ:国内小説一般恒川 光太郎

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