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『八日目の蝉』角田 光代

希和子は不倫相手の自宅から赤ん坊を誘拐して逃走し、指名手配犯となった。
女性ばかりの宗教団体に逃げ込み、瀬戸内海の島へ渡り、逃亡を続けながらの子育ては4年で終止符を打つ。
元の家庭に戻った子供・恵理菜は大きな葛藤を抱えながら成長していくが、自らも不倫の愛に苦しむようになる・・。

前半は身勝手な女の逃亡劇、後半は誘拐された子供の苦悩。

希和子の哀切はわからないでもないが、本当の母性は子供第一であるはず。
小説なので丁度良く学校へ上がる前に逮捕されるが、偽名で暮らし、病院へも行けず、着の身着のまま逃げ回ることを強制した自己中心的な生活でしかない。

希和子が逮捕されたことで、恵理菜は元の両親の元に4年ぶりに戻る。
そもそもこの家庭が存続していたことが驚きだが、恵理菜の帰還で更に崩壊は加速する。
罪のない子供が一番苦しみ、成長しても恵理菜の葛藤はなくなることがない。


この小説のテーマは何なのだろう。
女の性なのか母性なのか。
人間を描くには女に偏り過ぎている。

色々と刺激的な設定を使っているが、全体的にあっさりしていて物足りない。
要素を全て活かすにはもっと長編の方が良かったのではないか。
新聞小説だったようなので、万人受けするようにわざと薄味にしているのかもしれない。

希和子の造形や、秋山夫妻の衝突、真理菜の心情、エンジェルホームに集う女たちや千草の人生・・。
掘り下げてあればもっと深みが出たと思うのだが。


久しぶりに角田さんの小説を読んだが、女子高の匂いが強くて苦手だったことを思い出した。

恵理菜が前向きに生きようとする結末は良かったと思う。


読了日:2013.9.
★★★☆☆

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2013年9月29日

ruru (11:35)

カテゴリ:国内小説一般角田 光代

『三面記事小説』角田光代

三面記事小説 著者: 角田光代 出版社: 文藝春秋 サイズ: 単行本 ページ数: 260p 発行年月: 2007年09月


新聞の三面記事をモチーフにしたミステリー短編集。

26年前の女性教諭殺人、闇サイトで不倫相手の妻の殺害を依頼した女の話、女子中学生が担任教師の給食に薬を入れていた事件などノンフィクションを角田光代の視点で小説化している。

全てがフィクションということで設定などに違いがあり、作者の想像でできあがった創作物である。

ただの小説として読むのなら、どれも登場人物たちの追い詰められた心情が伝わってくる上手い作品で面白い。

しかし、実際の記事を中表紙に掲載して読者の想像を掻き立てておきながら「フィクションです」は無いと思う。勝手に創作された関係者にはどのように映るのか。

角田光代の創造が事件の真相のように人の心に残るのではないだろうか?と考えると不快な気持ちになる。

ただのミステリーとして発行されれば良い作品なのに勿体無い。

読了日:2008.10.18
★★★☆☆

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2008年11月20日

ruru (04:07)

カテゴリ:国内小説一般角田 光代

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