上橋 菜穂子の最近のブログ記事

『獣の奏者 1闘蛇編』『獣の奏者 2王獣編』上橋 菜穂子

エリンは闘蛇衆の村に暮らす少女。 母は霧の民ながら優れた獣ノ医術師として闘蛇の世話を任されていたが、闘蛇の死の責任を取って処刑されることとなる。 母の最期の力で生き延びたエリンは、蜂飼いのジョウンに助けられ、獣ノ医術師を目指すこととなる。 カザルム学舎で王獣の子リランと心通わせるようになったエリン。 圧倒的な力を持つ王獣を意のままにできるとして、エリンは王国内の陰謀に巻き込まれていく・・。

『精霊の守り人』上橋さんのファンタジー小説。

兵器として飼われている闘蛇に対し、王獣規範によって丁重に守られている王獣。
しかし王獣こそが闘蛇の天敵であり、獣たちを利用した恐ろしい争いの歴史を封印するために王獣規範が存在していたことを知るエリン。

人と獣はどこまで近づくことができるのか。
上橋さんは結構シビアなので、想いが強ければ獣にも気持ちが届くといった単純な展開はさせていない。
近づいたり遠のいたり・・異種の生き物があるべき本来の姿を忠実に、それでいてエリンの成長を繊細に描いている。

リランのことをもっと知りたいというエリンの純粋な情熱は、政治と争いへ利用されていく。
その時エリンはどのような行動を取るのか。
異端である霧の民を母に持ち、10歳で母の処刑を目の当たりにしたエリンは、冷静さと頑固さを持ち合わせた少女である。
信念を貫くエリンを待ち受けている道は、険しいが決して暗いものではない。

一応この2冊で完結ということで、未来を感じさせる素晴らしい終わり方だったと思う。
『精霊の守り人』シリーズも段々テンションが落ちていってしまったので、広がりを持たせたまま終わられた方が余韻があって良い。
和製ファンタジーも捨てた物じゃないと思える。

しかしその後出た続編があるらしい。
世界観に浸ったまま続編があると知れば欲しくなるのは当然なのだが、どうも納得しがたい展開をしているようなのでここでやめておくつもり。(そのうち読んでしまうかもしれないが)

普通続編というのはファンにはたまらないもの。
ただし、思わぬ方向へ進まれてしまうのなら読まずにおきたいと思ってしまうのもファン心理。

読了日:2012.1
★★★★★

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2012年1月24日

ruru (11:55)

カテゴリ:国内小説一般上橋 菜穂子

『狐笛のかなた』上橋 菜穂子

里から離れて暮らす小夜は、人の心が読める<聞き耳>の力を持っていた。 小夜はある時、犬に追われた子狐を助けるが、この子狐は隣国の呪者の使い魔野火であった。 隣国との争いに巻き込まれていく小夜と野火。 二人の思いが未来へと繋がっていく・・。

『守り人』シリーズと一緒に買ってあったもの。
読みやすいのですぐ読み終わる。

こちらもファンタジー。
時代も国も曖昧だが和風テイストである。

武士同士の争いと異界<あわい>を通した呪者の争いが同時進行していくのだが、このような形は著者のパターンなのだろう。

今回は主人公は自分の力についてもわかっていない小夜という娘。
かつて命を助けられた野火は、主に背き、命をかけて小夜を守ろうとする。
小夜もそんな野火に惹かれていき・・という切ない恋物語にもなっている。

どこか懐かしい設定の舞台と幻想的な異界の存在など面白く読めたが、どこかふんわりしていて心に残らない印象でもある。
小夜の力の発揮具合が曖昧なせいだろうか。
『守り人』でも感じたが、戦いのシーンがやんわりしすぎているため緊張感がないからかもしれない。
幻想的な結末で悪くもないのだが、ファンタジーの中にも人の生き様たるリアリティがなければ物足りない気がしてしまう。
児童文学としてはこのくらいのふんわり仕上げが丁度いいのかもしれないが、大人にはやや物足りないものがある。

読了日:2011.8
★★★☆☆

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2011年8月14日

ruru (00:14)

カテゴリ:国内小説一般上橋 菜穂子

『天と地の守り人〈第3部〉新ヨゴ皇国編』上橋 菜穂子

ロタ王国とカンバル王国を味方につけ、新ヨゴ皇国へ帰還したチャグム。 既に祖国はタルシュ帝国の侵攻を受けて血にまみれていた。 祖国を守ろうと戦うチャグム、怪我を負い行方知れずになったタンダを探すバルサ、ナユグの影響による洪水に向けて奔走するトロガイ師・・新ヨゴ皇国と彼らの運命は?

守り人シリーズ完結の作品。

綺麗にまとまって納得の終わり方ではあるものの、久しぶりに読み応えがあるファンタジーだと期待を込めていた分辛口になってしまうのだが、結局小粒に収まった印象で残念なのである。

折角大陸へと話が広がった割りにタルシュ帝国の存在が薄い気がするし、過去から連なる脇役たちがバラバラとたくさん出てくるものの活躍が見られないところなど、もっと過去シリーズを吸い上げた上で膨らませて壮大なストーリーにできたのではないかと思ってしまう。
要の戦闘シーンが弱いのも気になった。
全く臨場感がない。

まあチャグムはしっかり成長したし、バルサとタンダの関係もはっきりしたし、国の行く末も明るく感じられるしで収まるところには収まったのだから悪くはない。

悪くはないが、心震わせてまたシリーズ1巻から読もうと思えるほどの感動は残してくれなかった。
私にとってはどうしてもファンタジー=指輪物語があるのでハードルが高くなっていた仕方がないのかもしれない。
和製ファンタジーでここまでのものを描いてくれたことは素晴らしいとは思う。


しかし久しぶりに指輪物語が読みたくなってしまった^^;
初めて指輪物語を読んだときは、シリーズをぶっ通しで読んだ上、結末までいったら最初に戻るリピート読みを繰り返すという中毒状態に陥り現実世界に戻れないかと思ったほどだった・・。
そんな本にまた会いたい!

読了日:2011.8.4
★★★★☆

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2011年8月 8日

ruru (01:22)

カテゴリ:国内小説一般上橋 菜穂子

『天と地の守り人〈第2部〉カンバル王国編』上橋 菜穂子

再会を果たしたバルサとチャグムは、最後の望みを託してカンバル王国へと向かうが、この国にも既にタルシュ帝国の策略が潜んでいた・・。 一方草兵として出兵したタンダは、ナユグの春の訪れによる異変に気付く。 果たして彼らに道は拓けるのか・・。

舞台はロタ王国からカンバル王国へ。
懐かしい人々が入り乱れて再登場するも、新しい登場人物も多くあまり活躍はない。

チャグムたちは、対タルシュ帝国というこちらの世界で進む争いと異世界の春がもたらす天災という二つの困難に立ち向かうこととなる。

チャグムが国民のことを思い皇太子として一皮も二皮も剥けて成長していくことを感じられる一作。
力強さと冷静さ。
肉体的にも精神的にもすっかり大人になっている。

こうなるとバルサの存在が以前ほど輝かない気がして残念。
それでも再び二人の旅を読むことができたのは楽しかった。

読了日:2011.8.4
★★★★☆

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ruru (00:09)

カテゴリ:国内小説一般上橋 菜穂子

『天と地の守り人〈第1部〉ロタ王国編』上橋 菜穂子

チャグムの捜索を依頼されたバルサは、手がかりを追ってロタ王国へと向かう。 迫り来るタルシュ国とナユグの春。 バルサはチャグムと再会することができるのか・・。

とうとう最終章へ突入。
第一部はロタ王国が舞台。

ナユグの春の兆しに備えるトロガイ師とタンダ。
用心棒家業を続けるバルサは極秘の依頼によりチャグムを探す旅に出る。

チャグムがたくましく成長した反面バルサに老いが描かれることに寂しさを感じるが、たくましいバルサが健在なのは嬉しい。
私はどうもチャグムよりもバルサが主役の方が好きなようだ。

『神の守り人』に登場したロタの人々が再登場するのも展開として良かったのだが、広がりを感じるようでもう終わろうとしているのかという残念な気持ちもある。
何となく結末も見えてきた。

最終章に突入したことで自分の中でやや色あせてきた印象。

読了日:2011.8.4
★★★★☆

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2011年8月 7日

ruru (23:38)

カテゴリ:国内小説一般上橋 菜穂子

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