城山 三郎の最近のブログ記事

『百戦百勝―働き一両・考え五両』城山 三郎

祖父は豪農だったが父の代で持ち崩して貧しい生活をしていた春山豆二。
米屋の丁稚として上京した豆二は「働き一両・考え五両」という祖父の言葉を胸に米相場で財を成していく。

"相場の神様"山崎種二をモデルにした小説。

相場師との出会いや祖父の言葉「働き一両・考え五両」の影響で、労働の儲けだけではたかが知れていると相場の世界へ身を投じていく豆二。

米農家に生まれ米屋で汗して働くことで米の声を聞く。
絶対的な知識を持ち売り専門で米相場に打って出る豆二は、山っ気ある相場師たちの中にあってやや異色の存在だ。

海千山千の相場師たちと渡り合い、時に負け時に儲けで成功していく豆二の人生は波乱に飛んでいて面白い。

相場の世界にありながらどこか真面目な豆二だけでなく、「今日は大名明日は乞食」と浮き沈みしながらたくましく生きる相場師たちにもまた別の魅力がある。

桁外れのお嬢様で豆二の成功を支える妻冬子やひたすら労働で財を成そうとするお安の存在も大きく、物語に厚みを持たせている。

明治から昭和にかけてめまぐるしく時代が変わる中、貧農出身の少年が才覚1つで成り上がって行く姿は痛快。

山種美術館へ度々出かける身としては、美術品蒐集のくだりなども楽しい。
特にモデルを意識せずに読んだとしても、一人の男の人生物語として十分楽しめるだろう。

読了日:2012.8.
★★★★★

↓ブログランキング参加中です。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

タグ

2012年8月16日

ruru (11:18)

カテゴリ:国内小説一般城山 三郎

『本当に生きた日』城山 三郎

本当に生きた日
『本当に生きた日』
城山 三郎
新潮社 2007-05

専業主婦の素子は夫の単身赴任を機に、行動的な友人ルミに引きずられるようにして外で働くようになり女性の生き方について深く考えるようになる。
家庭を守るだけでは本当に生きていることにならないというルミ、視野が広がっていく面白さを感じながらも家庭の大切さを実感していく素子。
女性にとって本当に生きるというのはどういうことなのか・・。

城山三郎がこのようなテーマで小説を書いていたことにまず驚いた。
だが、男性が書いていながら女性の葛藤が繊細に描かれており、やや古風な感じはするものの共感できる作品だった。

個人的には、女性の生き方が幅広くなった分葛藤や矛盾が増えており、まだまだ混乱の時代は続くのではないかと思う。

読了日:2008.6.15
★★★★☆


にほんブログ村 本ブログへ

タグ

2008年6月15日

ruru (23:29)

カテゴリ:国内小説一般城山 三郎

このページの先頭へ