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『青い壺』有吉 佐和子

無名の作家の手による青い壷。 定年退職後の夫婦、子供が独立した夫婦、目が見えなくなった母を引き取った娘、上流生活に思いを馳せる老女・・・青い壷は売られ譲られ次々と持ち主を変えていく。 壷に関わる人々の心情を浮き彫りにしていく連作短編集。

久しぶりの有吉佐和子。
時代が古く現代とそぐわないような描写も多々あるが、鋭い観察眼によって浮き彫りにされる人間心理は、時代を超えて心寄せられるものである。

退職した夫を疎ましく思う妻、子供たちの心無い言葉に傷つく母、戦前の豊かな暮らしに思いを馳せる老女、50年ぶりの同窓会に心躍らせる老女、熱意を持って働く新人社会人・・青い壷はくるくると持ち主を変えながら女性たちの暮らしと心情にスポットを当てていく。

著者らしい細やかな視点で綴られる登場人物たちの心のうちは、共感や寂しさ、暖かさをもって読むことができた。

全13話に渡って主人公をかえていき、最後に作家の知人の下へやってきて終わるこの話。
自分に自信が持てずにいた陶芸家は、長い年月人々にもまれてより美しくなった青い壷との再会を経て、一段上へと登る事ができる。

とても綺麗に上手くまとまったストーリーで安心して読むことができる。
女性の立場や考えが大分昔の時代の話なので、時代性が今と合っていればなお楽しめただろうと思うが。

読了日:2011.8
★★★★☆

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2011年8月13日

ruru (23:14)

カテゴリ:国内小説一般有吉 佐和子

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