ねじめ 正一の最近のブログ記事

『万引き天女』ねじめ 正一

万引きに頭を悩ませている民芸店主門花。
どうやら最近良く来店する帽子を被った女が怪しいのだが、ふとしたことから門花は彼女に淡い恋心を抱くようになり・・。『万引き天女』他2篇。

万引きは現行犯逮捕が原則。
どうも怪しい帽子の女に店中で警戒するものの、なかなか尻尾をつかめない。
厄介なのは、目が肥えていてたまに買い物もしてくれる良き常連でもあるということ。
見張り続けるうちにいつしかそれは恋に変わり・・。

話の雰囲気や展開は面白いとは思うのだが、何となく冗長的な印象。
色々と事件らしきことは起こるものの、不思議過ぎるか日常的なことだからかでふわふわしているからだろうか。

他の短編もお遊びっぽい作品で、さらっと読めるが印象に残らないような軽い小説だった。
悪くは無いが物足りないまま終わってしまった。

読了日:2012.9.
★★★☆☆

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2012年9月29日

ruru (20:31)

カテゴリ:国内小説一般ねじめ 正一

『商人』ねじめ 正一

初代伊兵衛が一代で築き上げた鰹節商伊勢屋にんべん。
跡を継いだ伊兵衛と弟伊之助は、父亡き後傾いた家業を立て直そうと努力を続けるが、度重なる苦難に伊兵衛の心は病んでしまう。
伊之助は兄の代わりに新たな商売を模索し伊勢屋の進むべき道筋を探すことになるー。

鰹節と言えばにんべん。
そのにんべんの興りと伊之助が三代目を襲名するまでの苦難のドラマである。

露天商から大大名御用達の大店の主にまで成り上がった初代伊兵衛。
その初代が亡くなった途端、手のひらを返すように周囲の者たちは離れていき店は傾く。
跡を継いだ若い兄弟では力が足らず、伊勢屋は落ちるところまで落ち続ける。

店の復興に尽力するも心折れ力尽きた二代目伊兵衛が哀れだ。
しかしその兄がいたからこそ伊勢屋は続き、次男という立場に甘んじていた伊之助が成長していくこともできたと言えるだろう。

大名家の事情に振り回されるよりも、市井の人々に喜ばれる鰹節を売ることで伊勢屋を立て直したいー。
それまでの常識を覆し、自ら鰹節を作ることで低価格を実現、手間をなくした削り節の販売なども始める伊之助。

何のために商いをするのか?
タイトルの"あきんど"が表すように、三人三様の商人の意地に胸が熱くなる。

活気に満ち溢れた鰹漁師たちとの交流、商家を支える力強い女たち、男の友情、同業者たちとの駆け引きなども巧く絡んで読み応えがある大作だった。

読了日:2012.8.31
★★★★★

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2012年9月 1日

ruru (12:04)

カテゴリ:国内小説一般ねじめ 正一

『眼鏡屋直次郎』ねじめ 正一

シーボルトに学んだ経験もある眼鏡屋浜田屋の跡継ぎ息子直次郎。 帰京後いまひとつ仕事に打ち込めない日々を送っていたが、吉原一の太夫薄雲の依頼で女性向け眼鏡を作ったことをきっかけに新しい眼鏡作りに目覚める。 そんな直次郎の心配は、元師シーボルトの不穏な動きと鳴滝塾の仲間たちの身の上なのだが・・。

きちんと度を合わせ、デザインを追及し・・考えていたよりも江戸時代の眼鏡事情は発展していたらしい。
見た目を気にして眼鏡をする習慣がなかった女性に何とか使ってもらえるようなデザインの物を作りたいと奮闘する直次郎。
優しいもののどこか頼りない直次郎だが、周囲の人々との交流を通して少しずつ成長していく。

眼鏡屋という商売に焦点を当てているのも面白いし、シーボルト事件に絡めて歴史上の人物たちが登場しながら話が展開していくのも楽しい。

長崎に遊学をしたという設定のため、どこか異国の雰囲気が混ざってくるのも新鮮で良かったと思う。

江戸人情物でありながら、臨場感をもって歴史をなぞらえることで物語が引き締まっている。
構成がとても巧い読み応えがある時代小説だった。

読了日:2012.4.18
★★★★☆

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2012年4月21日

ruru (21:02)

カテゴリ:国内小説一般ねじめ 正一

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