藤沢 周平の最近のブログ記事

『よろずや平四郎活人剣〈上〉 〈下〉 』藤沢 周平

千石旗本神名家の末子平四郎は、実家を出て裏店で「よろず揉め事仲裁」の仕事を始める。 夫婦喧嘩に人探し、商売上の揉め事など・・仲裁をする中で見えてくる市井の人々の様々な人生。 一方目付である兄監物は鳥居耀蔵を張る仕事を平四郎に手伝わせるのだった・・。

平四郎はのんきな旗本の冷や飯食いだが、剣の力は抜きん出ている。
兄監物に呼び出されての護衛は億劫だし、仲裁稼業は弁論で済ませたいと思っているがそうは行かない。
ほとんどの場合斬り合いが発生し、腕前を見せつけてくれる。

人情あり、ちゃんばらあり、歴史的な絡みありと盛りだくさんの連作集。
町に溶け込みながら成長していく平四郎の自立までを追うことができて面白い。
元許婚の早苗の存在も話に深みを持たせている。
真面目で人の良い北見や自分勝手だが憎めない明石といった道場仲間の存在感も大きい。

からっとした気分で読める時代小説で一気に上下巻を読んでしまった。
もっと続きがあっても良さそう。

読了日:2012.5.
★★★★☆

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2012年5月28日

ruru (22:02)

カテゴリ:国内小説一般藤沢 周平

『龍を見た男』藤沢 周平

荒々しいはぐれ漁師の源四郎は、最近甥の虎蔵を自分の船に乗せている。 妻のおりくは近くの寺へ安全祈願に行くことを提案するが、神仏を信じない源四郎ははねつける。 そんな中不意の事故で虎蔵は海に沈み、一人漁に出た源四郎の船も沖へと流され・・。『龍を見た男』他9編。

主人公たちは町人、泥棒、漁師、武士などと様々だが、それぞれの喜びや悲しみ、意地や信念など人間の心情が繊細に描かれている珠玉の作品集となっている。

意地を張り合う兄妹の仲を取り持つ口の聞けない音吉の心に打たれたり(『帰ってきた女』)、隣の家に遊びに来る少女が売られたことを知って心を砕く老夫婦の人情にじんときたり(『弾む声』)、妻の過去が急に気になりだした下駄職人清兵衛の心の動きから夫婦のあり方に心を寄せたり(『女下駄』)、絶縁した友人が切腹したと聞き名誉回復に走り回る助太夫に武士の頑固さと男の友情を感じたり(『切腹』)・・・とそれぞれ全く異なる雰囲気の短編小説集なのだが、どれも読み応えがあって良い話ばかりだった。

今更藤沢周平をあれこれ評すのはおこがましいし、何も言うこともない。
極上の読書時間を過ごさせてもらった。

読了日:2012.5.
★★★★★

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2012年5月17日

ruru (21:06)

カテゴリ:国内小説一般藤沢 周平

『たそがれ清兵衛』藤沢 周平

たそがれ時になるといそいそと帰路につくことからついたあだ名は「たそがれ清兵衛」。 清兵衛は剣の達人ではあったが、妻が病に倒れてからは看病と家の雑事に追われて勤めにも身が入らない。 そんなある日、清兵衛は家老から上意討ちを命じられる。 最初は渋っていた清兵衛も良い医者を紹介するとの言葉に引き受ける事とするが・・。 『たそがれ清兵衛』他8編から成る時代小説短編集。

妻の看病に精を出している『たそがれ清兵衛』、顔立ちが悪く笑いの種の『うらなり与右衛門』、石高を取り戻すために上司に取り入る『ごますり甚内』、すぐに忘れる『ど忘れ万六』、極端に無口な『だんまり弥助』、何でも大げさな『がが泣き半平』、派閥争いから身を引く『日和見与次郎』、身なりが粗末な『祝い人助八』。

容貌や風体から軽んじられている男たちの共通点は剣の達人。
冴えない毎日を送っている彼らだが、有事の際には見事な剣さばきを見せてくれる。

よくもこれだけ様々なタイプの男を揃えたもの。
どの話も同じような展開にも関わらずそれぞれ味があってとても面白い。
見直されたりやはり今まで通りだったりと結末は異なるものの、読んでいてすっとする気持ちの良い話ばかりで一気に読んでしまった。

パターン化された話が続く短編集というのも読み心地が良い。
時代小説の楽しさもたっぷり感じさせてくれる。

やはり藤沢周平は面白い。
久しぶりに読んだのだが、また色々と読んでいきたいものだ。


読了日:2012.4.22
★★★★★

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2012年4月24日

ruru (20:41)

カテゴリ:国内小説一般藤沢 周平

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