ジョルジュ・ルオー・IラブCIRCUS@パナソニック汐留ミュージアム

新橋にあるパナソニック汐留ミュージアムでは「ルオー財団特別企画展 ジョルジュ・ルオー IラブCIRCUS」が開催中です。


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元々汐留ミュージアムはルオーの作品を多数所蔵しているのですが、今回はそのルオーの作品の3分の1を占めているというサーカスの作品にスポットを当てた展覧会になっています。


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美術館もサーカスのイメージで楽しくデコレーションされていました。


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今回は「山田五郎アートトーク」にも出かけたのです!
1時間ほどのルオーに関するアートトークを聴講しました♪


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ご自身のルオーとの出会いは、中学生の頃お父様が買ってきたミセレーレの版画だったとか。
美術好きの血は争えませんね。
父親がミセレーレを買ってくる・・そんな家庭環境に憧れる。。


内容は師モローの影響、日本でのルオー人気、近代美術史の一端まで幅広く。
テレビそのものの軽快な口調でのお話なので、飽きることなく楽しく聴くことができました。
専門家はもっといるでしょうけれど、講演会は授業ではないのだし、やはり話術の方が重要だなあとかしみじみ考えてしまいました。


さて。
そのお話によればルオーは象徴主義で「俗の極みに聖なるものがある」と考えたのではとのこと。


その後展覧会を鑑賞したのですが、ルオーの描く道化師やダンサーたちは皆一様に暗い影をまとっています。


華々しいステージの裏側を描き、そこに生きる人々の哀愁の中に人間の人生そのものを反映させる。


力強い筆遣いの中にルオーの想いが塗り込められているように感じました。


晩年の作品で道化師が神に近づいていったのも一目でよく分かります。
物悲しい作品が続いていたので、明るい色彩と道化師の突き抜けた表情に少しほっとしました。

サーカスというと楽しそうなイメージですが、このルオーの展覧会は違います。
演じなければならない芸人たちの孤独と悲哀に目を向けた作品ばかり。


日本では梅原龍三郎が初めてルオーの作品を持ち帰り、白樺派が気に入っていたのだというお話がありましたが、文学的な絵画という意味でその理由が分かる気がしました。


タペストリーの原画が3枚展示してあったのですが、これほどの大作が並ぶのは珍しいそうです。
ルオーの特徴は黒枠と何重にも重ねた濃い色使いですが、大きさがある分益々迫力が増しています!
しかし道化師家族を描いた『小さな家族』はまだしも、寂しげな表情の『踊り子』、怪我をした道化師を労わる仲間を描いた『傷ついた道化師』などは物悲しさを感じる作品で、これをタペストリーにして居間に飾るのもなんだか気が引ける。。


その他にもルオーが集めた新聞の切り抜きや当時のサーカスの様子を知ることができる映像などの資料なども多数展示してあり、ルオーとサーカスについては随分掘り下げて知ることが出来たように感じます。


ボードレールの詩集『悪の華』の挿絵の話を聴いて興味を持ったので、今度是非読んでみたい!


会場はそれほど広くないですが、ルオーの精神世界を垣間見ることが出来る展覧会になっていました。

(2012.11.2)


「ルオー財団特別企画展 ジョルジュ・ルオー IラブCIRCUS」
■会場:パナソニック汐留ミュージアム(東京都港区)
■会期:2012年10月6日(土)~2012年12月16日(日)
■休館日:水曜日(祝日は開館)
■開館時間:10時~18時(入館は17時30分まで)

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2012年11月 6日

ruru (22:51)

カテゴリ:旅行・イベント美術館・博物館鑑賞

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