維新の洋画家 川村清雄展@江戸東京博物館

江戸東京博物館では開館20周年記念特別展として「維新の洋画家 川村清雄」を開催中です。

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今回ブロガーイベント【川村清雄展 特別鑑賞会・レセプション特別ご招待&図録プレゼント】に参加してきました!

江戸博休館日の10月9日に、限られた人数で鑑賞できる上に図録がいただけるという大変嬉しい企画です(*´∀`*)


記念式典では、まずは竹内館長から今回の展覧会趣旨・内容について紹介がありました。

「ここは美術館ではなく博物館。作品だけでなく、諸資料を共に展示して川村清雄の生涯を追っている」

という説明になるほどなあと納得。
あまり知らなかった川村清雄についての説明があり、楽しく拝聴しました。

その後川村清雄の孫である篠原さんのお話に。
軽いご挨拶で終わるのかと思っていたところ、忘れられていた画家川村清雄の名を残そうと努力されてきたご両親のお話や今回の展覧会開催へのご自身の思いを切々と語られていて胸が熱くなりました。

記念式典というと形式的なイメージがありましたが、鑑賞前に踏み込んだお話を聞くことができて良い機会を得ることができました。


さてその後鑑賞会に入ったのですが、式典参加者が一気に押し寄せて入口が長蛇の列に。。
これでは限定鑑賞会の意味がないと思ったので少し時間をずらして入場したのですが、これはちょっと失敗だったかも。
興味深い資料が多くじっくり読み込んでいたら最後時間が足りず駆け足になってしまいました^^;


幕末に幕臣の子として生まれた清雄は、徳川家の援助で留学をして絵画を学び、帰国後は勝海舟や徳川家達らの庇護の下洋画家として活動します。
しかしあまり世渡り上手ではなかったようで、当時の日本洋画の主流からは逸れ、旧幕臣たちに支えられながら絵を描き続けるものの現代に名を残す事はできなかったようです。

私も今回初めて名前を聞きましたが、画家の背景を知り、作品を鑑賞すると今まで埋れていたことの方が不思議に感じました。
徳川将軍らを描き、明治時代の重要人物たちと交流し、11年も海外留学をした洋画の先駆者とも言える画家ではないですか。

ジャポニズムに沸くヨーロッパへ留学した経験から日本要素を大切にし、そのことで当時の日本洋画壇と馴染めなかったというのは皮肉な話です。


展示は旗本川村家に代々伝わる武具や芸術品などの紹介から始まり、留学中の書簡や写真など清雄に関係する諸資料が続きます。

家達からの手紙は日本語だけでなく英語まであって、内容は若者らしい恋愛の話などが書かれています。
身分の高い人や政治中枢にいた人との交流を知るのも面白く、当時の情勢と照らし合わせて想いを馳せることができるのもこの川村清雄展の楽しみの1つではないでしょうか。
勝海舟の家にアトリエがあったとか幕末明治期の歴史に興味がある人なら絶対はまります!

絵画作品としては、イタリア留学中のスケッチや水彩画、油絵などから紹介されていますが単純に巧いです。。
この頃は完全によくある洋画。
日本的な要素は帰国後に強く現れてくるようです。

最高傑作のひとつとされる『形見の直垂』は和魂洋才そのもの。
勝への感謝と鎮魂の想いが溢れていて胸を打ちます。

風景画も美しかった!
パリ留学時代にコローを訪ねたことがあるということですが、確かに影響を感じられるような透明感あふれる風景画になっていますね。
西洋的な風景画の中に和服の日本人がいるのも印象的でした。

今回の目玉の一つオルセー美術館所蔵『建国』も素晴らしいです。
天照大神を描いた最初の図案から雄鶏と三種の神器という抽象的な作品へと変化したと言う事実も面白い。


歴史好きも美術好きも楽しめる展覧会でした。
開館20周年に持ってきただけのことはある!
作品だけでなく、清雄の生涯や歴史の転換期についても想いを馳せられる厚みのある内容になっています。

目黒区美術館でも川村清雄展を開催するらしいのでそちらへも出かけてみようっと♪


(2012.10.9)


「維新の洋画家 川村清雄展」
■会場:江戸東京博物館(東京都墨田区)
■会期:2012年10月8日(月・祝)~12月2日(日)
■休館日:月曜日(ただし10月8日(月・祝)は開館)、10月9日(火)
■開館時間:9:30~17:30 (土曜日は19:30まで)


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2012年10月13日

ruru (19:29)

カテゴリ:旅行・イベント美術館・博物館鑑賞

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